:ReBuild→OKC

NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

Winning Opening Night

f:id:okcthunder013:20201227222754j:image

(なんかいつにも増して雑ですね…)

諸事情により開幕戦がお流れとなったため他チームより遅いオープニングナイトを迎えたサンダー。わざわざヒューストンまで飛んだけどむだ足だったことと本来のオープニングナイトを潰されてしまったことを考えるとロケッツに対して少し嫌な感情を持ってしまうのは事実ですがその辺はまぁどうにかこうにか。正直に申し上げると出鼻を挫かれたせいで意欲を削がれたのは大きくて、あまりモチベーションが上がりませんがアクシデントも飲み込んで今年もガッツリ応援していこうと思います。

唯一よかったことはフランス当局とのもつれで業務許可が降りずにチームから離れていたマレドンが間に合ったことは朗報でしたね。

あと余談ですがポクシェフスキーが誕生日を迎え、無事19歳になったということでした。それでもNBAで1番若いプレイヤーなのですが。彼にとってバースデーゲームでありデビュー戦となりましたがほろ苦い思い出になったのかなぁといった印象でしたね。

また、ノースカロライナ出身のジャクソンとホールにとってはホームゲームとなりました。が、出場はなし。世知がれぇ。

まぁそんなこんなで今年も開幕しましたので早速ゲームレポートの方、やっていきましょう。

 

 

*ヤングコア3人衆

ベテランというかヒルが目立った試合ではあったのですがMVPを1人挙げるならやっぱりベイズリー。2年目にしてめちゃくちゃソリッドな2wayプレイヤーとしてチームを支えていました。正直、リム周りのフィニッシュは不安定なのでたまたま調子が良かった部分もあるとは思いますがミドルレンジもしっかり決めていたし、決まりはしなかったもののめちゃくちゃ良い形で3Pも撃てていたので言うことなしです。軌道も良かったしフォロースルーも良かったしね。なによりUSGが16.4%で(昨季15.1%)15得点は立派ですし10reb、2blkも優秀です。欲を言えばUSG20%↑を目指して欲しいのですがシェイ、ドート、ホーフォード、ヒルとの兼ね合い次第かな。とりあえず1番才能は感じさせてくれたベイズリーでした。それこそシェイ以上に。

次いでドートですがこちらもUSGは14.1→16.3と微増でしたが得点は15とPTとUSGの変化以上に伸ばしてきました。ドートに関しては華麗なプレイは求められていないと思うので泥臭いリムアタックやコーナースリーなんかを決めれくれれば万々歳ですし実際にそれが効果を発揮していた試合でした。TOVも0、±もチームトップの+16ときっちりロールプレイヤーとしてのロールの質を上げてきたように見受けられます。あとは3Pをもう少し上げたいかな。あとアンダーサイズながらSFとして攻守にプレイしていたことも高評価。意外にもヘイワードとマッチアップして問題なく止めていたのでした。ちなみにドートは全10のDFGAで僅かに3を許したのみでTOV3を引き出していることからDFでの貢献具合が分かります。

最後にシェイですがこの試合に関してのみ言えば少し失望です。確かに最後のクラッチショットは見事ですがその前に3連続TOVを犯し、ファウルゲームでのFTも沈められずに追いつかれたことを考えるとあのショットの価値も疑問符がつきます。あと今日はボールホグの傾向が目立ち、USGは脅威の34.5%を記録しました。これは34.6%のトレイ・ヤング並の数字です。サンダー的に分かりやすく言うとあのウェストブルックより高い数字であるとも言えます。USG%だけで語っても仕方ないのでポゼッション毎の保持時間を見てみると7.7秒とルカ・ドンチッチ、ハーデン、ジャ・モラント、ディアーロン・フォックスに次ぐ5番目に高い数字となっています。ちなみに去年は4.0秒でした。このことを考えるとかなり独りよがりなプレイをしていたことがわかります。それでも2Pは7-14と効率が良いのでなんとも言えない部分もありますが…

PGでありながらコントロールをしないスポットアップシューターのヒルと組んだことも影響し、シェイが本来のPGとしての仕事をし始めたということとチームのエースとしての立場に立たされたことが重なったことにより起きたことだとは思いますがちょっとシェイの柄じゃないよね。といった今日の試合だったのでした。ダイノートがシェイをどうしたいのかによりますがこのままの方針ではスタッツの見栄えだけの選手に成長する可能性は非常に高いです。より強度が上がるジャズ戦でどうなるかは見ものですね。

 

f:id:okcthunder013:20201227232459j:image

 

