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NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

8/13 サンダーvsヒート シーディングゲーム第7戦

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いやぁ今日の試合ではやってしまいましたね、いろんな意味で。

というのも今日の試合というかムスカラのクラッチ3Pによって今日の試合の勝敗だけでなくプレイオフの対戦カードやドラフト指名権の喪失まで決まるという壮絶なワンショットでした。しかも第4クォーター残り10:21の場面では22点差の大差をつけられている状態からの奇跡のカムバックでの勝利というこれまたドラマチックな展開に。

更には連日活躍を見せオクラホマ界隈を騒がせている時の人、ベイズリーがまさかまさかの3試合連続20得点達成となんだか濃い試合だったのでした。ロードマネジメントで休んでいたアダムスたちは全員帰ってきましたが、逆にドートはジェイ・クラウダーと激突して膝を負傷と少し心配ではあります。不幸中の幸いといいますか歩いて会場を去って行った際には足を引きずる動作もなかったのでそこまで大きな怪我ではないかなと思われます。また、プレイオフ開始が現地17日で、4.5位のサンダーはおそらく2日目以降に回されると考えられるので1週間弱の療養が可能です。ドート無しでプレイオフを戦うのは厳しいものがあるので無事に帰ってきてくれることを祈ります。

 

 

*揃い踏みサンダー

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久々に(シュルーダー以外)全員がロスターに名を連ねたサンダー。相手はハードワークとバランスアタックでイースタン上位にのし上がってきた難敵ヒート。軽く触れただけの紹介ですがサンダーと丸かぶりのスタイルなので予想違わぬ総力戦になりました。1Qはボールムーブが阻害されて思うように攻められずにアシストが0にとどまり、それでも個人技やFTでちまちまと繋ぎ29得点。ただしヒートはこの日好調だったリーグ屈指のシューター、ダンカン・ロビンソンにボールを集め、先述の事故によりドートが不在になりマッチアップがディアロやネイダーになった途端に外から好き放題にプレイして42得点を叩き出しました。当たり日のシューターって怖いぜ。ガロもそうだけどさ。

そんなこんなで2Qでしたが今度はこちらのボールが回りだし、プレイオフ前にどこか抑え気味のガロよりもハードワークするベイズリーがリバウンドからボールをプッシュして良いリズムをつくります。あとシェイが久しぶりの好調で相手がアンドレ・イグダラだろうと個人で突破していくのでヒートのディフェンスが収縮して、ネイダーやロバーソンが3Pを沈めて猛追します。1Qでは0だったアシストも7つ記録し、オフェンスが良い形で終えられるので必然的にハーフコートディフェンスで迎え撃てるようになりヒートもジリ貧に陥りました。ちなみに今度またデータを引っ張り出してこようとは思っていますがノエルやポールはハーフコートDFに強いのでそういったところでもストロングポイントを押せたかなといった印象。しかしそれでも1Qの大差をひっくり返すには及ばず62-66のビハインドで折り返しました。

後半に入ると明らかに両チームは調整の雰囲気で、ダラダラやっていたシェイがケンタッキー大の後輩、タイラー・ヒーローに刺されて失点を積み上げ、またロビーの代替でチャンスを手にしたホールがアピールをしますがすべて空回りといった悲惨な状態でリズムを崩します。多分ドノバンやフロントの期待はPGとしてのゲームメイクだったと思うのですが一時期のダニエル・ハミルトン(覚えてなかったら済みません)のようなプレイぶりでしたね。あ、バートンって言ったほうがよかったかな。ついでに言うとディアロも気づいたら11得点をあげて勝利に貢献していたのですが3Q〜4Q序盤は明らかに判断ミスが多く、集中を欠いていました。結果的に試合を通して16、うち後半10ものTOVを積み上げて22点ビハインド。今日もこんな感じで終わりかなと誰もが思ったその時、ヤツが覚醒します。そう、バブルでブレイク中のヤツがね。

ベイズリーは前半5得点、FG、3Pともに33%とお世辞にも好調とは言えないスタッツだったものの±はチームトップの+7を記録しており、やはり何かを持っていたベイズリー。ちなみに唯一の3Pは最近板についてきている例のステップバック3Pだったよ。

後半は例によってガロがお休みするので重用されるので何かしてくれるかなぁとは思っていましたが残り6分から出場して全てのシュートをミスし、第3Qを終えます。第4Qに入るとファーガソンが良くボールを回してくれるので積極的にアタックしたベイズリー。3P4本を含むFG6/6のパーフェクトでこのQだけで16得点を叩き出して勝利を手繰り寄せる獅子奮迅の活躍。ちなみにヒートはヒートでヒーローがキャリアハイ30得点とルーキー同士の熱い戦いとなりました。あ、ちなみに4本の3Pのうち1本はステップバックでした。来季あたりシグネチャームーブになってるんじゃなかろうか。

ヒートアップするルーキーたちを傍目に自分の仕事をしっかりこなしていたロバーソンとムスカラが3Pで追随して1ポゼッションゲームに持ち込み最後にとどめを刺したムスカラの3Pで勝負アリ。というかもうなんの違和感もなく3Pを決めているロバーソンが怖いよ…ちなみにバブルでは37.5%で3Pを沈めているロバーソン。一端の3&D並みに良い仕事をしています。シュートフォームも大きく改善し、まさかのセットシュートなのにクイックリリースというロンゾ・ボールめいたことをしていました。FTはアテンプトがないのでどうなっているのかは分からないけどDFが衰えた分をOFで埋めてくれています。怪我明けなのでそこまでしっかりDFをしていないこともありますが。ただDFで生きている選手ですのでもう少し取り戻してくれないと困るというのが本音ではあります。

 

 

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・総評

とにかくベイズリーのブレイクを見守る試合でした。ここのところずっとそうですけど。

ルーキーの3試合連続での20得点記録はサンダーだと2008年のウェストブルックまで遡ります。意外とハーデンもやってなかったんですね。そんな記録を残してしまったベイズリーでした。ちなみに今シーズンのルーキーですとザイオン・ウィリアムソン、ジャ・モラント、ケンドリック・ナン、コビー・ホワイト、マイケル・ポーターJrしか達成していない記録となります。錚々たる面々に名前を連ねたベイズリー。まだまだ荒い部分は沢山ありますが、彼らと同じだけのポテンシャルを持っていたことを証明し、23位という順位が誤りであったと知らしめて欲しいところです。あと彼が活躍すれば有望な高校生のNBA入りの選択の幅が大きく広がりますしね。

次戦、クリッパーズ戦のレポートも書くとは思いますが、遂に決まったプレイオフ対戦カードであるロケッツとの対戦について色々書いていますのでそちらの都合がつけば…ではまた次の記事でお会いしましょう!

