ダリアス・ベイズリー in Bubble
初手から謝罪です。一応リアルタイムでしっかり応援していましたが両方とも余りにも語ることのないゲームだったため割愛いたしました。申し訳ございません。代わりと言ってはなんですが、バブルにてブレイクを見せているベイズリーについての特集をば。
*23rd Prospect⁇
以前にも何度かお話ししましたがベイズリーは特殊な境遇から成り上がった選手なのです。高校時に現在キングスに在籍していますマービン・バグリーⅢ(当時ブッチギリの高校No.1選手でした)を圧倒して評価を大きく上げ、最終的に5つ星の評価を受けていましたが、突如としてコミットしていたシラキュース大の推薦を蹴ってGリーグ入りを表明、そしてそれも取り消して最終的にはNew Balanceのインターンを受け入れ、社員としての給料を貰いながらドラフトに備えるという特殊なルートを通りました。そのため、彼は1年間バスケットボールの試合から離れており、それが響いたこともあってドラフト前の評価は決して高いものではなく、23位にて指名を受けたときには世界中のサンダーファンから「Who??」との声が上がったことは鮮明に覚えています。一応ある程度はドラフト候補のチェックをしている私もほぼ情報がなく、何故?と思ってしまったのも覚えています。だって推しのケビン・ポーターJrとボル・ボルが残っていたのでね…でも流石は辣腕プレスティの慧眼と思い知らされました。確かにClass of 2018のうち、ESPNにて最終的に13番目にランクインしていた彼のポテンシャルは高いのではないかとの考えは各チームにもある程度あったとは思いますが実際に手を出す根拠としては薄弱で、しかもコンバインで圧倒的な数字を叩き出したブランドン・クラークをトレードダウンしての獲得だったことも考えると負けドラフトだったのではという考えがあってもおかしくはないものだったのでした。そう、バブルが開催される前までは。
それでは彼のバブルでのスタッツを見ていきましょう。
・スクリメージ
- 平均24.5分出場
- 14.0得点
- 5.3リバウンド
- 1.0アシスト
- 1.0スティール
- 1.0ブロック
- FG48.3%-3PT42.9%-FT57.1%
・シーディングゲーム
- 平均27.1分出場
- 12.3得点
- 5.5リバウンド
- 1.2アシスト
- 0.3スティール
- 0.5ブロック
- FG42.6%-3PT42.9%-FT90.9%
ついでに昨年、大車輪の活躍をしてくれたジェラミのスタッツとベイズリーのバブル前までのスタッツも見ていきます。
・18-19ジェラミ
- 平均32.7分出場
- 13.6得点
- 5.2リバウンド
- 1.0アシスト
- 0.8スティール
- 1.3ブロック
- FG49.7%-3PT39.2%-FT71.0%
・バブル前ベイズリー
- 平均17.2分出場
- 4.5得点
- 3.7リバウンド
- 0.5アシスト
- 0.4スティール
- 0.7ブロック
- FG38.3%-3PT30.0%-FT68.1%
どうでしょうか?ベイズリーのスタッツが伸びているのは明らかですが、元々リバウンドは取れており、スティールやブロックが伸びているわけでもなく、得点面、特にシュート精度の進捗が著しいことがわかります。というか3P43%はエリートクラスです。しかも数試合の好調による確率変動とは考えにくい。というのもどの位置にいてもキャッチアンドシュートを徹底してこれまで放ってきたベイズリーですが、最近はステップバックやプルアップでのシュートを多投しており、シュートの能力そのものが伸びていることを示しています。これはかなり信用度が高く、またこれまでにコーナー3Pも多く試投していたしていたベイズリーですが、ここ最近では4/28の試投に留まっており、またトップオブザキー〜ウィングエリアでの3Pは12/24で50%と明らかにホットゾーンを構築しているのが分かります。以下サンズ戦とウィザーズ戦のショットチャートです。
