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サンダーvsロケッツ 反省会vol.2

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ゲームレポートが挙げられずに申し訳ありません。理由はこの試合を3回見直していたというだけのとるにたらない理由ですが…

未だにウェストブルック不在のシリーズで第5戦も欠場予定という状況でありますが先日の第4戦を抑えたことによってシリーズタイに引き戻したサンダー。ロケッツ快勝のムードであったシリーズの行方が再び岐路に向かっています。

第3戦ではシリーズで初のクラッチを迎え、シーズン中から一貫して積み上げてきた経験が活きて勝利を収めたサンダーでしたが、ギリギリの綱渡りに成功した、ある種運の良さで凌いだ部分が大きく、サンダーの真価が見られたかといえばそうでもなかった3戦でした。そこで今日は前回反省会で申し上げたドノバンの改善、ハーデン以外の3Pのチェック、TOVを引き出すことなどが第4戦で改善されたのかをメインに議論していきます。

 

*反省会vol.2

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さて反省会ですがサラッと4戦でサンダーのやっていたことのおさらいから入ります。

まずサンダーが徹底していたのはロケッツのオールスイッチに対する攻略です。というのもロケッツのオールスイッチは昨年まで取り入れていた(今でもちょいちょいやりますが)サンダーのオールスイッチDFとは異なり、ピックが行くと問答無用でスイッチするというもの。全員がDFに自信を持っていて、マイクロボールを採用しているロケッツだからこその戦術ですが、それはマッチアップの相手を簡単に選べるということでもあり、サンダーの3ガードたちがそれぞれやりやすい相手を選んでドライブの仕掛けを組んでいきました。意外とドートのピックが増えていたのはこのためです。全員に一貫して狙われたのはベン・マクレモア。3Pは優秀ですがイマイチDFが対応し切れていない彼は3ガード全員に狙われて早々に蚊帳の外へ。ここまで24分、14分、17分と出場していたマクレモアは僅か8分の出場に留まりました。3Pの決定力はロケッツの中でも際立っているので早々に追い出せたことは一つラッキーでしたね。そうなるとオースティン・リバースを使いたくなるのかと思いきや、OFを考えるとそういう訳にもいかないらしく、彼もまた15分の出場に留まっていました。ぶっちゃけこれはダントーニHCのミスのようにも思えますがどうなんでしょう。別に狙われてたわけでもないような…

そんなこんなでスイッチの穴をつく戦術でドライブを繰り返したサンダーでしたがこの日絶好調だったシュルーダーが全く止まらず、そう言った意味ではサンダーが楽な展開となりました。もちろんロケッツがクイックネスに対応できてなかったりマクレモアやグリーンを相手に選んでいたこともありますがそれを差し引いても好調なのでした。シーズン中は結構な仕事をしてくれていたのでプレイオフにも期待していたのですが全くもって微妙だった初戦と第2戦だったのですがキャリアハイを更新した第3戦から調子を上げてきている節もあり、自分の得点できるポジションを見つけているのかもしれません。若しくは俗に言われるパパブーストか。

話は戻ってTOVの引き出しですがロケッツが勝手にミスしてくれている場面も多く、スティールは6でしたがTOVは14と及第点ではありますがもっと引き出せたろうというのが本音です。ちなみにサンダーも14とアドバンテージは無し。ロケッツはクラッチTOVが多かったと評されていますが実際は4つでサンダーが5つとなっており、ここでアドバンテージを取れなければ勝ち抜けることは難しく、サンダー側からより積極的にスティールとテイクチャージを狙っていく必要があると考えられます。

次に3P対策についてですが、前半はまるで変化がありませんでした。試合を通して撃たれた58本の3Pのうちワイドオープンで32本ものアテンプトを許しており、これまた43.8%の確率で射抜かれています。しかもうち19本は前半でのアテンプトということでいかに前半にワイドオープンを許したのかが分かります。それでいて悪夢のような8連続3Pを許した3Qでは5本と少なめに抑えているのはかなり皮肉な結果です。ハーデンに15アシストを許したことから鑑みてもやはり3Pに対するコンタクトが緩すぎると考えられ、抜本的な対策が求められます。ただゾーンを織り交ぜたりしていた後半は、追いつききれていないとはいえワイドオープンが減ったことも面白い結果になりました。ちなみにコンタクトを頑張っていたのはシェイとペイズリー。要するにガロとポールが追いつけていなかったのを運動量でカバーした形に。ポールはその時間もいましたがマッチアップがグリーンだったり変則的な動きを取り入れてあの手この手でサボっていましたね。まぁ35歳という年齢とクラッチでの負担を考えると仕方ないところですが。あ、ちなみにガロは単純に足が遅いのでカバーが間に合っていないのでした。サイズはあるので間に合えば脅威なのですがね。間に合えば。