ダリアス・ベイズリー in Bubble

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初手から謝罪です。一応リアルタイムでしっかり応援していましたが両方とも余りにも語ることのないゲームだったため割愛いたしました。申し訳ございません。代わりと言ってはなんですが、バブルにてブレイクを見せているベイズリーについての特集をば。

 

*23rd Prospect⁇

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以前にも何度かお話ししましたがベイズリーは特殊な境遇から成り上がった選手なのです。高校時に現在キングスに在籍していますマービン・バグリーⅢ(当時ブッチギリの高校No.1選手でした)を圧倒して評価を大きく上げ、最終的に5つ星の評価を受けていましたが、突如としてコミットしていたシラキュース大の推薦を蹴ってGリーグ入りを表明、そしてそれも取り消して最終的にはNew Balanceインターンを受け入れ、社員としての給料を貰いながらドラフトに備えるという特殊なルートを通りました。そのため、彼は1年間バスケットボールの試合から離れており、それが響いたこともあってドラフト前の評価は決して高いものではなく、23位にて指名を受けたときには世界中のサンダーファンから「Who??」との声が上がったことは鮮明に覚えています。一応ある程度はドラフト候補のチェックをしている私もほぼ情報がなく、何故?と思ってしまったのも覚えています。だって推しのケビン・ポーターJrとボル・ボルが残っていたのでね…でも流石は辣腕プレスティの慧眼と思い知らされました。確かにClass of 2018のうち、ESPNにて最終的に13番目にランクインしていた彼のポテンシャルは高いのではないかとの考えは各チームにもある程度あったとは思いますが実際に手を出す根拠としては薄弱で、しかもコンバインで圧倒的な数字を叩き出したブランドン・クラークをトレードダウンしての獲得だったことも考えると負けドラフトだったのではという考えがあってもおかしくはないものだったのでした。そう、バブルが開催される前までは。

それでは彼のバブルでのスタッツを見ていきましょう。

・スクリメージ

  • 平均24.5分出場
  • 14.0得点
  • 5.3リバウンド
  • 1.0アシスト
  • 1.0スティー
  • 1.0ブロック
  • FG48.3%-3PT42.9%-FT57.1%

・シーディングゲーム

  • 平均27.1分出場
  • 12.3得点
  • 5.5リバウンド
  • 1.2アシスト
  • 0.3スティー
  • 0.5ブロック
  • FG42.6%-3PT42.9%-FT90.9%

ついでに昨年、大車輪の活躍をしてくれたジェラミのスタッツとベイズリーのバブル前までのスタッツも見ていきます。

・18-19ジェラミ

  • 平均32.7分出場
  • 13.6得点
  • 5.2リバウンド
  • 1.0アシスト
  • 0.8スティー
  • 1.3ブロック
  • FG49.7%-3PT39.2%-FT71.0%

・バブル前ベイズリー

  • 平均17.2分出場
  • 4.5得点
  • 3.7リバウンド
  • 0.5アシスト
  • 0.4スティー
  • 0.7ブロック
  • FG38.3%-3PT30.0%-FT68.1%

どうでしょうか?ベイズリーのスタッツが伸びているのは明らかですが、元々リバウンドは取れており、スティールやブロックが伸びているわけでもなく、得点面、特にシュート精度の進捗が著しいことがわかります。というか3P43%はエリートクラスです。しかも数試合の好調による確率変動とは考えにくい。というのもどの位置にいてもキャッチアンドシュートを徹底してこれまで放ってきたベイズリーですが、最近はステップバックやプルアップでのシュートを多投しており、シュートの能力そのものが伸びていることを示しています。これはかなり信用度が高く、またこれまでにコーナー3Pも多く試投していたしていたベイズリーですが、ここ最近では4/28の試投に留まっており、またトップオブザキー〜ウィングエリアでの3Pは12/24で50%と明らかにホットゾーンを構築しているのが分かります。以下サンズ戦とウィザーズ戦のショットチャートです。

・ウィザーズ戦

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・サンズ戦

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これらのことから導き出せる推論としては、ベイズリーは自分の得意なプレイに徹した結果、3Pを含むFG%を大きく上げて得点力を上げたという点、また単純にシュート力が上がっているという点が挙げられます。FT%ですがスクリメージで57.1%だったことを考えると90.9%というのは出来過ぎもいいところだと思いますが実際にかなりの精度で決めてくれているので75%くらいは期待できるのかなといった状態。しかし基本的なシュート力が伸びていることに疑いの余地はなく、それが彼自身にもスコアリングの自信をもたらし、アテンプトが増えて得点を積み上げているという非常にいい状態にあると言えるでしょう。

 

半醒半睡、才気嘱望

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ここに来て才能を開花させつつあるベイズリー。2試合連続でルーキーが20得点以上を挙げたのは2009年のハーデンまで遡ります。ただ色々な思惑や時の運に恵まれたのも確かで、ウィザーズ戦は本来の力を発揮できるメンバーとは程遠く、サンズ戦ではガリナリが欠場し、スターターとしてチーム最長の出場時間を得たことも関係しています。まぁそれに関わらず再開後は元々プレイタイムが長めなんですが。

プレイタイムが長めなのはガリナリがイマイチ怪我の耐性について信用度が低いこと、指名権やホームコートアドバンテージがほとんどない環境であることからサンダーは負けても構わず、育成や調整重視の起用を行なっていることが挙げられますが、もっと言うならばガリナリがFAとなり退団を選択する可能性は高く、それに備えてということなのではないでしょうか。

話は変わりますが先ほどベイズリーとジェラミを比較しましたが、スタッツがとてもよく似ており、彼は2年かけてハンドリング技術とシューティングを磨いて今の評価を築いたことを考えるとセンスというものは恐ろしいもので、元々サイズの割にハンドリングが優秀だった彼は(突き出しはいまだに怪しいですが...)、シュートを磨いただけで弱冠20歳にして今の領域に到達しており、今後本当にジェラミの立ち位置や、ともすればその先のパスカル・シアカムの立ち位置まで伸びるポテンシャルは十分にあります。若さは武器であり正義なのです!

