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4/20 サンダーvsブレイザーズ Playoffs 1st Round 第3戦

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ホーム、チェサピーク・エナジー・アリーナで行われたブレイザーズとの一戦は最終的に120-108で勝利を収めています。

屈辱の連敗を喫してホーム、チェサピークに戻ってきての一戦でしたがやはりホームは心強いですね。サムネイルにも上げた画像のTシャツが配られオレンジ一色かつ常に怒号のような声援が飛び交う様は画面の向こうかつサンダーファンである私でさえ若干の恐怖を感じるような熱狂ぶりで今日の勝利を後押ししました。

ホームコートの素晴らしさを証明するとともにHCAを確保できなかったことも少し悔やまれるような一日でした。

 

Dame vs Russ

今日の内容としては色々ありましたがやはりデイミアン・リラードとウェストブルックのマッチアップが一番に挙げられることでしょう。

ウェストブルックは第2戦後の記者会見で

「今日の敗戦は全て自分の責任、(3戦では)もっと良いプレイをしなければならない。」

と語っており、3戦ではどのように名誉挽回するのかといった期待は少なからずありました。しかし試合開始からしばらくは恐ろしい程の精度のプルアップジャンパーを多投し、尽くショートさせていくといった酷いシューティングに、判断力を欠いた中途半端なパス、ドリブルによって多くのTOVを積み重ね、ファンに「これは2戦と何も変わっていない。」と思わせるには充分な程の酷いプレイをしていました。ちなみに前半のスタッツはFG4/10、5TOVとシュートセレクションの悪さとミスが目立ったといった内容。一方のリラードもリラードで、前戦のような圧倒的な支配力を見せることもなく、淡々とシュートを外していきました。こちらもウェストブルックを少し止めており、悪くはないディフェンスを見せていたことくらいしか褒める部分がありませんでした。リラードの前半のスタッツは2/6の僅か4得点にとどまっていました。しかし試合が進み、3Qに入り、点差が16点まで開くと、まず先にリラードに火がつきました。3Qにフル出場をした彼は3P3/4を含むFG8/11にFT6/6の合計25得点を3Qに叩き出し、オフェンスレーティングも165.4という驚異的な数値を叩き出し、1度ブレイザーズが追いつく原動力となりました。恐るべしDame time。

しかしここで悪い流れを断ち切ったのはウェストブルック(とグラント)でした。4Qに一度同点に追いつかれると、エンドワンを引き出し、悪い流れを断ち切り、自身で積極的にアタックし、FG5/6を含む14得点を叩き出し、オフェンスレーティングも142.0を挙げ、勝利を呼び込むことに成功しました。

そして戻ってきたリラードはというとFG0/4、オフェンスレーティング82.4で大失速し、勝利を掴むことができませんでした。この3Q-4Qの攻防が明暗をはっきりと分けることになりました。結果から言うならば、3Qにあれだけのことをすれば、後半19.4分もの出場に耐えられるはずもなく、リラードのスタミナ切れ、そしてその状況に持ち込んだサンダーの粘り勝ちといったものとなりました。ちなみにウェストブルックにはスタミナ切れという概念はありません。

リラードとウェストブルック、互いに険悪なライバルであると言われたりもしていますが、オールスターなどでは仲良くしている2人。ただお互いに勝負師なのでこのシリーズ中はこの空気感でやりあうことになるでしょう。後半から明確にプレイを変え、0TOVでやり過ごし、自身での得点にも余念がなかったウェストブルックがこの試合で何かを得られたのであれば、今後ウェストブルックのシューティングの好不調に関わらず、優位に試合を進めることができるでしょう。また、3Qに25得点を叩き出したリラードに対しても、前半と4Qにおいてはディフェンスが有効であり、ジョージがマッチアップした際にはなりを潜めていたことから、いかにジョージのディフェンスをレインブラザーズにぶつけるか、もしくはシュローダーがディナイなどのタイトなディフェンスなどでそもそもボールを持たせないディフェンスができるのかといったところがリラード攻略の糸口になりそうです。こんな感じにリラードに注力しているとまたCJマッカラムに刺されそうですが。

 

・圧倒的なプレイを見せたリラードとウェストブルック。しかし両者ともにチョークの糸口は掴まれつつある

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*サポートメンバーあれこれ

今日のMVPは間違いなくグラント。ウェストブルックも凄かったけどね。

前回すこし愚痴を漏らしましたがグラントはここまで3P0%という酷いシューティングでした。しかし今日は4/5となんとも派手な揺り戻しでFG6/7の18得点を挙げ、勝利に大きく貢献しました。やはりというかなんというかシーズン39.2%で3Pを沈めていたストレッチ4がオープンで撃っていたにも関わらず0%というのは色々とおかしいとは思いましたがここに来て当たってくれました。しかしこれに関しては本当にただ当たっただけなのでなんとも言えないのも事実。他にはファーガソンが3/4、シュローダーが2/3、ウェストブルックが4/6で決めていますが誰も彼も到底続かない確率ではありますしもう少し3Pが落ち着いた時にどうするかということを頭に置きつつ次の試合に臨んで欲しいものです。

