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NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

戴冠するケイド・カニングハム

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突然ですが、私は今ドラフトでは長らくエバン・モーブリーの指名を望んでいました。シェイが大エースとして覚醒した今、ポジション需要的にもピンズドですし、やはりビッグマンが主軸にあるチームは強いという昨今の流れに沿った考えでした。あとスキルセットが豊富なディフェンシブビッグマンというのも現代バスケットにおいては非常に魅力的ですしね。

兎に角、シェイがいる以上もうガードは要らない上にホーフォードの退団によってサンダーの弱点がインサイドにあることは明確ですので今ドラフトにおいてTOP4指名を確実にしているジェイレン・サッグスやジェイレン・グリーンなんかはあまり求めていなかったわけです。

すべからくケイド・カニングハムに関しても同様な見方をしていました。というか私のカニングハムへの評価は決して高くありませんでした。19歳の1年生にしてはスキルの完成度が非常に高く、精神的にも成熟している彼ですが、それは伸び代のなさの裏返しで、ポテンシャル込みの評価ならば1位指名はむしろ危ういとすら考えていたほどです。しかしまぁオクラホマという土地柄上、NBAドラフトにかかるような選手が多く輩出されるわけでもないのでオクラホマ州立大のカニングハムを望む声が大きいのは至極当然だなぁとも思っていました。かの2009年ドラフト時のブレイク・グリフィンのようなものですね(彼はネイティブオクラホマンなのでカニングハムとは多少立場は違いますが)。

*PG、ケイド・カニングハム

ポイントガードじゃないですよ。

さて、そんな私ですが、時勢のおかげかはたまた絶賛タンキング中のサンダーの試合に魅力がなくなったせいか、ドラフト候補のスカウティングに多く時間を割くことになり、当然カニングハムの試合もたくさん観ることになったわけなのですが、見れば見るほどに彼のプレイが誰かを彷彿とさせてくることに気づいたのです。

そう、かのFormer OKC Superstarポール・ジョージその人です。

大手スカウティングサイトやESPNなどのメディアではモントバーデ・アカデミーの先輩、ベン・シモンズであったり、元NBAスーパースターのグラント・ヒル、更には現NBAの貴公子、ルカ・ドンチッチが比較対象として挙げられるカニングハムですが、どうも私にはしっくりきませんでした。強いて言うならドンチッチが少し近いかなくらいで、それでもドンチッチのセンスには遠く及ばないのでは程度にしか考えていませんでした。しかしOSUの試合を10試合程度見たあたりから私の中で謎の既視感が生じてきました。その正体こそがジョージだったのです。

何がジョージかというとまずプレイの選択、特にドライブの選択と3Pの駆け引きがかなり似通っており、またDFマインド、ドローファウル、果てにはTOVの仕方までそっくりなのでした。ジョージ好きで時間のある方には是非ともOSUの試合を見ていただきたいくらい。

ちなみに体格やアドバンスドスタッツなんかもかなり似通っていまして、以下にて似通っていた部分を抜粋して紹介します。

※見られない方用

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とこのように相当似ているわけなのですが、ここまで数字が似ていると印象だけ似ているわけではないとの確たる裏打ちとなりそうです。

そこで考えたのですがカニングハムが仮にサンダーに指名された場合にはSF起用で何も問題などないのでは?ということと、ウェストブルック×ジョージの叶わなかったストーリーがシェイ×カニングハムによって継がれていくのではという夢が私の中でビッグバン的に一気に広がったのでした。最近のサンダーの試合のつまらなさにストレスでも溜まっているんですかね…

そして私は今ドラフトにてカニングハムを推すことを決めたわけなのです。首位指名盤石と言われた彼を推すとかどうとかの前に指名できるかどうかという話ではあるのですが…しかしいかなるトレードをしてでもカニングハムを取りにいくべきという少し前までは荒唐無稽に感じていた論調に私も加わりたいと思わせるのには十分なストーリー性と実力を併せ持っていることをカニングハムは証明しています。

 

・Our Dream...