まぁジェラミと比較すると最高到達点の差やディフェンスの差はまだまだ顕著ですが、サンダーは名ディフェンスコーチのロバーソンがいるので(もうすぐFAですが再契約してくれるでしょう)、ディフェンスの伸びは期待したいですね。

ただ逃した大魚と言われがちのクラークはもうすぐ24歳、ジェラミは26歳半ばということを考えると、彼がその歳になった時にどんな評価を受けているのかということにかかっており、現時点で比較するのはナンセンス。またサンダーは再建に舵を切っているということもあり、チームの指針にもベイズリーの方がマッチしています。この未完の大器が今後数年かけてどう成長していくのか必見です。

 

p.s

余談ですが彼は23位指名なんですよね。サブタイトルでも示しましたが。

サンダーが残りのヒート戦、クリッパーズ戦を落とし、ペイサーズ、ジャズ、シクサーズマーベリックスのうち2チームに抜かれればプロテクトがかかり、20位以上の指名権が戻ってきます。どうでしょう、夢がありませんか?少なくとも私は夢があると思いますし、クリッパーズナゲッツ、ロケッツの上位陣のどこと当たっても変わらず苦しい戦いを強いられるだろうと予想しているので残りわずか2試合全力を尽くすよりも調整に当てた方が経営戦略として賢いのではないかと今でも考えております。くどい上に歪んだ考え方で申し訳ありません。でも本当に今年は1巡目下位に良いロールプレイヤーが揃ってるんですよね…余裕があればまたサンダーが取りそうなドラフト候補生を記事にまとめたいと思います。タイラー・ベイとかジェイレン・スミスとかプレスティは好きそうですし選びそうなんですよね。

ま、それはまた機会があればということでそれでは次戦のヒート戦後にまたお会いしましょう!

 

8/8 サンダー@グリズリーズ シーディングゲーム第4戦

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覇気がない‼︎

ブレイザーズにゲーム差0.5まで詰め寄られ、後がないグリズリーズとの対戦は29点差で大敗を喫する結果に終わりました。もう気迫が違ったよね。Win or Go homeのグリズリーズと普通にレギュラーシーズンをこなしているサンダーでは気迫が違うのは当然といえば当然なのですが、再来週にはプレイオフが開幕することを考えるとこんな情けない試合をしている場合ではないと思います。以前より申し上げている通り私は負けてくれて構わない派なので勝敗にはとやかく言うつもりはなかったのですがあまりにも内容がお粗末すぎて。

あ、唐突ですが一つ良いニュースがありました。シュルーダーの第二子が無事に産まれたみたいです。そして娘さんでした。

2児のパパになったシュルーダーですが髪型で遊ぶヤンチャっぷりは健在で、最近バズカットが板についてきたかなぁと思っていたらなんとサンダー仕様の髪型に⚡️。なんとなくサンダー移籍当初の髪型を思い出しますね。

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髪型といえばシェイもコーンロウを解いて長めのテーパーフェードに戻っていました。コーンロウかっこよくて気に入っていたんですがね…バブル内であのようなコーンロウを再度組めるか分からないのでこのままあの髪の毛でやる可能性もあります。でも戻した途端に絶不調なのでジンクス的な意味でやめてほしいとも思います。カッコよければなんでも良いんですけどね。

 

 

*シーズン最低のサンダー

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まぁびっくりするくらいシュートも入らないしDFもできないサンダー。1Qは37得点もあげてリードしていたけれど9割ドートのおかげなのでなんとも言えず。2Q以降は全てのクォーターでリードを奪われました。また2Q以降の総得点は55得点で、後半に限れば僅か32得点です。酷いね。ちなみに2Qも23点を挙げて繋いだものの実際はラスト10秒くらいまでは17得点に留まっていたのでオフェンス不振が目立ちました。

さぁじゃあワルモノは誰かとなった時に真っ先に挙げられるのはシェイでした。シーズンで2番目に悪い10得点と23.1%のFGにシーズン最低の1/8の3Pを記録。ついでに3TOVも献上し酷い有様でした。しかも何が酷いってDFも酷い。シェイのローテーションミスのところから失点を重ね、折角優秀なストッパーたちがジャ・モラントを守ってくれてもワンパスで捌かれて終わりだったりそもそもディロン・ブルックスを全く止められてなかったりとDFも散々でした。一昨日の試合も不調だったので少し気にかけてはいましたがどうもここのところシェイが錆びついている気がします。シュルーダー不在でゲームメイクをやらされているのは無関係ではないと思いますがあくまでスコアラーの役割をこなした上での+αで求められている部分だと思いますのでまず自身のスコアリングから始めてほしいですね。ドライブも減りすぎですし今日に至っては流れながらの3Pを連発して外しまくるという若干目的が見えないプレイを連続していたので…

あと色々謎があった今日の試合ですが1番の謎はヨナス・バランチュナスに無策だったことです。現代バスケットのセオリーでは今日のように機動力のないビッグマンにポストで散々やられた場合には相手に付き合わず、スモールでランゲームを仕掛けるのが通常です。ですが一貫してフィジカルで劣るノエルをぶつけ続ける謎采配。本当にドノバンがCOYで良いのかNBCAよ…

アダムスとムスカラが欠場していたのでノエルが唯一のセンターということもあってスモールをやる理由は十分だったはずなのですが行わず。ほんの3分程度はベイズリーがセンターを務めるスモールが見られましたが…うーん。

とにかくバランチュナスに答えを見出せない形で最後まで叩かれたサンダー。ノエルも頑張っていたけどあまりに意識するのでDFが中に収縮して3Pのケアが甘くなり、外を警戒すれば中でやられるという全てが後手後手の状態でした。ポールもガロもリズムを作れませんでしたし、OFとDFで連動して負のスパイラルに陥っていたというのは一目瞭然の話。ただこれを切り替えてくれるのがシュルーダーとノエルのベンチデュオだったのですが双方ともにベンチにおらずと手詰まりで、その役割をネイダーとディアロに託したかったけど2人揃って通用せず。

本当にひたすらなす術なくやられる様を指を加えて見ている状況だったサンダー。責任は多分ドノバンにあるけど今日の展開でアジャストしろって言っても難しく、かと言ってドノバンが勝つ方法を模索したかといえばそうでもないという形でした。ストロングスタイルを貫くのは良いことですけど欠場者がいる時くらい柔軟に動こうよというのが個人的な見解です。ま、プレイオフ前に変にいじくって狂わせたくないというのも分かるんですけどね。あとガロは今日も安定の19分出場でした。ここまで過保護だとプレイオフでいきなり35分出られるかかえって心配になりますね…

 