逆にジョージはFTを17本奪い、14本沈めて22得点を挙げたものの2/7の3P含む3/16のFGでショットに苦しんでいました。

これを受けて考えるとジョージが絶望的に当たっていなくとも周りが当たっていれば勝てるとも言えますし反対にジョージさえ当たっていれば周りが冴えなくてもある程度何とかなるともとれます。ウェストブルックのサポートをしたりジョージのサポートをしたりと大変ですが、ロールプレイヤーたちがディフェンスで手を抜くことなくオフェンスでどれだけ働けるかということがやはり大きなファクターになっていることは疑う余地もありません。特に前回も書きましたが、ファーガソンとグラントがキーです。

ブレイザーズ側は、今日の試合ではアルファーク・アミヌ、マイヤーズ・レナード、ザック・コリンズ辺りに仕事をされたものの、セス・カリーに徹底してシュートを撃たせないディフェンスを実行できていたことは大きなポイントでした。カリー家は怖いからね。

あとは(元)スタッシュブラザーズですが割とカンターにはいい仕事をされがちで、2戦目のように止めることは叶っていませんでした。しかしアダムスはアダムスで5/6で10得点を効果的に挙げており、オフェンスのやり合いといった形に。基本的にアダムスの方が一枚上手なのですが、最近では試合中に空気になってしまっていることも多く、FGAをもっと与えてほしいプレイヤー筆頭です。というかカンターってやっぱりディフェンスの面では大穴ですしサンダーの面々もそれを一番わかっていると思うのでもっとアダムスの活用をしていくことはマストだと思います。今のところカンターを攻め立てているような場面もあまりないため、オフェンス力もオフェンスリバウンド力もユスフ・ヌルキッチより少し上のカンターに変わってしまって、むしろブレイザーズが強化されてしまったような形になっており、今季のブレイザーズの最大の弱みをつけていないのでもう少しアダムスを使ってほしいものです。ちなみにディフェンスの格はヌルキッチとカンターでは3つ以上レベルが違います。

 

・なんの因果か再び相見えたスタッシュブラザーズ。インサイドの支配権の行く末はこの2人に託された

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【総評】

とりあえず言いたいのは前半のレフェリーのコールが酷すぎませんか。流石にホームコートなので若干サンダー寄りではあったのですがサンダー側にもブレイザーズ側にもしょっぱいコールのオンパレードで試合が止まりまくりで選手たちもテンポをつかめていなかったように感じます。それを含めて自分たちのリズムを作っていくのがNBAだろと言われてしまったらそれまでなのですが余りにコールが厳しい上に派手なムービングスクリーンやハンドチェックをなかなか取らなかったり、挙句にモーリス・ハークレスのタックルすら吹かなかったりで不可解でした。すぐ吹いたり全く吹かなかったりでよく分からなかった今日のレフェリーなのでした。勝ったからいいけど。

あとは上でも書いた話でもありますが、今日の試合で得たものとして

・リラードはやはり恐ろしいが完全に近いメタ対策も取れるということ

・レインブラザーズが当たっていてもこちらのシュートも決まっていれば普通に勝てるということ

・ジョージやその他のメンバーの調子のアップダウンがあってもそこそこの試合にはなるということ

が明確に示されました。これらに加えてさらにこの先注意することとして今日のようにブレイザーズにオフェンスリバウンドを許さず(今日は12つ奪われた)セカンドチャンスからの得点をさせないこと、速攻からの失点を抑えることの2つに加えて、ずっとリードしているアシストポイントを上回られないことが重要になってきます。特にアシストをさせない=イージーシュートを撃たせないというのはしっかりと機能しており、大差で負けた前回もそれだけは機能していました。つまるところブレイザーズはレインブラザーズ頼みの傾向が強まり続けており、レインブラザーズ(+カンター)の個人アタック以外で得点できないというのがさらに顕著に浮かび上がってきました。今日もレインブラザーズにはそこそこゴリ押しで得点されましたが、イージーなシュートを許してないない限りは前戦のようによほど爆発されない限りはこちらに分があると断言できます。逆に言えばイージーなシュートを許すと途端にシリーズが終わりかねないのですが、今日の反省を生かして次の大一番をしっかり乗り越えられるのかといったところです。まだサンダーはスタート地点にすらたどり着いていません。2-2でやっとスタート地点ですがその先にもたどり着いてくれると信じています。

 

・プレイオフキャリアハイのグラントと怪我の影響が大きそうなジョージ。次戦の勝敗を決めるのはこの2人の出来だろう

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