・ウィザーズ戦
・サンズ戦
これらのことから導き出せる推論としては、ベイズリーは自分の得意なプレイに徹した結果、3Pを含むFG%を大きく上げて得点力を上げたという点、また単純にシュート力が上がっているという点が挙げられます。FT%ですがスクリメージで57.1%だったことを考えると90.9%というのは出来過ぎもいいところだと思いますが実際にかなりの精度で決めてくれているので75%くらいは期待できるのかなといった状態。しかし基本的なシュート力が伸びていることに疑いの余地はなく、それが彼自身にもスコアリングの自信をもたらし、アテンプトが増えて得点を積み上げているという非常にいい状態にあると言えるでしょう。
*半醒半睡、才気嘱望
ここに来て才能を開花させつつあるベイズリー。2試合連続でルーキーが20得点以上を挙げたのは2009年のハーデンまで遡ります。ただ色々な思惑や時の運に恵まれたのも確かで、ウィザーズ戦は本来の力を発揮できるメンバーとは程遠く、サンズ戦ではガリナリが欠場し、スターターとしてチーム最長の出場時間を得たことも関係しています。まぁそれに関わらず再開後は元々プレイタイムが長めなんですが。
プレイタイムが長めなのはガリナリがイマイチ怪我の耐性について信用度が低いこと、指名権やホームコートアドバンテージがほとんどない環境であることからサンダーは負けても構わず、育成や調整重視の起用を行なっていることが挙げられますが、もっと言うならばガリナリがFAとなり退団を選択する可能性は高く、それに備えてということなのではないでしょうか。
話は変わりますが先ほどベイズリーとジェラミを比較しましたが、スタッツがとてもよく似ており、彼は2年かけてハンドリング技術とシューティングを磨いて今の評価を築いたことを考えるとセンスというものは恐ろしいもので、元々サイズの割にハンドリングが優秀だった彼は(突き出しはいまだに怪しいですが...)、シュートを磨いただけで弱冠20歳にして今の領域に到達しており、今後本当にジェラミの立ち位置や、ともすればその先のパスカル・シアカムの立ち位置まで伸びるポテンシャルは十分にあります。若さは武器であり正義なのです!
まぁジェラミと比較すると最高到達点の差やディフェンスの差はまだまだ顕著ですが、サンダーは名ディフェンスコーチのロバーソンがいるので(もうすぐFAですが再契約してくれるでしょう)、ディフェンスの伸びは期待したいですね。
ただ逃した大魚と言われがちのクラークはもうすぐ24歳、ジェラミは26歳半ばということを考えると、彼がその歳になった時にどんな評価を受けているのかということにかかっており、現時点で比較するのはナンセンス。またサンダーは再建に舵を切っているということもあり、チームの指針にもベイズリーの方がマッチしています。この未完の大器が今後数年かけてどう成長していくのか必見です。
p.s
余談ですが彼は23位指名なんですよね。サブタイトルでも示しましたが。
サンダーが残りのヒート戦、クリッパーズ戦を落とし、ペイサーズ、ジャズ、シクサーズ、マーベリックスのうち2チームに抜かれればプロテクトがかかり、20位以上の指名権が戻ってきます。どうでしょう、夢がありませんか?少なくとも私は夢があると思いますし、クリッパーズ、ナゲッツ、ロケッツの上位陣のどこと当たっても変わらず苦しい戦いを強いられるだろうと予想しているので残りわずか2試合全力を尽くすよりも調整に当てた方が経営戦略として賢いのではないかと今でも考えております。くどい上に歪んだ考え方で申し訳ありません。でも本当に今年は1巡目下位に良いロールプレイヤーが揃ってるんですよね…余裕があればまたサンダーが取りそうなドラフト候補生を記事にまとめたいと思います。タイラー・ベイとかジェイレン・スミスとかプレスティは好きそうですし選びそうなんですよね。
ま、それはまた機会があればということでそれでは次戦のヒート戦後にまたお会いしましょう!