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3/15 サンダー@ペイサーズ シーズン第69戦

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ロード、バンカーズ・ライフ・フィールドハウスにて行われたペイサーズとの一戦は最終的に106-108で惜敗しています。

一時19点ものリードを奪ったにも関わらずこのような結果になることは不甲斐ないという他ありません。BtoBの末の事だとしても最終Qの顛末はお粗末が過ぎますね。負け惜しみですが3Q終わり際のコーリー・ジョセフのハーフコートショットが無ければ勝っていたことを考えると天命にも見放されたかなと思ったりはしますが。

 

*POモデル

このペイサーズとの一戦はポストシーズンを考えた場合のモデルケースになりうる試合と考えていました。理由はいくつかあるのですが一つはサンダーとペイサーズの関係です。今季のサンダーはオフェンスレーティング109.7、ディフェンスレーティング105.6を記録しており、対してペイサーズはオフェンス109.4、ディフェンス105.2の記録でかなりサンダーに近いものとなっています。ここまでレーティングが近い2チームはNBAにはほぼ無く、そして東西間の垣根を超えてなお近いのは他でいうとウルブズ-ホーネッツ間くらいになります。ただ、凄いのはその類似性だけでなく、対極的な部分も内包していることも挙げられます。先ほど挙げたウルブズとホーネッツ間ではペースの差は1.2程度にとどまっていることに対してサンダー-ペイサーズ間ではサンダーがリーグ3番目の103.99、ペイサーズがリーグ25番目の98.63となっており、実に5以上もの差があることが分かります。つまりはオフェンスもディフェンスも効率が互いに同じチームなのにペースがまるで違うチームだということです。そして何よりもAST/TOVペイサーズが1.89なのに対し、サンダーは1.64と低いのが特徴としてあり、その中でもサンダーはウェストブルックにアシストが集中しているのに対してペイサーズはダレン・コリソン、(オラディポ)、ジョセフ、サボニス等に分散していることが差として現れています。どういうことかというとサンダーが古風なスターバスケットを展開しているチームなのに対して、ジョージという絶対的エース、更にはオラディポというエースを欠いたペイサーズは現代風なチームバスケットを展開しているチームであるということで、まとめるとマンパワーで押し切るテンポの速いサンダーとチームと戦術でなんとかするスローペースなペイサーズという対極の存在にも関わらず、オフェンス、ディフェンスレーティング共に酷似しているという不思議な関係なのです。あとはサボニスがいたりオラディポがエースを務めていたりマクダーモットがいたりサンダーを振ったタイリーク・エバンス、ウェスリー・マシューズがいたりするのも関係といえば関係ですね。

で、これがどうポストシーズンと関係してくるかというと、自分達と同じくらいのレベルで対極のバスケットをしてくる敵に対してどれだけのことができるかといった根本的な地力が試されました。1stラウンドでクリッパーズナゲッツ、ジャズ、スパーズら当たると仮定した時、これらのチーム戦術を重視しているチームに対しては自力の差で勝負がつく展開になるだろうと確信しています。逆にロケッツやウォリアーズ、ブレイザーズらのチームに対しては個の力がモノを言う乱戦になるでしょうし、個の力+チームの力を持っているウォリアーズには、ペイサーズ程度でつまづくくらいでは必ず敗れるだろうという見立てがつきます。

そのためBtoBとは言えどポストシーズンを見据えた場合に大事なキーになる試合なのでした。あとはジョージが過去との決別を計れるかというところも重要と言えば重要。

 