・総評

自滅しすぎの試合内容で、かといってそれを取り戻そうという気概があったかといえばそれもないエナジー不足の試合でした。正直今シーズン指折りにつまらなかった試合でした。だって今シーズンのサンダーはグリット&グラインドで強固なDFを敷いて、OFも古風なOFを粘り強く行って勝ってきたチームであるのにグリズリーズの方が圧倒的に気概、エナジーに満ちていたのだから負けるのは本当に当たり前なんです。まずはそこ。それでいて欠場者の穴を埋める戦術もないのですから勝機は0でした。本当にドートくらいしか褒めるところがなく、スタッツ上では一見良さげに見えるポールやガロも実際はまるでやりたいことが見えていない状態で浮いているようなテキトーなプレイを繰り返していました。これじゃダメだよ。こんな状態でも流石にウィザーズには負けないと思いますがその後のサンズにはブローアウトされてしまうこと必至で、さらにその後のヒートやクリッパーズとは戦うまでもない状態ですのでここらで一発、プレイオフに向けて喝を入れて欲しいところです。

自分たちのプレイをした上で負けるのは全然許容できるのですが内容が悪すぎるのはちょっと受け入れ難い、そんな心情の筆者なのでした。負けるにしてもナゲッツ戦みたいに頑張った上で負けて欲しいのです…

 

8/6サンダー@レイカーズ シーディングゲーム第3戦

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リーグ首位を確定させたレイカーズにシュルーダー抜きで戦うことを強いられ、苦しい戦いになることを想定していましたがまさかまさかのワンサイドゲームとなりました。リーグ首位を確定させたためレイカーズが手を抜いているとの声も聞こえてきますしそれはまぁあり得る話ではありますが、レブロン・ジェームズとアンソニーデイビスをしっかり起用してきていたので単に不調だったのではないかと思います。そもそもがバブル入り後のレイカーズの最強デュオはADがFG40%、レブロンがFG42%と明らかに精度を落としており、コンディションの悪さが伺えます。チームとしてもエイブリー・ブラッドリーの不参加やラジョン・ロンドの怪我などでパフォーマンスを落としており、中断前の圧倒的な強さに陰りが見えています。唯一良いと言えるのはカイル・クズマの好調くらいかな。まぁそれでもなんだかんだでプレイオフではレブロンがなんとかしてしまうのでしょうね。余談ですがグリズリーズが痛恨の4連敗、主力のジャレン・ジャクソンJrも離脱と苦境に立たされており、ブレイザーズが猛追していることから恐らくレイカーズの初戦の相手はブレイザーズとなりそうで、不調のレイカーズと好調のブレイザーズというこれまた面白くなりそうなカードですね。レイカーズファンにとってはたまったものでは無いのでしょうが…

 

*ディフェンシブ・サンダー

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まぁそもそもがそういうコンセプトのチームなのですが、今日の試合では特にそれを感じました。特にディフレクションが多く、簡単にパスを通させないディフェンスでレイカーズのボールムーブを阻害してシーズン平均25.5アシストを記録しているレイカーズのアシストを僅か17に押さえ込みました。平均7.6のスティールも今日は9と好調。

目立った活躍をしたのはドート、ロバーソン、ディアロでそれぞれペリメーターで動き回り、ルーズボールに飛び込み、ハッスルプレイで流れを呼び寄せていました。というかドートはリバウンドからルーズボールカバーまで突っ込み、自身はあまりFTを与えないコンタクトのディフェンスを敷いており、その辺りからもマーカス・スマートみを感じます。欲を言えばシュートもスマート並みにと言ったところですがまだまだ先があるので改善に期待ですね。FTはキッチリ決めてくれているのでシュートセンスが無いわけではないと思いますし。あと最近リバースレイアップだけはやたらと上手く、And1を取ってきてくれるのは嬉しい誤算。そういえばネイダーもユーロレイアップだけはやたら上手かったな…

 

鬼のCP3

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毎年プレイオフモードを搭載しているポール。でもギアを上げるとハムストリングが悲鳴を上げるようで毎年のように故障してそれが要因となってプレイオフシリーズを勝ち上がれなかったキャリアを送ってきました。でも今年は一味違うぞってのは割と認知されている話で、動物性タンパク質と油分を避ける食生活への移行で身体の基礎回復力を高めているらしいポール。効果は顕著で、シーズン中断前はコービー逝去の関係で欠場した僅か1試合を除いて全てのゲームに出場し、サンダーをここまで牽引してくれました。勿論シェイとシュルーダーとで負担を分担していた甲斐もありますが。

そんなポールは先日のナゲッツ戦での痛恨のミスがよほど悔しかったのか、今日は一足早くプレイオフモードの試運転を行ったようで、自らが危険なスコアラーとなりつつもアシストは供給していくというレブロンスタイルでレイカーズのディフェンスを蹂躙しました。というか今年のポールはプルアップミドル決まりすぎです。最早いつ落ちるのか。

また、攻守にわたって常に大声で指示を出しており、ポールの出場していた時間はずっとポールの声が聞こえていました。よく通る声はキャプテンの素質と言われますが正にそれを体現したポールのキャプテンシーでした。

 

・総評

とにかくレブロンとマッチアップし、それなりに単体で仕事をこなしてしまっていたドートとロバーソンの仕事が光りました。というかロバーソンはシーズンハイの11分の出場とまだまだワンポイント起用ではありますが少しずつプレイタイムを増やしており、頼れるストッパーとしてのロバーソンを見られることが増えそうです。

また、ドノバンの信頼を掴んだディアロとネイダーの活躍も嬉しい限り。ネイダーは今シーズンずっとそこそこのインスタントスコアラーとして活躍してきてくれましたが、バブル入り後はシュートのリリース速度に磨きをかけ、圧倒的なクイックリリースで外角のシュートを放ってチームのスペーシングを助けています。ディアロはディアロで完全にSF/PFのコンボフォワードのプレイですけどハッスルプレイで魅せてくれるのがそそります。

反対に悪いところはTOVの多さ、特にポールのパスミスやシェイのベイルアウトパスの精度の低さが目立ち、またシェイに関してはスコアリングが不振でもう少し攻め気が欲しいところ。これまでもこれからもサンダーのエースは彼ですし、フランチャイズを背負って立つにはどこかの誰かみたいにシュートが入らないならドローファウルしてやるぞくらいの気概は必要だと思います。

あとは単純にアダムスが心配。一応コートに戻って来ていましたが怪我を押してプレイして調子を落とすタイプのプレイヤーでもあるので…

次戦は渦中のグリズリーズ戦。そしてB2Bのウィザーズ戦とサンズ戦が待ち受けていますが、ここで2敗以上負けるのはむしろ至難の業で(各チームのファンの方申し訳ありません)、指名権のプロテクトの関係から言えば正直もっと負けなければならないことを考えると少し胸中複雑ではあったりします。まぁでもペイサーズシクサーズ、ジャズ、ロケッツがそれぞれここから勝ち星を積み上げてくれれば1.2回負けるだけで指名権が戻ってきますのでこれらのチームは私欲のために全力で応援しております。最悪無くてもいい指名権とは言え目下再建中のチームにとっては大切な1巡目指名権ですのでポールには悪いですけど少し調整が欲しいところですね。何故私が20位程度の1巡目指名権にこだわるのかは23位のベイズリーのことを考えていただければ。

ではまた次戦でお会いしましょう!

