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3/28 サンダーvsペイサーズ シーズン第75戦

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あんな試合の次にこんな試合をしてくれるからサンダーが嫌いになれない

ホーム、チェサピーク・エナジー・アリーナで行われたペイサーズとの一戦は最終的に107-99で勝利を収めています。

前回とても情けない形での敗戦だったのできっちりとリベンジできたことは良かったと思います。あとはノエルがやっとフルタイムでの復帰と良いことは尽きないね。

試合内容としては前回の反省として明らかにサボニスに対するディフェンスの意識が変わっており、基本的にアダムスとのマッチアップに持ち込もうという取り組みは見られました。また、PnRなどで剥がされてもファウルで止めに行かず、上からフックなどで撃たせるなどは無理に止めず、ポストアップで押し込まれないことのみに集中するといった方法でよく守ったと思います。8/13で18得点を挙げられているので数字的には止められていないと言えるかもしれませんが前回に比べて格段にFTが減り、結果的にサボニスの得点を減らすことには成功しているので、下手に両方止めようとするよりはよほど効果的だったと思います。

 

*アンチテーゼ

サンダーとペイサーズはチームスタイルは正反対ながら似通った試合をするチームであると以前お話したと思いますが今日の試合のスタッツを見比べてもサンダーのFGが44%、ペイサーズは43%(ちなみにアテンプト数は92で同じ)、アシストは29と26、リバウンドは44と45、ブロックは6と7などといったように数字的に類似した部分も多く、半ばミラーマッチのような各スタッツでした。よくよく見ると選手の得点分布もリーディングスコアラーがSFであり、ボヤン・ボグダノビッチとジョージで28得点と31得点、次点がCのサボニスとアダムスで18得点と25得点であり、そこはかとなく似ています。

しかしながら6アシストのダレン・コリソンがチームハイのアシストで、アシストが相変わらずチーム内で散らばっているのに対してサンダーは実に12ものアシストがウェストブルックに集中しており、各チームのバスケットの本質は全く別の場所にあるというのが興味を引きます。

(前回話したか忘れてしまったので前回の分の比較をしてみますが、両チーム共に24アシストで、ペイサーズはコリソンが7でボグダノビッチ、サボニスらにも分配されていたのに対してサンダーはウェストブルックの11アシストがダントツでした。)

奇しくも似通った上に反対とも言える対ペイサーズ戦で二回共にサンダーはこのスタイルと似通ったスタッツにも関わらず優位を取っていた(一試合目も取れてはいた)ということは少なからずサンダーのバスケットを肯定する要素になり得ます。よく言われるのが

「サンダーの古典的なエース頼みのバスケットはチームとして不正解なのではないか。」

という論調なのですがこれに対するアンチテーゼになるのが他でもないペイサーズ戦であり、自分たちのスタイルであれば、自分たちと同じだけの力量を持つチームバスケットのチームに対してアドバンテージを獲得できるということが明らかであるからです。

確かにペイサーズのようなチームを目指せば安定感ははるかに増すでしょう。しかし引き換えにスターの存在の意義が薄れます。ウェストブルックとジョージというリーグでも屈指のスターですが、ペイサーズのようなバスケットでは凡百のロールプレイヤーと大差ないものに成り下がるでしょう。そう言い切れるのは昨季のジョージの出来と、ウェストブルックがオフボールで何ができるのかを考えれば自然なことだと思います。そのために今の自分たちのスタイルをどこまで突っ張れるかというのが一つこの先を見据えると重要なことだと考えます。あくまでサンダーはサンダーなのです。

しかしこのペイサーズの完全上位互換となるチームバスケット+スターバスケットという絶対王者のウォリアーズにはまるで通用しないだろうというのもまた事実で、ウォリアーズを倒しての優勝を目指すのであれば現在のスタイルの打破というのもまた避けては通れないよねというサンダーに対してもアンチテーゼ足りえる試合なのでした。現状で優勝というものを目指すならば、情けないですがウォリアーズが自壊するか他のチーム相手に敗れるかを期待するしかないのです。よって1stラウンドでウォリアーズに当たるのは論外です。

 

