Mr.サンダー(?)レイモンド・フェルトンとは 〜前編〜
Mr.サンダーと言えば先日引退を発表したニック・コリソンです。が、その後継は誰なのか…?
順当に考えれば、2008年以来サンダーを10年引っ張ってきたウェストブルックかと思いますが、彼はリーダーでありエースでもあり、何よりリーグのスーパースターです。コリソンの作ってきた地味かつ質実なイメージとは釣り合いません。
今のサンダーで最もコリソンに近いのはアダムスですが彼は優秀ですが見た目に反して若すぎます。
と、なるともう彼しかいません。そう、レイモンド・フェルトン
・先代Mr.サンダーニック・コリソン
彼こそサンダーの礎、サンダーの魂でした
*フェルトンがサンダーに来るまで
今のドラフト上位は皆、1年間だけ大学でプレイし、ドラフトにエントリーするといったいわゆるOne & Done という方式でNBAに入るのが一般的ですが、彼は大学時代、ノースカロライナ大学で3年間を過ごしています。高校から名前の売れていた彼は1年次からスターターで3年次には全米大学トーナメントであるNCAAで優勝を果たしています。そして満を持してNBAにドラフトエントリーをしました。
余談ですがコリソンもNCAAトーナメントで準優勝を果たしています。(尚、優勝はカーメロ率いるシラキュース大学)※共通点その1
2005年のドラフト5位でシャーロット・ボブキャッツ(現シャーロット・ホーネッツ)に指名されたフェルトンは1年目から11.9得点、5.6アシストを記録しました。昨シーズンの新人で言うとディアーロン・フォックスくらいのイメージでしょうか(フォックスは11.6得点、4.4アシスト)
そこから2010年にFAとなってニックスに移籍するまでの4年間でフェルトンは平均13.7得点、6.7アシストを記録します。
そして迎えたニックスでの2010-11シーズンではキャリアハイとなる17.1得点、9.0アシストを記録していたものの、俗に言う「メロ・ドラマ」の影響でナゲッツにトレードされてしまいました。
実は2人ともメロに振り回されていた過去を持っていたんですね※共通点その2
その後のナゲッツではルーキーシーズン初め以来のベンチプレイヤーとして起用され、少しスタッツを落としています。
◇フェルトン小話
その後、トレードでフェルトンはブレイザーズに移籍しましたが、その年にロックアウト(いわゆるストライキ)が発生。大幅にシーズンの開始が遅れることになりましたが、フェルトンは何を思ったのかロックアウトでシーズン開始がズレ込むことが決まるとそれまで行なっていたトレーニングを減らし、食事制限まで撤廃し、スポーツマンとしてはご法度な生活を送っていた折にシーズンが始まり、体調管理もシェイプアップもできていなかったフェルトンは散々なスタートを切ります。その結果、ブレイザーズファンからは嫌われることに…
今でもブレイザーズのホーム、モーダセンターではフェルトンに対してブーイングが起こります。(ポートランドファンこわい)
そしてそのイメージを払拭できなかった彼はオフに再びトレードされ、2回目のニックスのジャージを着ることに。ここではすべての試合でスターターを務めましたが、以前と違い、自分とのトレードで加入したカーメロが既にリーダーとして君臨しており、ボールを持つ回数が減った結果、2年間で平均11.8得点、6.0アシストに収まりました。
その後、フェルトンは30歳を迎えたオフにマーベリックスにトレードされましたが、プレシーズンにて負傷し、更には銃の違法所持で出場停止などがあり、わずか29試合の出場にとどまりました。
その後のマーベリックスで2年目を迎えたシーズンは約50試合をベンチで過ごし、そこそこのスタッツを残しましたが全盛期のキレはもはや失われ、彼は既に終わった選手とみられていました。そして迎えた2016年のプレーオフ1回戦、事もあろうかマーベリックスvsサンダーのシリーズ第2戦、残り28.7秒で決勝点となるレイアップをねじ込み、1点差でマーベリックスが勝利する立役者になりました。今思い出しても頭がいたい…
・例のフェルトンの活躍
Raymond Felton Full Highlights 2016 Playoffs R1G2 at Thunder - 21 Pts, 11 Rebs, 3 Assists - YouTube
そんなフェルトンはクリッパーズを経て紆余曲折の末、2017年オフにFAとしてサンダーに加わることになるのでした。
【前編総括】
いつもの事ですがサンダーの選手について語ると異様に長くなるため、苦肉の策として前後編に分けさせていただきました。
文章を短くまとめろ…?ははは、ご冗談を…
文才が無いため文を綺麗にまとめる事もできなければ筆が止まらないため妥協もできない阿呆な筆者なのでした。
それは置いておいて、やはりフェルトンはジャーニーマン(色んなチームを渡り歩いている選手)だなぁと実感します。しかもほとんどトレードという…キャリア最終盤のサンダーでやっと居場所を見つけられたのかなと思うと少し嬉しくもあります。
それにしても加入当初からサンダーのジャージに違和感がないと思っていたら青いジャージのチームばかり渡り歩いてますね彼。ボブキャッツは濃紺ですしニックスは青とオレンジですしナゲッツは水色ですしマーベリックスは青ですしクリッパーズも青赤ですし…
唯一青くないのが汚点となったブレイザーズという皮肉(笑)
→後編に続く