 

 

8/4 サンダーvsナゲッツ シーディングゲーム第2戦

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MPJの才能が眩しい…

さて、シーディングゲームも第二戦となりましてバブルでの試合はスクリメージから数えて5試合目とそろそろ慣れてきた頃かと思いますが、ここで前々より知らされていた通りにシュルーダーが第二子出産立会のためチームを離れました。まぁNBA選手と言えど育休は認められるべきです。完全に余談ですがドイツでは男性の育休が発達してるようですね。

そんなわけでチーム3位の得点源である6'OTY筆頭候補のシュルーダーを欠いてのナゲッツ戦となりました。あとはファーガソンもお休みです。対するナゲッツは前回も少しお話ししたように主力の3人、ジャマール・マレーとウィル・バートン、ゲイリー・ハリスがお休みでした。でもそのおかげでMPJことマイケル・ポーターJrがスターターに昇格。遂にclass of 2017 No.1の頭角を表してきましたね。MPJを全く止められないまま37点を献上してしまいました。ドートやディアロは頑張っていましたがいかんせん高さが足りずに圧倒されてしまいました。 KDのチームが言うのはなんですが高さ×シュート力の備わっている選手が好調の日だとどう手をつけていいのか…途中挟んでいたロバーソンをマッチアップさせる策はあまりハマっていなかったとはいえ最後まで完遂すべきだったかもしれません。とはいえ怪我明けから間もないロバーソンを強度の高い試合でフルタイムで使うのは危険という判断もわかります。ジョナサン・アイザックの痛ましい一件もありましたしね。あとロバーソンはロバーソンでレイアップを外しすぎていたのでね。でも最後の最後で起用されてキッチリ守ってOTに持ち込んだのは流石でした。

 

*COYドノバン

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正直な感想では「は?」って感じですがマイク・ブデンホルツァーと並んでコーチオブザイヤーを受賞したドノバン。ちなみにこれは全ヘッドコーチの投票によるNBCAのCOYですのであの大々的に発表される記者投票によるAwardsとは少し異なります。しかし非常に誉れ高いことには変わりないということでおめでとうドノバン。

でもドノバンの手腕が買われているとのことですけど、今年のサンダーのラインナップで普通に戦えば40勝はしていた筈。もちろんチームがタンクを望めば別ですけどね。シーズン序盤は強豪との対戦が多く、黒星を積み重ねて周囲から「やっぱりタンクなのか」と言われたものですが(恥ずかしながら私も思っていました)、実際にはただ強いチームに力負けしていただけだったようで、比較的楽な日程になった感謝祭以降は無類の強さを発揮してリーグトップクラスの成績を残し、ダークホース的立ち位置まで昇り詰めました。でも中身を見てみると実はキッチリLALやMIL、フルメンバーのLAC、TOR、などのトップチームには負けており、あくまでTear2の強さではあったのでした。正直話題性で持っていった部分は多く、また世論でも噂されているようにドノバンではなくポールが実質的に指揮をとっているというのも七割方は嘘ですが三割くらいは本当のことなのでその辺の功績を考えてもCOYには値しないと思うのでした。これでよかったのかNBCA...ただ功績としては、今季の目玉である3ガードラインナップの構築やドートの見出し、モチベーターとしての仕事やDF構成などの功績があるのは確かなので悪いコーチでないことも確かです。ただしOF構築が出来ず、アダムスのハンドオフやインバウンドのミドルセットなど構築してくれたものの異常にオフェンスセットが少なく、シェイ、ポール、シュルーダーに依存する形にはなっていたのでドノバンを続投させるにせよ退団させるにせよオフェンシブというかセットプレイ構築に長けたHCもしくはACを入れる必要があります。来季もHCドノバンと仮定するとACにフレッド・ホイバーグとか入れたら面白いかもしれません。いずれにせよ今季で契約は満了ですのでACを整理したりHCのすげ替えだったりにはいい機会ですね。

ちなみに本命NBA awardsのCOY予想ですが個人的にはニック・ナースHCになると考えています。

 

 

*実力差無しの対戦

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本当にサブタイトルの通りで実力差がなかったサンダーとナゲッツ。実際はマレーやバートン、ハリスが復帰するナゲッツの方が強そうに見える気がしますが、MPJとモンテ・モリスが大奮起していたこともありその穴は感じられず。ハリスに関しては今季絶不調でOFが全く信用ならないのでいてもいなくてもというところはあります。サンダー側もシュルーダーが不在のキツさは如実に現れていましたが、それはシェイがファウルトラブルに陥ったが故のことですし、ネイダーが大当たりの日でしたのでその辺を差し引くと両チームとも同じような状況だったのかなと思います。それでいてOTに突入する大熱戦を演じたということでこれはフルメンバーでも互角だろうなという考えに至ったのでした。というかそもそも中断前も互角だったしね。

今日の敗戦によりサンダーの6位フィニッシュが現実的になってきました。ということはすなわち3位の可能性が非常に高いナゲッツとのプレイオフシリーズとなることを示唆しています。まぁまだ6ゲーム残っているため読めないといえば読めないのですが。サンダー的にはシュルーダーがここからしばらく離脱し、バブルに帰ってきても最低2日の拘束があるということでシーディングゲームの全試合ないしほとんどの試合での欠場が決まっているのもあって上がり目が無さそうです。日程的にはLAのチームとの試合が残っているものの割と恵まれた方ではあるのですが、指名権のことを考えると負けておいた方が賢明かと思います。ペイサーズシクサーズに抜かれれば指名権が戻ってきますし。あとは今日負けたことによりディビジョン優勝はほぼ不可能ですしロケッツとのプレイオフシリーズは正直ごめんですので…

