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NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

おかえりラス

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喧騒に塗れながら時代は幕を閉じた。そんな試合。

全てのサンダーファンが待ちわびたその日がやってきました。そう、ウェストブルックの凱旋試合です。結果としては最大30点のリードをつけたブローアウトという形になりました。が、ウェストブルックも黙っていたわけではなくゲームハイの34ptsをFG53.8%で記録しており、慣れ親しんだチェサピーク・エナジー・アリーナでの試合という事で満員のファンの前で圧巻のパフォーマンスを見せてくれました。サンダーファン全員が望んでいた形に着地したゲームになったのではないかなと思います。

またウェストブルックの凱旋ということでその他も色々と特別なところがあった試合でもありました。まず違うのはジャージでしたよね。19-20シーズンverのシティエディションのジャージに身を包んで現れたサンダー。今季のシティエディションは人気のあった昨季のシティエディションのジャージよりさらに人気が高く、高級感溢れる洗練されたデザインがカッコいいなと私も感じます。あと未練がましいですけどウェストブルックとジョージもめちゃくちゃ似合うんだろうなぁとしみじみ。あとは24秒計がフロアに投射されるアレがサンダーの試合で初めて使われたり、ウェストブルックのシューズがOKC仕様だったりと特別感は満載。

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ウェストブルック帰還に合わせてシティエディションを着用したりなどこういう小粋なことをするあたりがサンダーがどれほど彼に感謝しているのかがわかります。また、ウェストブルックもシューズの着用や、わざわざ昨日の試合の方を休み、今日のサンダー戦に出場を合わせたり、試合後にロッカールームを訪れたりと彼もその愛を惜しげなく見せて応えてくれました。

 

 

 

*エモーショナル・ゲーム

足の怪我により試合の数時間前出場が危ぶまれていたガロが試合前になって突然の出場表明と無理していないか若干心配になるブレイキングニュースから入った試合ですがそんな心配もどこ吹く風で試合開始直後から圧倒的なオフェンスを見せ、万全であると証明してくれました。流石にガロがいるといないではOF力の差は歴然だなぁと思わせてくれます。ネッツ戦とか年末の4試合とかは完全にDFだとかその他の要因で勝ってきましたしね。あとノエルは依然お休みですが今日はムスカラがかなり頑張ってくれたので穴は目立ちませんでしたね。でもディフェンシブアンカーであるノエル不在というのはサンダー的にはめちゃくちゃ痛手の筈ですし早く元気にプレイしている姿を見たいところではあります。

そんなこんなでガロもムスカラも気合を入れてプレイしてくれた訳ですが、気合が入ってるのは2人(とウェストブルック)だけではなく、遺恨を残した古巣との対戦となるポール、シュルーダー、アダムス、ファーガソンあたりもプレイオフさながらの200%のプレイを見せてくれました。結果、シュートが決まる決まる。面白いように得点が決まっていき、1Q37得点はシーズンハイを記録しました。また、前半は自分達のバスケットを強制していき、シーズン平均99.24のペースを記録しているサンダーですが、前半92.00と極端にスローペースで試合を運んでいったのが分かります。ちなみにロケッツは平均103.93リーグ2番目とトップクラスのハイペースなチームであることから、会場のボルテージとは裏腹にかなり落ち着いたプレイを貫いて前半を支配したと言えるでしょう。後半に入るとどうにか打開しようとしてきたロケッツに3Qが112.00とペースを上げられてしまいますが、それでも譲らず、Qを勝ち越せたのは平均得点1位を記録するロケッツを僅か19得点に抑えたDFでした。

ちなみにサンダーの3QのDRTGはなんと驚異の67.9を記録。これだけペースを上げられたにも関わらず速攻からの失点を2.0に抑えたトランジションDFが光りました。ここで勝負アリ。まさに全員のDFの貢献、スローペースで丁寧なボールムーブメントで得点を狙うOFの賜物と言えるでしょう。現サンダーのバスケットボールの究極が今日の試合にはありました。なんだかラプターズとかセルティックスとかペイサーズらの東の強豪みたいな形に仕上がってきましたね。西では珍しい全員バスケができるチームです。サンダーを取り巻く色々な噂や怪我に関するマイナスな出来事を除けばリーグでも上の方に位置するチームにまとまってきているのを感じます。だからといって優勝に手が届くチームではないけれどね。何が起こるのかは分かりませんが今はこの雰囲気のよさと強さを兼ね備えたサンダーを解体の時まで愛したいと思わせてくれる一試合であり、また、ウェストブルック、デュラント、ジョージ、イバカ…etcが築き上げてくれたサンダーが完全に一新されたことを告げる試合でもありました。

(ま、案外トレードも起こらずガロが再契約して来季もこのチーム、なんてオチもなくは無いですが。)

 

 