・エースを信じること

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*サンダー/サンダー

前回の対戦と今日の対戦で大きく異なったのが前半にサンダーがリードを奪って後半にペイサーズが逆転したというシチュエーションが全く逆のペイサーズが前半にリードを奪い、後半にサンダーが逆転したというシチュエーション。あとはタイリーク・エバンスの復帰です。

後者はそこそこ手を焼きましたが代わりにウェスリー・マシューズを完璧に抑えていたのでそこまで影響はしませんでした。

3Qの大逆転劇ですが、それ以前の前半では1Qこそ久しぶりにリードで終えられたものの、2Qには僅かに16得点しか奪えず、そのくせ27失点を許して逆転された上にリードを広げられ、ここのところの悪い負けパターンそのものでした。が、3Qに強い今までのサンダーを取り戻したのか、一気に31-15でリードを奪い返しました。

驚異のディフェンスで15ポゼッションを連続で守りきり、24-0のランを巻き起こしましたが、ランができるということはすなわちディフェンスで抑えていることが絶対条件ですし、2桁のビハインドを背負っている以上、どこかでランを作らなければ勝つことができないといった状況でこれほどまでに適切に作られたランは今シーズンでも1.2を争う美しさで、期間中、アダムスがFG100%での8得点に、グラントが2本のブロックに2本の3Pなど、特にインサイド陣の頑張りが実ったといったところが大きいランで、ことアダムスに至っては試合を通してみても12/15日のナゲッツ戦以来の25得点12リバウンドの活躍でチームを牽引しました。

昨季何度もチームを救い、これ以上のパフォーマンスを多々見せてきたアダムスでしたが実に3ヶ月ぶりの大活躍ということで、ファンからすると「やっとか...」という心情であることでしょう。それくらいの長いスランプではありました。彼のパフォーマンスの出来不出来はサンダーの勝敗に影響が大きいのでこの程度とは言いませんが、このまま以前のようなNo.1ロールプレイヤーを争うレベルのパフォーマンスを取り戻すことを期待したいですね。

グラントに関してですがここ最近やたらと3Pの精度を上げており、ラプターズ戦でも5/8、今日も同じく5/8とそこそこのアテンプトを許され始めた感はあり、着実にストレッチ4へと進化しているのですが、そのほとんどがオープン又はワイドオープンであること、そしてコーナーか右45°でのシュートであることからある程度対策もしやすく、対策をされた場合にファーガソンのように著しく確立を落とす可能性が高いのでプレイオフなどで期待しすぎるのもどうかとは思いますがオープンでの信頼性が高まっているということは単純にプラスであり、ペイントエリアのスペースを生む意味でもしっかりと役割を果たせていると言えるので今はオープンを決めてくれればそれで良いですが。

懸念としてはチェックされた場合に入らないないし撃てない、また近頃はミドルレンジでシュートを撃ちがちな傾向にあり、自分のスタイルに必要なものを選んで洗練していくという過程が必要になってきていると思います。

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ラプターズ戦と今日のペイサーズ戦のグラントのショットチャートをを順に載せてみましたが明らかにゴール下とコーナーと右45°の3P以外の効率が悪く、ミドルレンジを撃つ必要があるのかどうかというところには疑問が残ります。はっきり言って難しい割に2点しか入らず効率も良くないのでグラント、ジョージ、シュローダーあたりにはファーガソンのようにミドルレンジを極力減らしてもらいたいものです。

そしてそのファーガソンはシュートこそ2/9で調子が続かなかったものの、ディフェンスとハッスルプレイでは相変わらずズバ抜けて良く、彼のパフォーマンスに引っ張られてディフェンスやハッスルプレイが元どおりとまではいきませんが及第点くらいまでは取り戻せつつあるのかといったところでした。特にディフレクションに貪欲な姿勢こそ今季のサンダーのディフェンスの要でもあるので彼には引き続きディフェンシブアンカーとして頑張っていただきたいなと思います。でもオープンの3Pはもう少し入れて欲しいけどね。

 

・満場一致で今日のMVPはグラントとアダムスだった

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きょうのまとめ

アダムスが良い日は負ける気がしない