今年のドラフトクラスは不作と言われ続けていますがそれはスタープレイヤーの卵、つまり金の卵がいないという話であって、優良なロールプレイヤーは充実しているため20位くらいが美味しいドラフトになりそうというのもあり、個人的にはプロテクトの為の調整を強く推奨しています。1巡目指名権なら優良なトレードの弾にもなるしね。

 

*雷鳴轟々、切歯扼腕

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惜しい。その一言です。

ディフェンシブなゲームとなったナゲッツ戦でしたが相変わらずバブルでは笛が軽く、両チームともに苦戦を強いられました。でも若干ナゲッツの方がドローファウルが上手かったこともあり、FTで8本の差がつきました。普段はファウルが平均19.1とリーグで4番目に少ないサンダーだけに、32つのファウルというのは応えました。更にシェイが3Q早々に5ファウルとなり、シュルーダー不在と相まってポールへの負担が大きくなったり、PG無しの時間があったりと複数プレイメイカーが売りのサンダーの戦術が形無しでした。その分ネイダーやディアロが奮起してくれたのは良かった点ですがやはり多すぎるファウルの穴を塞ぐまでは至らず、TOVも積み重なったり要所要所でボディブローのように効いてきました。また、ファウルを多く犯したのもそうですが、サンダーもそれなりに多くのファウルを引き出し、31本ものFTを放った訳ですが、24本成功と一見悪くない数字に纏まってはいます。しかしFTの達人であるガリナリがバブル入り後にFTの調子が乱調していたり、クラッチでシェイがand1のFTをミスしたり、あまつさえ今季No.1クラッチプレイヤーとして認知されているポールもラスト2.9秒、決められればほぼ勝ちが確定するシーンでFTを痛恨のミスということもあり、OTに突入。その時点でアダムス、ノエル、シェイらが5ファウルと後がなかったサンダーは当然のようにOTでニコラ・ヨキッチに圧倒され、みすみす勝利を逃してしまったという点で悔しさが残ります。ちなみにアダムスがヨキッチをOTで全く止められなかったというのはそういった事情込みですのであまり責められません。それまでは結構抑えてたしね。それを見越して自分でアタックすることに集中し、ちゃんとゲームをクローズしたヨキッチが見事だったと言わざるを得ません。流石は現役No.1センターだったのでした。

悪かったこと、良かったことはその他にも多くありましたが、要点だけかいつまんでお話しします。深掘りはしませんよ。

まず一つ、大きな謎がありまして、好調だったガロをどうしてこんなにベンチに座らせていたのかが一つ謎でした。ジャズ戦もそうでしたけど何か身体的に懸念がありそうですね。それか怪我がちなガロはプレイオフまで温存ということなのか。毎年順位がある程度決まってくる3月4月あたりは主力を休ませることも増えるのが通例ですしサンダーは6位に満足しているのかもしれませんね。シュルーダーと指名権の件もありますし。

ちなみにガロはOTを除くと24分の出場、スターターで唯一の+を記録とガロがもう少し出ていればという感じではありました。ファウルも少なかったし本当に何か温存というように見えました。詳細は不明ですが。

先に少しだけ触れましたがディアロが素晴らしかった試合で、ナゲッツの大型ラインナップを前に不安事項であったリバウンドを持ち前の跳躍力とスタンディングリーチを生かしてしっかりと抑え、DFでもノーファールで貢献してチーム最高の+19を記録と泥仕事が光りました。尚、シュートは不発でした。

あと特筆するならシェイについてですかね。得意のドライブが不発に終わり、ファウルトラブルに陥って何も出来ずにいたシェイ。3Qが終わって1/6の16.7%で8得点とおよそエースらしからぬ数字で落胆を隠せなかったものの、5ファウルで臨んだ4Qでは、後がない背水の陣故の集中力なのか攻守にわたって躍動し、4Q僅か10分の出場で14得点、FG5/6、3P2/2と獅子奮迅の活躍を見せて、やはりサンダーのエースはシェイであることを証明してくれました。もう少しだけ望むならば、最後まで自分がゲームを決めるくらい徹底してクロージングするシェイが見たかったのですがその実力とメンタリティが備わるまではお預けか。いずれにせよシェイがOTに持ち込む原動力になったことに疑いの余地はなく、ビルドアップして逞しくなったエースへの期待はより一層高まる結果になりました。師匠離れの時も近いかもしれませんね。

 

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次戦はウェスタントップを独走するレイカーズとの対戦です。ここまで全敗で相性最悪、シュルーダーも不在と厳しいは避けられませんが胸を借りるつもりで望んで欲しいと思います。あとはレブロン・ジェームスにマッチアップするロバーソンが見たいなぁ…それではまた。

 

 

8/2 サンダーvsジャズ シーディングゲーム第1戦

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アメリカ全土で波紋を呼んだ膝つき恐喝事件こと下院議員ショーン・ロバーツ氏の一件があったりときな臭くなっていたサンダーのカムバックゲームでしたが、試合内容自体は絶好調サンダーが開始からジャズを寄せつけず、終始大きなリードを奪っての勝利と理想的な勝利になりました。

 

Thunder is Back!!

遂に再開したNBAシーズン。私事ではありますが、連日のバブルでの熱戦に心躍らされ、テレワークという状況も相まって完全に昼夜が逆転してしまっています。良くないけどね。

そして遂に、待望の、サンダーの、再開シーズンデビューと相成りました。なんの因果か相手は中断時に直接顔を合わせていたジャズ。3-6位同士の直接シード順に関わってくる一戦であり、激しいゲームになると予想されましたが予想外の出来の良さにかえって困惑させられました。なんなんだこれは…

序盤からガロのシュートが良く決まり、そのおかげでオフェンスが好調な印象となりましたが蓋を開けてみればガロは僅か19分の出場で温存となりました。それでも15得点とリーグ屈指のスコアラーであることを再証明してくれたのは流石でした。ちなみにガロの控えだったベイズリーは29分の出場となまじ余裕があったせいでなんだか妙なことに。ベイズリーはベイズリーで高効率で10得点7リバウンドとスクリメージに引き続き好調でした。というか中断中に成長しすぎ。あとディアロも20分のプレイタイムを与えられて2本の3Pを含む9得点2オフェンスリバウンドと褒めるところしか見当たらない活躍を見せてくれました。ディアロに関しては今シーズン序盤〜離脱前まで結構な活躍をしていたのでやっと取り戻したかなといった印象。でも3P2/2は出来過ぎですけどね。以前にもちょろっと話しましたがオフェンスのプレイが完全にPFのそれです。でもDFはペリメーターを守るのでSG/SFとなかなかピーキーなキャラ路線を突き進んでいます。まぁでも最近は2m以下のPFなんて蔓延してますしそれでいいのかもしれませんね。カバーはノエルがしてくれるし。あと余談ですがディアロは昨日が誕生日だったので自らのバースデーゲームを勝利で飾りました。おめでとうディアロ。