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*目算とプレスティの傾向の話

プレスティの狙いがカニングハム説など手垢で塗れた今更つまらない話ですが、近年の彼の傾向はオクラホマシティに長く籍を置く気があるのかどうかに重心を置いているように感じます。

先日語った、外国籍選手の積極採用もその一部ではないかと考えられます。というのもアメリカ人選手からすれはオクラホマなんて田舎で勤務するのはまっぴらごめんな訳ですが海外の選手からすればオクラホマにあまり抵抗が無い、というわけです。

あと2017年のファーガソン指名に基づいても、地元選手は取る理由があって獲得が可能ならば取っていこうという意思も感じます。これには興行的意図とオクラホマに抵抗がない選手を採用していこうという意思が見えます。

こうした動きが積極的になったのは、初代オクラホマの王様、デュラントが退団してからであり、プレスティもそれをうけてのショックと嗜好の変化があったのかと考えられます。カニングハムはもちろん生まれも育ちもオクラホマというわけではありませんが、オクラホマに抵抗がなく、サンダーの看板を背負う気が彼にあることをドラフト前の面談やワークアウトにて確認できたならばプレスティは無理をしてでも獲得に動く、私はそんな気がしています。

ちなみに絶賛タンキング中のサンダーは2008年以来の怒涛の8連敗を記録して現在リーグワースト5位につけており、1位指名獲得の可能性が10.5%、2〜5位指名権獲得の可能性が33.8%、そしてロケッツの指名権が5位となりプロテクトが外れる可能性が47.9%となっておりまして、要約するとこのままワースト5位をキープすれば10.5%の可能性で1位指名権を自前で用意でき、ロケッツの指名権スワップも含めると1-5位の指名権を獲得できる可能性が*約71%あるということになり、これはどのチームより高いものになります。これが最下位に近づくほど確率が更に上がってゆくので我慢してタンキングを継続すれば相当高い確率でTOP5指名権を得ることができるということになります。今年のドラフト候補生は質が高いとの下馬評がよく聞こえてくるということで自前指名権+MIA/HOUの指名権+なんらかのアセットを加えれば1位指名権を譲ってもらえる可能性もなくはないということで、今しばらくは雌伏の時を過ごすのが賢明かと思います。デックの参戦やシェイの復帰などあるかと思いますがそれでもここまでタンキングをやってきたからには甘んじて負けを受け入れるべきかなとも思います。

*計算式は0.557(自前指名権が5位未満になる確率)×0.521(HOU指名権が4位以上になる確率)=0.29(サンダーの獲得できる指名権が5位未満となる確率)

 

・最後に

書いていて気づいた、いや書く前から気づいていたのですが私はサンダー時代のジョージが好きすぎる節があっていけませんね。今はクリッパーズがコケてくれた方がサンダーに利益があることもあり特段贔屓にしているわけでは無いのですが18-19シーズンのジョージには本当に虜にされました。今回の記事はそんな妄執に依るある種、盲目的になっているところもなくはないのでカニングハムよりもサッグス、モーブリー、グリーン、ジョナサン・クミンガの方が絶対いいよという方の方が正しいのかもしれません。が、私は例え自前2位指名権とロケッツの5位指名権が舞い込んできたとして、それらを手放してでもカニングハムを獲得すべきであると思いますしそうして欲しいと思いますという取らぬ狸の皮算用な話なのでした。

 

・追記

書くのを忘れていたのですが私がカニングハムを推す理由がもう一つありまして、彼の最大の武器が彼を19歳にしてここまでの完成度たらしめている学習能力の高さが挙げられます。オクラホマ州立大でコーチを務めている彼の兄が彼を直接指導しており、それにより成長を重ねてきた話は有名ですが、今までSFでプレイしてきた選手がPGでプレイしろと言われて当たり前のように出来てしまったり、3Pを苦手にしており、シューティングを強化しなければならないと指摘されれば40%以上の高確率まで昇華し、あまつさえ弱点を武器にしてしまう彼の負けん気と学習能力はNBAにおいて最も重要なスキルであると言えるでしょう。