多国籍化するサンダー
お久しぶりです。そろそろ更新しなければ失踪扱いになりそうでまずいなと思っていましたらちょうど昨日にデックの加入やミチッチのNBA挑戦が報じられましたのでそれについて思うところを少し綴ろうかなと。
まず、デックは今季の残りシーズンからの加入が決まりました。でもCOVID-19の安全プロコトルの関係でいつ出場可能になるのかは不明で、実質的には来季からが本番となりそうです。また、ミチッチがNBA挑戦を決めた(?)との報道ですが、ミチッチがNBA入りする場合に交渉権を保持しているサンダーとしか契約できないというルールから(ホーフォードとグリーンのトレードの際76ersから譲り受けました。)、サンダー加入が噂されているわけです。でもプレスティ側からしたら寝耳に水な話である可能性もあるのでミチッチが来季サンダーのジャージーを着ている可能性は50:50かな。
あとはコアなサンダーファンから人気を博しているクレイチが来季からサンダーでプレイする予定です。既にオクラホマシティでの生活を始めており、ブルーの施設でGリーガーとしてリハビリとトレーニングを積んでいるようなのでまぁまず来季には青とオレンジの27番のジャージーを着ているのではないでしょうか。
そんなこんなで新たに3人のユーロリーガー達がサンダーに加入予定となった訳ですが、既に今季開幕時点で国際色豊かと言われていたサンダーのロスターに更にダメ押しでユーロリーガーを追加したことにより最早アメリカのチームなのか怪しくなってまいりました。チームリーダーがカナダ人のシェイなのでその時点で純アメリカなのか怪しかったのですが、ヨーロッパにルーツを持つ選手を多く取り込んでいるのでもうチーム内では英語のネイティブスピーカーの方が少ないんじゃないかとさえ思います。
余談ですがドートはカナダ人ですが第一言語はフランス語で、マレドンとはフランス語でよく喋るらしい。マレドンも英語が不得手らしいのでよく言えば同じ悩みを共有できるメンバーが増えていっていることに。ミチッチが来季サンダーに来るならばポクシェフスキーとミチッチのセルビア語ツインが結成される。その辺りを考慮すると今季ドラフト候補生のセルビア人、フィリップ・ペトルセフなんて獲得してみても面白そうですね。
ここで一覧を記載しておきますね。
2021のOKCの外国籍選手(予定)
— :ReBuild→OKC⚡️ (@LoudCity_NBA) 2021年4月9日
▼テオ・マレドン 🇫🇷
▼ジェイレン・ホード 🇫🇷
▼アレクセイ・ポクシェフスキー 🇷🇸
▼バジール・ミチッチ 🇷🇸
▼シェイ・アレキサンダー 🇨🇦
▼ルーゲンツ・ドート 🇨🇦
▼スヴィ・ミハイリュク 🇺🇦
▼ヴィート・クレイチ 🇨🇿
▼ガブリエル・デック🇦🇷
(ミチッチのファーストネームは読めなかったのでバジールとしましたがヴァシリー、ヴァシリェなんかが近いみたいです)
こう並べると壮観ですね。そもそもプレスティはスパーズ時代にヨーロピアンに着目して名を挙げたGMなので妥当な成り行きなのかなぁとか思ったりもします。それにしてもトニー・パーカーの愛弟子のマレドンとマヌ・ジノビリの弟子のデックの共演は出来過ぎな気もしますが。
ここいらで一旦話に区切りをつけて、まだサンダーのジャージーに袖を通していない外国籍選手について軽く紹介していきたいと思います。
*Gabriel Deck
- 6-6(198cm),231lb (105kg)
- old:26
- Argentine🇦🇷
- 24.1min,8.8pts,3.6reb,1.1ast,0.7stl,1.2tov,FG48.7%,3P41.4%,FT83.3%
一昨年、2019年のW杯で名を上げたアルゼンチン人コンボフォワードです。フォワードとしてはアンダーサイズながら抜群のボディコントロールと体幹の強さでインサイドで戦う闘将です。シュート力も低くなく、年々FT%と3P%を向上させています。シュートフォームはガリナリっぽさを醸し出していますが、キャッチからボールを下げずにそのまま放るスタイルはどことなくアブリネスを彷彿とさせます。
彼のプレイをスカウティングして私が受けた印象としてはガリナリとアブリネスとウィザーズのデニ・アヴディアを足して3で割った感じの印象です。小器用タイプかな。プレイの質感は違えどケンリッチ的な使われ方をされそうな気もしますね。
先述の通り、ジノビリとルイス・スコラを師と仰いでおり、挙句、かのコービー・ブライアントからも一目置かれる存在だったらしい。ジノビリ談の眉唾話ですが。