 

 

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*スーパーデュオ×2

さて、本題のベテランのお話。ぶっちゃけスクリメージから絶好調だったアダムスが活躍するのは読めてたけど不調だったポールがこうもアジャストしてくるとは想定外で、レジェンドたる所以を垣間見ました。そう、スーパーデュオとはポール&アダムスのこと。ではサブタイトルの×2とはなんなのかというとシュルーダー&ノエルのことです。ベンチにもデュオがいる不思議なチーム。それが今年のサンダーの強みなのでした。ぶっちゃけベンチデュオとしてはLACのルー・ウィリアムスとモントレズ・ハレルのデュオに次いで強力なデュオだと思います。そもそもベンチメンバーでデュオ感ある選手があまり見当たりませんが…(デュオ感ってなんだ)シュルーダーとノエルのデュオは実はシーズン平均でPPGが26.7とアダムスとノエルの28.6に肉薄しており、サンダーの得点ソースとして大きな部分を占めています。双方PnRが多く、CがPGをフォローしていくスタイルも同じ。運動量も同じくらいで、ノエルの方が運動能力が高く、アダムスの方がIQとスキルに優れるといった感じで、同様にPGもシュルーダーがクイックネスに長け、ポールがIQとスキルに優れるといった共通点があります。そんな2つのデュオというかPG-Cのホットラインがあるので相手は守りにくいことこの上なく、更に両方ともディフェンダーとして優れるデュオなので常な気を張らなければならず相当いやらしい構成になっています。48分間しっかりした軸があるって素敵だよね。今日の試合を受けて強く思ったのはどのチームもスターターは安定していますがベンチはせいぜい1人が軸っていうのが通常です。ジャズのジョーダン・クラークソンとかまさにそうでした。だから安定感を失ってしまうしジリ貧になりやすいのかなと。今季のシュルーダーの飛躍はもちろん体制ややるべきことが変わったこと、本人のスキルアップもありますが、ノエルの飛躍も関係しているのではないかなと今更ながら思いました。まぁノエルは去年からプレイそのものは良かったのですがね。PTが短すぎましたから…今日も4ブロックとえげつない活躍でジャズのオフェンスを封殺してくれました。オフェンスは…皆まで言うな。

あと今日の試合について言うと冒頭でも少し語りましたがアダムスの活躍が恐ろしかったです。OK3の影で3人以上に貢献していた17-18シーズンのアダムスの再来か。いずれにせよルディ・ゴベールを抑え、自身はNBA最高のポストディフェンダーのゴベールから易々と点を取っていく姿は頼もしく、また趣向が変わったのかディフェンスリバウンドを積極的に抑えてシーズン22回目のダブルダブルを記録しました。今シーズンは大して速攻に重きを置いてないのでこれが最適解だとずっと思っていましたし相当満足です。だってキックアウトせずにダウンヒルで速攻を狙うってウェストブルックありきの作戦でしたし走らないポールのチームの今、やる意味はあまりないですから。

 

 

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カナディアン・デュオ

なんだろう、今日はデュオばっかり言ってる気がするぞ。

それはさておき、シェイとドートが良すぎました。いや、スタッツだけ見れば大したことは無いんですが、ドノバン・ミッチェルとクラークソンにマッチアップしていたのは基本的にドートでした。全てを彼が止めたわけではありませんが、ジャズの得点ソースである2人を合計で9/32の24得点に抑え込む原動力となりました。相変わらずスクリーンには引っかかる彼ですが彼のあのガタイがなす重さで、強烈にぶつかっても再度ついていくという半ばゴリ押しのディフェンスでジャズを苦しめました。オフェンスはローテーションプレイヤーが軒並みFG50%を超える好調の中で唯一の25%を記録してしまっていますがそれを補って余りあるディフェンスでの貢献でした。あと中断前比でチームメイトとの噛み合わせが良くなり、オープン3Pの躊躇いが無くなったように見えたのは好印象で、帯同日数が限定されている関係上、チーム練習にもろくに参加できなかった2way契約からスタンダード契約に切り替わった効果が出ているのではないかと思います。それにしても本当にあんな額の契約でよかったのかドートよ…(唐突)

シェイは普段通りの素晴らしい活躍を見せていましたが、3Pに対して、特にステップバック3Pに対して積極性が見られたことと、ゴベール相手にも積極的に仕掛けて得点を重ねていたこと、更にSG/SFにコンバートされてしばらく努めていなかったPGの仕事をこなしており、よりマルチに活躍するようになっていたのが印象的でした。結果的に6アシストは立派な数字です。ただ、オープン3Pを打っていい場面で打たないなどの傾向が目立ち、またミッチェルの素早い縦と横の振りについて行けてなかったことは要改善ですね。

 

 

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総評

全体的に出来過ぎ感があった今日のサンダーですが着実に個々のスキルアップも見られ、来季以降にもつながるようなプレイをしていたのは本当に素晴らしいの一言でした。特に若手が躍動しており、先述のシェイ、ドート、ベイズリー、ディアロがしっかりと成長してそれを試合で証明してくれているのは嬉しい限りです。というかベイズリーは本当に伸びすぎてかえって怖いレベルですし、ドートはルーキーにしてベテランのプレイをしており、今年のルーキーのリクルートは稀に見る大成功だったなと思わされました。

あとロバーソンが今シーズンの公式戦デビューを果たしましたがPTは僅か5分、ガベージにも出場せずと相当安全をとっていることが伺え、プレイ的には既に戦力としてカウントできるレベルに復調しているように見えるため、もどかしくも感じます。PT制限なのか強度の強い試合に慣らしていく最初の段階なのか分かりませんが、プレイオフで彼の力が必要になることは日を見るより明らかで、問題が無さそうならば、あと7戦あるシーディングゲーム中に相応のPTを貰って完全復帰となることを祈っております。というかファン心理的にももっとロバーソンみたいしね。おそらくシュルーダーが離脱したタイミングで大幅にPTが増えるのでは?と感じていますがロバーソンの他にもネイダーやムスカラ、ファーガソンらのそれなりに活躍できる控えも揃っていますのでどうなるかはドノバンの手腕次第と言うことで…