*T-Fergという男

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いや、ファーガソンがDFできるのはみんな知ってる。でもこれだけは言わせてくれ、今日のMVPは間違いなくファーガソンだ。

元々DFができる選手ではなかったファーガソン。というかむしろルーキーシーズンはリーグでもかなり下位のDFスタッツを記録していました。「2K」ファーガソンの異名をとったり3Pとダンクの3&Dなんかと揶揄されたりとダンクばっかりの印象が強かった彼は2年前にロバーソンが離脱後、スターターの穴を埋められなかったことを酷く自責し、ロバーソンに師事してひたすらにワークアウトを重ねてDFをモノにしました。ロバーソンの談ではポジショニングや手の位置、ステップの運びなどの技術を指導したとの話でその他に関してはコーチと自身で取り組んだワークアウトの賜物だそう。昨年からサンダーのスターターに抜擢され、そのDFが少しは取り沙汰されるようになりましたが今年に入ってからの1on1のDFはリーグでもトップクラスだと評判です。数字で見てもジョージ、レブロン、そしてハーデンを最も苦しめたマッチアッププレイヤーと言っても差し支えないくらいの結果も残しており、レブロンの例を出すと44.8回のマッチアップで3失点、4TOVと今のところ得点に関してはほぼ完封と言っていい内容を残していたり、今日のハーデンに関しても17失点に抑えており、これはハーデンにとってシーズン最低の記録となりました。ついでに言うとハーデンが10点台に抑えられたのはシーズンで僅かに2度目、実に34試合ぶりとのことです。また、平均12.4本ものFTAを奪っている彼に対して僅かに5本のFTAしか許しておらず、いかにハーデンを抑えられていたのかが分かります。ハーデンの完封に伴い、ロケッツ自体もシーズン最低の92得点に留まり、DFにおいて全てを支配したゲームだったことが数字からもよく分かりますね。もちろん1人のDFで全てを止められる訳ではありませんし、DFはチームで行うものなので全てが彼の功績、全てが彼の責任となるわけではありませんが、それでもファーガソンの1on1で相手のエースを止める能力はリーグでもトップクラスと照明でした試合になったことでしょう。もちろん至らないところはまだまだ沢山あります。3Pが安定しなかったりだとかヘルプが実はあまり上手くないだとかシューターに付くのが苦手だったりとか、ハッスルがいまいちうまく決まらなかったりだとかロバーソンやスマートなんかのDF&ハッスルの最上位クラスにはまだ届きませんが、ファーガソンのDFに関する成長曲線を見ているといつの日か総合的にロバーソンを超えるロックダウンプレイヤーになってくれるのではと期待せずにはいられない、そんな日でした。あとディアロとドートも楽しみですよね。他のチームだとタイブルやアイザックなんかも楽しみです。

 

 

・総評

いきなりトリビュートビデオが流されて会場は大いに沸き、選手紹介はサンダーの面々を差し置いて大盛り上がり。なんなんだこれは状態から始まった試合ですが私の感想は「うるせぇ…!」でした。プレイオフかよってくらい盛り上がってましたよね。なんと試合のチケットは過去5番目に高い平均$133だったとか。ひとえにウェストブルックの人望ですよね。デュラントも適切な退団ができていたらこうなっていただろうに。そんなデュラントはTwitterでパーキンスらとまた一悶着あったとかなんとか。

あと思ったのは今日のシティエディションのジャージの色が黒(?)と金だったのでシュルーダーの髪のゴールドパッチを含むトータルコーディネートとしてめちゃくちゃ綺麗に纏まっていて綺麗すぎて笑ってしまったのを覚えています。色味が本当に綺麗すぎてずるい。

あと客観的に観察しているとウェストブルックはパスが上手いということがよく分かりました。スペーシングに気を使ってもらってるのもあるけどそれにしたってよくワイドオープン作るなぁと。まぁマクレモアとかカペラとかが今日はあまり決めてくれなかったのでアシストにはなりませんでしたが。あとシェイがポストで良くやられていたのは印象が強いです。シェイは線が細いだけにパワー系のガードにマッチアップするのはまだ厳しいのがよく分かります。スリーガードの時にSFやらされてますがSFの選手につくのはポールだったりすることも多いのでドノバンもその辺は気を使ってそうですが。

あとすごく好印象だったのがベンチの雰囲気ですね。ドノバンとポールがいちゃついていたりアダムスとシュルーダーはそもそも元OKCメンバーですしよく盛り上げてくれています。これだけ団結しているとやっぱり見ていて気持ちもいいですし崩すのがもったいないという気持ちにもなりますよね。何回も言ってきていますが念押しで私自身にも読者の方々にもくれぐれもトレードなどでショックを受けることのないように覚悟は常に持っておくことを強く推します。

長くなってしまって申し訳ありません。なにぶん特別な試合だったものですのでご容赦を。それではまた次の記事で。

 

・例のシュルーダーのやつ

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(via Instagram)