*憂き目、祟り目

1つ言いたい。「今年のサンダーは弱い」と。

別に貶したいわけでもありませんし、なんならダイノート含むコーチ陣は昨季より優秀だし、ラインナップを見ても良い選手はいるし、ヤングコアもいい感じ。でも弱いんだ。

タンキングのため、ケイド・カニンガムのために負けたいのだと現地でも日本でもしきりに言われるサンダーですので弱いのは当たり前だと突っ込まれそうなのですが、実際そこまで弱くはないはずなんです。が、どう見ても弱いんです。

理由はそう、2ndユニット。スターターは普通にプレイオフ進出ラインにいてもおかしくないプレイをしますが2ndユニットがあまりにも酷いのでどうあがいても勝てません。±を見れば一目瞭然で、スターターが合計+52であるのに対してベンチは-42と酷い有様で、その中でもマレドンとムスカラは良いプレイをしたりするのですがその他の3人はからっきし。フランクをカットした弊害が出ている気もしますね。ポクシェフスキーはまぁ育成枠なので目を瞑るにしてもケンリッチとディアロは役割が被りすぎですしそれぞれ何がしたいのかの意図が不明で行き当たりばったり感が拭えません。というかそもそもマレドンの強みがPnRからの組み立てのはずなのにディアロにPGまがいなことをさせているのがよく分かりません。無理だって。ケンリッチに至っては攻守にポジショニングが悪く、邪魔な場所にいますし別に特別ハッスルするわけでもDFが上手いわけでもないので16分のPTの無駄使い感は強いです。既視感があるなと思ったらヒュースティスが似たような感じでしたね。彼の方がブロックという一芸があったので優れていたとも言えますが。

とりあえず全員わちゃわちゃしすぎで、1つ1つのポゼッションの質が低かったベンチ陣だったのでした。でもムスカラは良かったよ。

 

f:id:okcthunder013:20201227234525j:image

 

*ハイペース&ソリッド

ペースは105.5と依然ハイペースだったサンダーですが内容を見るとむしろスローペースでは?となるので意外でした。何せ速攻からの得点が僅かに11、アイソレーションが14.0(昨季は9.6)とスローペース要素が強かったのはスタッツにも現れています。しかしスローペースの要因とされるポストアップが僅かに2であったという点に関しては頷けます。ホーフォードというサンダー史上有数のCを獲得したのにも関わらずポストアップの大幅減というのは実にペース&スペースを重視するダイノート"らしさ"が出ているなという感想。でもホーフォードに頼らざるを得ないシチュエーションもこの先増えてくるでしょうしこれから増えてはいきそうではありますが。いかんせんベイズリーもムスカラもポストアップをしないのでオプションとしてはホーフォードのポストアップに限定されそうなのでした。

ただペースを上げるならトランジションゲームというのはよく言われることなのでポストどうこうと言うよりはもっとボールプッシュをすべきなのかもしれませんね。ホーフォード、ベイズリー、ポクシェフスキーあたりはリバウンドからそのままプッシュできるのも強みですし。あとベイズリーはめちゃくちゃ頑張って先頭を走ってくれますしね。

もう一つ気になるのはプレイセレクションです。シェイはエースムーブをしているので別ですが、異常なほどにタフショットを避けるきらいが見られました。ちなみにベリータイトと言われる2フィート(60cmくらい)以内にDFがいる時のショットはなんと0でした。また、DFとの距離が4フィート以上のオープンショットは52本と全体が88本ということを考えると非常に高く、DFとの距離2-4フィートのタイトショットもFG59.4%とセレクションの良さが光りました(ペイントエリアでのシュートなんかは大抵タイトショットに分類されるのでセレクションが悪いわけではない)。

また、パスの本数も340本と非常に多くなっており(昨季は286.8本)、無理なら戻すという基本に忠実な動きをしていることが分かります。めちゃくちゃシステマチックな効率バスケであり、強者のバスケであると言えますが、ことNBAにおいてはデータの通じないスーパースターに粉砕される噛ませの歴史があったりもします。ダイノートのこの教えがどう転ぶかは分かりませんが、少なくともドノバンよりは明確なビジョンを持っており、成功の確率は高いと思います。

まだまだ開幕戦であり、ラインナップ等含めて試行錯誤感もありますが、全てが刷新された新しいサンダーバスケットボールが展開されており、見所も十分です。ここからどんな成長があるのか、どんなケミストリーが生まれてくるのか、2ndユニット問題は改善するのかなど諸々楽しみですね。それではまた次回に。

 

f:id:okcthunder013:20201228002447j:image