またドノバンの仕掛けた改善点ですが意外なほど何もなく。違いといえばスモールに味を占めたことと3ガード+ベイズリー&ノエルの機動力ラインナップを起用してきたことくらいですかね。ロケッツに対応したラインナップをドノバンが組むのはここにきて初めてのことで、全く対策していなかったサイズと機動力を兼ね備えたラインナップに面食らったダントーニHCが逆に慌てた采配をしていたかなと言った印象。急にほぼ6人ローテーションになってしまったロケッツはハーデン頼みの色が増してクラッチに持ち込まれてポールの十八番に刺されたといった試合展開になりました。ハーデンは流石の能力ですがあの手この手でピックを振り切ってフェイスガードをしてくるドートがいるのでハーデン頼みになると閉塞感が出てきてしまうのが上質なロールプレイヤーで固めたロケッツの戦術で、それを壊して勝手に暴れまわってくれるウェストブルックもいないとなるとエリック・ゴードンに頼るしかないよねって話になります。事実ゴードンは2ndハンドラーとして十二分に活躍しましたが周りに適切なタイミングで捌けるわけでもなく、ハーデンがオフボールで動き回ってくれる訳でもないのであまりアクセントとしての変化はなかったかなというのが昨日のロケッツOFでした。タフショットの連発を含む8連続3Pは非常に危険な攻撃でしたが流動性がなく、むしろ単発のOFだっただけに一度止まったらとんと入らなくなるのは自明の理なのでした。それこそハーデンの絶好調で全くステップバックが落ちない日くらいでないと続かないよね。上述のオープンショットの本数が減少していたことにもかかってきますがサンダーの狙っていたドリブルをさせてのショットが増えてきたという狙い通りの展開に持ち込めたのが大きかったと思われます。前半は24本中ワイドオープンが19本、オンドリブルが僅かに4本に留まったことを考えると後半は34本中ワイドオープンが13本、オンドリブルが13本と同量まで持っていったDFの狙いがうまくハマったと言えるでしょう。誰が狙ったのかは分かりませんけど。ドノバンだといいなぁ。

 

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クラッチ・サンダー

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シーズン中からずっとクラッチに強かったサンダーは前戦の経験からクラッチシチュエーションに勝機を見出しました。多分ドノバンとポールの協議の結果でしょう。あの手この手でサボり続けたポールは前半僅か4得点に止まりました。別に特段抑えられていたわけでもないのですが。しかし後半にロケッツに連続得点を許し点差を広げられるとすかさずポールが自ら切り込んでいとも簡単に2点ずつ返していきます。たまにエンドワンなんかとったりもして。3Qには14得点、4Qには8得点を挙げて後半のみで22得点を叩き出し、現役最高のクラッチプレイヤーである様をまざまざと見せつけました。前半に積極性を欠いていたのはもちろんシュルーダーやシェイが効果的に機能していたこともありますがやはりこの布石だったと考えて良いでしょう。

ポールは意外と体力温存のために隠れて休みがちな感じですがクラッチでここまでのパフォーマンスができるのならばまぁそれもやむなしかといった雰囲気のドノバン。粘って粘ってクラッチで勝利をもぎ取るといったゲームプラン通りにポールを動かしました。でもハーデンのクラッチも怖いのでできるのなら先行逃げ切り戦法の方が良いと私は思いますが勝てば官軍。でもやっぱりクラッチに毎試合突入していては心臓が保たないのでなんとか点差を積んでおいて欲しいというのが心からの願いです。でもドノバンとポールのゲームプランはクラッチにもつれ込むことが狙いになるんだろうなぁと感じさせられた試合だったのでした。基本的に戦術が上手くハマった試合でしたがドノバンが冴えていたかというと疑問符。基本的に選手任せのコーチなので出した3ガード+ベイズリー&ノエルのラインナップとスモールボールが自分達でロケッツに対してやるべきことを見出してやり遂げたように見えるばかりなのでした。ちょっとドノバンに対する信用の無さが色眼鏡になっている気がしますが。はぁ2016ドノバンは何処へ行ってしまったのか…

あとはアダムスどうこうやリスタート速度や以外にとられてしまっているリバウンドなんかについても語りたいところですが既に長すぎるのでこの辺で。次戦は勝った方が王手をかける最重要と言っても差し支えない試合となり、激戦が予想されますが、連勝の勢いそのままに見事勝利を収め、3年ぶりのプレイオフシリーズの勝利に王手をかけることを期待しています。サンダーは天王山を超えられるか。いざ勝負!

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