また、彼は貧しい家で育ち、幼少期にジノビリに憧れて農業用トラクターのハンドルで自作したリングで兄弟たちとバスケを練習していたような過去を持つ叩き上げの選手で、なんとなくディアロみも漂う選手なのでした。
*Vit Krejci
チェコ人。トマス・サトランスキーが手本らしい。ドラフトデイの記事で一度取り上げたので詳しくはそちらを参照ください。
ドラフト後にオクラホマシティに移住し、傘下のブルーにてトレーニングを積んでいるクレイチ。ある情報筋によると完全復帰は8月になるらしいので仮にサマーリーグが開催されればお目にかかれるかどうかといったところ。ブルーの登録は6-6でしたがユーロでの登録は6-8の大型コンボガードです。レイアップ、ミドルレンジジャンパーの精度が高く、クイックネスも理想的なので膝の怪我の影響を受けなければかなり期待のできそうな素材です。
Vít Krejčí just posted these videos on his Instagram story giving us a little look on where he’s at physically in his rehab process. Happy to see him back on the court! #ThunderUp pic.twitter.com/LaiX12oFa4
— Poku Film Room (@ThunderFilmRoom) 2021年3月8日
*Vasilije Micic
- 6-5 (196cm), 203lb (92kg)
- old:27
- Serbia🇷🇸
- 30.4min,16.4pts,2.7reb,5.0ast,1.2stl,3.0tov,FG47.6%,3P35.3%,FT85.6%
ポクの大先輩でありユーロで最も実力のあるガードの1人、ミチッチ。プレイはキレのあるジェローム、JJ・バレア、カイル・ラウリーっぽいプレイスタイル。満を持してのNBA挑戦でモチベーションは高そうです。直属の後輩のポクを可愛がってくれそう。正直、NBAにおける海外選手との交渉権というのは使われないまま腐りゆくことが多いのでミチッチはサンダーに来ないものと考えていたファンは多いはず。なので実はかなりの棚からぼたもち状態なのです。しかしミチッチが来るとなると、シェイ、テオ、ジェローム、ミチッチ、クレイチとガードが飽和状態になるのが悩みの種になります。ここにケイド・カニングハムやらジェイレン・サッグスだのを加えようものならとんでもない大渋滞となるのでドラフトにも多少なりとも影響を及ぼしそうかなとも思います。しかしファカンド・カンパッソに続いてユーロのトッププレイヤーがNBA入りを決め、その行き先がサンダーということは嬉しい限りですので素直に喜びたいとも思います。ポジション争いの話はまた別。
▲〆の雑談
テオとポク、それにクレイチを指名し、指名選手全員がユーロリーガーとなった昨年のドラフトからなんとなく感じてはいましたが最近のプレスティのトレンドはどうも外国籍選手らしい。あとドートやケンリッチを筆頭にドラフト外選手も熱いようですがここで一つ疑念が生じます。
「あれ?これもしかしてドラフト指名権いらないんじゃね?」
って疑問です。サンダーのロスターを見ると1巡目指名の選手はシェイ、ベイズリー、ブラッドリー、ジェロームのみ。うち20位以上なのはシェイのみというのが実情で、大半がドラフト外と2巡目指名選手ということになります。ドラフト権を大量に獲得し、注目を集めたサンダーですがこの大量の指名権をどう運用し、ロスターの渋滞問題にどう対応するのか、めちゃくちゃプレスティの手腕が試されそうです。
あと来季ミチッチが合流し、デックとクレイチが本格的に始動したらG-Fが結構整った戦力になると思うのですがホーフォードの処遇はどうなるんでしょうか。有力なセンターさえいればというロスターになりそうですしそもそもホーフォードがオフに強豪に行きつつサンダーが損しないトレードを起こせるのかという問題や、サラリー低すぎ問題なんかにも直面しているので残留してセンターをやってくれた方が双方に好都合な気はします。でも意思は堅いのかな…
大量にある指名権で有力なセンターを引っ張ってくるかドラフトで有力なセンターを指名するかしないと来季のサンダーはタンクもできなければプレイオフにも進めないチームが出来上がってしまいそうです。どう動くプレスティ。