10/4 サンダーvsピストンズ #プレシーズン開幕戦
激動の2017-18シーズンを終え、ついに始まった2018プレシーズンの初戦、デトロイトピストンズとの対戦は本拠地チェサピークエナジーアリーナで迎え、最終的に97-91で敗れています。
新チームの対NBAチームでのお披露目でしたがジョージ、ネイダーを欠き、DET側も憎き(笑)レジー・ジャクソン、グリフィンもお休みということでプレシーズンらしくゆるい空気の試合になるかと思えばそうでもなく、今季からHCに就任した昨季のCOY、ケイシーHCがドラモンドを33分起用してくるという本気っぷりにドノバンHCが対抗して思わぬ熱戦に…ドノバンはプレシーズンなのにテクニカルファウルを吹かれたという本気っぷりでした。
*先発パターソン
先発PFには昨季の6thマンのグラントではなくパターソンを起用して来ましたがおそらく3PT重視ということでしょう。カーメロが昨季担当していたピック&ポップのキャッチアンドシューターというところだと思います。カーメロはクイックリリースという特徴からキャッチアンドシュート(以下C&S)を沈めていましたがパターソンは高い打点、ループからC&Sを沈めることができ、昨シーズンの3PTは全てC&Sで38.6%を記録しており、チーム内では効率のいいシューターと言えます。カーメロはC&Sが87.6%で3PT%は35.7%だったのでもちろんアテンプトに差はありますが穴埋めには及第点でしょう。その上、パターソンはカーメロよりもオフボールの動きとDFのいいロールプレイヤーなのでウェストブルック、ジョージがいたために3番手の役割を任せられフィットすることができなかったカーメロよりチームとして見れば優れていると言えなくもないかもしれません。
尚、先日の紅白戦ではめちゃくちゃ決めていたピック&ポップからの3PTは今日はファーガソンとの1本だけという…
・パターソンの特徴的な高い打点
*期待のシュルーダーについて
新加入、デニス・シュルーダーは一見してチームに早くもフィットしているかに思えましたがウェストブルックとの微妙な差異が目立ちました。
彼はウェストブルックのファンを公言する程でしてプレースタイルもウェストブルックに似てキレのあるドライブとピック&ロール(以下PnR)の上手さが持ち味の選手だと認識していますが似ているからこそ微妙な差異がチームにズレを作っている気がしました。
最初に感じたのはやはりウェストブルック>シュルーダーという点。これは100人中99人くらいから当たり前だと言われそうなのですがやはりウェストブルックは元MVPでした。かなり目立つのは走力です。ウェストブルックは自分でリバウンドを取り(譲ってもらい)、コーストトゥコースト、つまり1人速攻をよくしますがシュルーダーはあまりこれについては積極的ではありません。これが実は問題で、昨季15.2ptあった速攻からの得点が今日は4点しか取れていませんでした。たかがプレシーズンの1試合ですがされど試合は試合です。ちなみにウェストブルックは1人で平均5.5得点あげます。化け物ですね(笑)
さらに懸念していることが視野の狭さとシュート力です。ウェストブルックよりパスは丁寧でチームメイトも取りやすそうなパスを出すシュルーダーですがそのかわりウェストブルックより視野が狭いです。そのため9アシストと大活躍したかに見えますが実はそのうち6本がアダムスへのアシストでした。PnRの上手さは折り紙つきでもあまりウイングを見ていなかったりしていてパターソンやルワウ、ファーガソンらはやりにくそうでした。
また、ウェストブルックにも言える話ですが今日こそ2/3のものの3PTも昨季29%と低調です。そのため、基本的に引いて守られるのでウイングを生かし、自分のドライブスペースを作る必要があると思うのですが…
とはいえウェストブルックに勝る点もいくつかあり、そのうちの一つがTOVの少なさです。ドライブを多用するスラッシャータイプのガードではTOVが増加傾向にあるのですが上記のパスの丁寧さもあり、今日は2TOV、昨季は36分換算で3.2TOVとまずまずです。(ちなみにウェストブルックは4.7TOV)つまり正しいプレイの選択をするタイプとも言えるので先に挙げた視野の点は修正が期待できそうです。
・移籍後にトレードマークの髪を切ったシュローダー
*元超新星、ナーレンズ・ノエルについて
怪我をする前はモックドラフト1位、怪我をしたにもかかわらず6位で指名を受けた24歳の若きビッグマン、ノエル。サンダーとオフにミニマムで契約した時は全NBAファンの2割くらいが驚きました。前年に18M/年近い契約の打診を断り、クオリファイイングオファーを飲んでまで金を求めたプロスペクトは手術の影響と態度に問題があり、結果的に格安でサンダーにやってくることに。契約問題でもめた時にアダムスの25M/年を例に出したという話がありますが今季はその25Mのアダムスのバックアップを1.7Mで務めることに…
プレイ面ですがよく走りよく飛びます。ブロック面ではグラントと並んでリムを堅守できるでしょう。しかしOF面で問題が…今日のFG%の低さはプレシーズンなので流しますが問題はセンターを務めるにはあまりにも細く軽すぎるその身体です。オフにウェイトトレーニングしている動画などをよくSNSにあげていましたがそれでも細すぎる。なんと公式体重は103kgでグラントとほぼ変わりません。身長は5cmほど高いのに。
そのためPnRのピックが全くかからずフェルトンが合わせに苦しんでいました。ロールの動きは上手いのに皮肉…
・ノエルは現代風機動力ビッグマンになれるのか
*アダムス依存症
長くなりましたので最後に1点。先ほどからのシュローダーの話にも関係しますがアダムスが便利すぎます。プレシーズンにもかかわらず26分のプレイでドラモンドから9つのORを奪う鬼神アダムス。そしてPnRでもローラーとして大活躍で次々とペイント内から得点を重ねていきました。そのためにシュローダーは欲をかいてしまったのか前述の通りアダムス一辺倒でチームとして機能していませんでした。まさに2vs5。その煽りを受けてパターソンはフリーでもパスを貰えず、ルワウは難しいシュートを撃たされます。ジョージがいればまた違ったのでしょうがチームとしてアダムスに頼りすぎていた印象を受けました。特にシュローダーはシーズンに入ればウェストブルックの帰還を受けて2ndラインナップのリーダーを任されるでしょうしピックのレベルが全く違うノエルに合わせられるのかが心配になります。
【総括】
たかがプレシーズンの1試合ですがネガティブ気味に考察してみました。とはいえウェストブルックとジョージ、更にロバーソン(ついでにネイダーも)が戻って来れば全く別のチームになりますので重くとらえる必要は無さそうです。しかしドノバンHCの采配は未だ安定しなさそうな予感がしますが…
次はロードでバトラー問題真っ只中のMIN戦です!