次戦はトレード獲得した指名権の関係上マストウィンゲームのナゲッツ戦です。が、ナゲッツは主力のジャマール・マレー、ゲイリー・ハリス、ウィル・バートンが怪我で出場が微妙ですのでやはりどう転んでもマストウィンゲームです。勝てば4年ぶりのディビジョン優勝も見えてきますし、度々お話ししているプロテクト指名権を気にしないのであればディビジョン優勝を果たしてウェスタン3位に滑り込みたいところです。

 

 

7/29 サンダー@ブレイザーズ スクリメージ第3戦+@

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via @okcthunder

今日はポールがお休みということもあって遂にスターターに戻ったロバーソン。ぶっちゃけドートとロバーソンの並びは相手からしたら地獄の沙汰です。ついでに言うとファーガソンとノエルもお休みで、逆にネイダーが復帰となりました。大事に至らなくてよかった…

ブレイザーズ側もレインブラザーズがお休みで本調子とは程遠かったのですが、序盤からアンファニー・サイモンズにペースを握られて予想外の苦戦を強いられました。

あと余談ですが背景にバーチャルファンが登場しておりましてファンの音声も差し込まれていて雰囲気は幾分マシになっていたのは良かったと思います。画像は流行りのzoomとかですかね?音声は完全に合成ですけどまぁスクリメージの初めの方は静寂の中でプレイしていたのでやっぱり喧騒の中にあるのが相応しいスポーツだなと痛感しました。今できる処置としては努力している方だと思います。

 

*対ブレイザーズ

スクリメージ全体の所感も書きたいので短めに要点だけまとめます。

先述したようにサイモンズにペースを握られて苦戦したのもありましたが、ポールがスターターから抜けたことでプレイメイキングが出来なく、オフェンスのリズムが狂っており、それに連動してディフェンスも悪化したのではないかと感じました。何にせよPGがシェイだったのでシェイがプレイメイクすべきというのが道理だとは思うのですがどこか積極性を欠いており、ガロがボールを持つ形に。でもそのガロは相も変わらず不調で手詰まりに陥っていました。そんな中で交代で出てきたシュルーダーが流れを変えました。まぁそういう役割でシーズンを戦ってきたので今更と言えば今更なんですが、シュルーダーがプレイメイクしてくれたおかげでチームが落ち着きを取り戻して本来のパフォーマンスを発揮できるようになったのが従来やってきたスコアリングで流れを変えていたこととの差異だと思います。

2Q以降、リードを許さない展開が続きましたが、一番よかったのはシェイが戻ってきて、シェイ、ドート、ネイダー、ガロ、ムスカラのラインナップで、シェイの周りにシューターを配置した形が驚くほど機能していました。というのも、シェイはスラッシャータイプなのでわかり切っていたことではあったのですが、ブレイザーズ側もユスフ・ナーキッチやハッサン・ホワイトサイドのビッグマンに焦点を置いたディフェンスを展開していたのでスペーシングがもろに刺さりました。そうなったらシェイがドライブからキックアウトしてサポートメンバーの3Pが決まれば、何故かシェイまで3Pが入りだし、一点攻勢の3P爆撃で勝負アリといった形に。オフェンスがうまく回っていた印象の試合でしたが、3Pの確率の良さとボールの回転率の高さがそれを引き出したのではないかと感じました。でも今日のMVPはディアロですけどね。なまじアウトサイドの調子が良くてそれに頼りきりになっていた中でのインサイドでのディアロの働きはいいアクセントとして光りました。昔ちょろっと話したと思いますが、ディアロはウィングスパンも長ければ、スタンディングリーチも高いし何よりジャンプ力が物凄いということで、靴込6-6のサイズにしてインサイドプレイヤーの素質があります。まだまだポストDFは甘いですし、なにより体躯がインサイドでプレイするには華奢です。しかしそれなりに鍛え上げればインサイドプレイヤーとして花開くように感じさせられました。いまはポジションレスが加速してますしね。適性があることは間違いないです。結局はコーチがどうするか次第なのでした。

 

*スクリメージ所感

まぁ始まる前から分かっていたことではありましたがやはりプレシーズンそのものでした。コートのサマーリーグ感やファンが不在で熱量不足だったこともその印象を強めていた要因かもしれません。でもシーズンが再開するだけで幸せなことですし、多くは望みません。シーディングゲームが始まれば少なくとも選手の熱量はあがりますしね。

サンダーはスクリメージ全勝を挙げ、3戦全勝したのはサンダーとペリカンズだけという結果になりました。でも内容的にはそれに見合うだけの内容ではなかったと思います。

バスケットボールをプレイすることが是とされないオフシーズンを挟んだので仕方ないと言えば仕方ないのですが、主力のシュートタッチが悪く、良かったのはドートくらいのものでした。特にガロはリーグ有数のシューターなのですがスクリメージでは絶不調で残りのシーズンにも懸念を残しました。3Pで言えばシュルーダーも深刻かもしれません。

あとDFですが、スクリメージだから強度が無いのかの判別がつきませんが、3Pをオープンにしてしまうことも多く、またリバウンドも少し取られすぎの印象を持ちました。ただ、メシアとしてロバーソンが復帰したことでその両方を改善する鍵になるのかなという感じも受けたり。思っていた以上にロバーソンの仕上がりが良く、本当に909日ぶりの復帰で、ギアも全開ではないのかというくらいには素晴らしい出来でした。ロバーソンがいるとDFが締まるのは勿論なのですがリバウンドが安定するという付加効果もあり、抜群の安定をもたらしてくれています。また、これは完全に誤算なのですがロバーソンの3Pが今のところ良く決まっているのが不気味です。これでロバーソンが36%くらい3Pを決めてくれるようになっていたら…と思うと恐ろしすぎます。全世界が夢を見ていたタラレバが実現一歩手前まで来ているかと考えると熱くなります。

あと、最後にスクリメージMVPを選ぶならば、まぁベイズリーでしょう。間違いない。

平均24.5分のプレイで、14得点、5.3リバウンド、1アシスト、1スティール、1ブロック、FG48.3%、3P42.9%、FT57.1%を記録しました。フリースローの精度の低さに目を瞑ればほぼ完璧なスタッツで、元から良かったDFに加えて、ジャンパーの精度を高めてきました。しかしジャンパーは決めるのにフリースローが決められないのは若干不可解ではありますが。元からフィニッシュ力以外はとても完成度の高い選手でしたので、この調子でシュートを決められるのならば、ガロが今秋に退団した場合にスターターとしてチームの柱になってくれるかもしれません。20歳の伸び代って凄いねと思わざるを得ないスクリメージだったのでした。

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