・久しぶりのサボニス。しかし強烈な恩返しをされてしまった。

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*グッドゲームなのに敗れた悲しみ

結果として申しますと可も不可もなくだったサンダーでした。落胆したかと言えば少しはしましたし安心したかと問われれば少し安心しました。

ディフェンスは相変わらずで、1Qは22失点に抑えたものの、3Pのケアがまるでなっておらず、抑えたというよりペイサーズが外してくれただけといった不満が残るディフェンスではありましたが、それ以降はそこそこに優れており、3Qの6:18頃には会心のディフェンスも見られて割と満足のいくディフェンスではありました。課題としてはまたもやアダムス釣りが効果覿面過ぎたこととサボニスへのディフェンスがまるでなっていなかったことくらいでしょう。特にサボニスにはベンチから26得点も許し、±が+14にもなる貢献を許しました。いい選手に成長してくれたなぁと思う反面、止めにくさにフラストレーションが溜まったりもしましたが根本的に悪いのはドノバンHCでした。ノエルがフィジカルでいいようにやられ、重い腰を上げてモリスにマッチングを変えたのは良い判断だったのですがいかんせん判断が遅すぎましたし、なんならアダムスとローテーションを入れ替えるくらいで良かったのでは無いかと思います。事実として回数は少なかったですがアダムスに対してのサボニスのポストアップは殆どがシャットアウトできており、サボニスの十八番のPnRをするまでもなくああもポストアップでノエルを攻略されてしまったからには早めの対応が必要でした。序盤からそこそこの点差が開いていたのでそれに甘えていた部分もあったとは思いますが、次のペイサーズ戦には生かしてほしいところでした。

とはいったものの、サボニスにそこまでやられたにも関わらず悪くない数字を残せており、前半ではFG41%の50失点に抑え、3Qもまぐれのサーカスショットを除けば28失点、4Qは27失点と多少失点は増えたものの実質的に30失点を許さず、ディフェンスレーティング105.9程度にとどめたことはそれなりの収穫でした。

そしてオフェンスですが3Pが久しぶりに好調で、試合を通して46%もの高確率でシュートを沈めていけたのは褒められるポイントで要因としてはジョージの復調とファーガソン、モリスがオープンでしっかりと決めてくれたこと、そしてネイダーの判断が良くなってきていることが挙げられます。特にネイダーですが、オープンでパスを受け、3Pを選択してほしい場面でもドライブを選択する場面が多く見られたのに対して最近はオープン時には積極的に3Pを狙っていく姿勢に変化しており、そこら辺の仕込みは上手いなぁと久しぶりにドノバンHCに唸らせられました。まぁドライブは相変わらず成功したり派手にミスしたりとまちまちで、ディフェンスも頑張ってはいるけど穴にはなってしまっているといった感じではありますがこの調子で何をどう選択するかといったIQを植え付けられていけばウィングとしてそこそこのものになるかもしれません。個人的な理想はジョー・イングルスですかね。

ここまでそこそこポジティブな感想と結果を挙げてきましたが試合としては19点リードからの大逆転敗北を喫しており、ジョージ、ウェストブルック、アダムスが好調なのにも関わらず敗れるという大きなため息がでるような負けで精神的なダメージは大きい敗北であることは疑う余地もありません。しかし内容をフォーカスしていくと先に挙げた天命、いわゆるツキの部分だったり、ジョージが最終盤に冷静さを欠き、らしくないミスを連発したりといった部分によるものが大きく、4Q残り30秒程度までは悪くない内容ではありましたし、勿論楽観する要素はないけど悲観するようなこともないかなと思わされました。ただ、逆転を許したファクターとしては、ジョージの件に加えて、大きなリードを掴んだことに対する選手とHCの気の緩み、そして前回にも触れたファウルの影響が大きかったと思われ、実に28ものファウルから34本ものFTを与えてしまっていることは大きなマイナスでした。そこは存分に反省してもらいたいところです。特にファーガソンが早々に5ファウルを犯してしまったことでシュローダーの役割が増えてしまい、結果、致命的なフレグラントファウルを起こしてしまったり、ディフェンスが緩んでしまったりといった部分はありますね。あとはなまじモリスが良かったのとグラントも同様にファウルが嵩んでしまっていたので塩漬けにされてしまっていたのも勿体無かったと思います。昨日褒めた2人が揃いも揃ってファウル肝心な時にいないのでは須らく負けて然るべき試合だったのかなと思ったり思わなかったり。

チーム状況はV字回復を見せていますが結果がついてこなかった今日の試合。しかしPOを見据えた上での様々な改善点を炙り出せたのは良かったかなと。ドノバンHCにPOまでに仕上げが出来るのならばという前提ではありますがそれでもただ負けていた先々週あたりとはえらい違いですしドノバンHCには存分に頭を悩ませてもらいたいところです。

次戦は2日後に大一番となるホームでのウォリアーズ戦となります。尚、デュラントが出場するのかは不明ですが。それではこの辺で。

 

・ジョージの復調が最大の朗報か