:ReBuild→OKC

NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

スマートなドート

f:id:okcthunder013:20200324105428j:image

まさかのシーズンサスペンドということで暇を持て余したのでスーパープロスペクトのドートについてひとつ書いてみようと発起しました。多少暇ができるのはいいことなのですが肝心の試合が無いと腑抜けてしまいますよね…

 

*The Underrated

皆さん既にご存知であろうプロスペクトルーキーのドート。前にも紹介しようとしたのですがなんか流れてしまっていたので今更ながら軽くご紹介します。

f:id:okcthunder013:20200324110319j:image

Luguentz Dort

  • G,6-4(193cm),220lb(100kg)
  • 34Games
  • 16.1pts,4.3reb,2.3ast,1.5stl,FG40.5%,3P30.7%,FT70.0%

まぁざっくり言うならアスレチック系スコアリングガードですかね。そんなんばっかだなと思いがちですが、フリースローを貰うのとディフェンスが得意な重量級ガードという意外と強烈な個性は持っていますし、フレッシュマンでしたのでまだ20歳とかなり若いです。活力を与えてくれる存在になれればバートンに続いて本契約があるかもしれません。とりあえずサンダーの2way枠の本命はドートなのかなという感じです。もうひと枠はどうなるか分かりませんが、グランサムあたりが貰うのかなぁと思ったり。

というのがサマーリーグの時の没記事からサルベージできたのでここで供養も兼ねて引用させていただきました。サマーリーグの記事を書いていたらジョージがトレードされてトンデモ展開になったので没になったんですよね。少し懐かしいかな。まだグランサムとか言ってますしね。ちなみに数字はArizona Stateの時のものです。NBAでの数字は後から紹介しますが多少スケールダウンしたくらいであんまり変わらないかもしれませんね。

で、本題というかサブタイトルの話ですが、彼は過小評価されてきた選手の典型なんですよね。だってそもそもが大抵のモックドラフトで35〜55位くらいには入っていた選手ですしドラフト外だったのがむしろ謎なくらいです。結果的にドラフト外2way選手としてNBA入りを果たした訳でしたが結果としてはドート的にもサンダー的にも大成功なのでむしろ良かったのかもしれません。まず間違いなくサンダーなどの特殊なニーズのチームでなければこのPTもスターターでの起用もあり得なかったわけですから。

それはさておき、ドートの過小評価について、数々のアウォードをさらっていったにも関わらずドラフト漏れということも挙げられます。

  • Second-team All-Pac-12 (2019)
  • Pac-12 Freshman of the Year (2019)
  • Pac-12 All-Freshman Team (2019)
  • Pac-12 All-Defensive Team (2019)
  • Nike Hoop Summit (2017)
  • 2× BioSteel All-Canadian Game MVP (2017, 2018)

大学カンファレンスの賞と高校時代の受賞を合わせこれだけの経歴を持ち、高校時にはESPNリクルートで5つ星の評価を受けたこともある選手であり、なおかつまだ弱冠20歳ということから考えれば2巡目指名を受けてようやく妥当なくらいであると言えますね。

もちろんそのレベルにも関わらず指名漏れに至ったのもまた事実であり、コンバインの結果や、サイズ不足、シュート力の不足が懸念されたという推測も立ちます。

と以上のことから結果を出した今だから言える近年稀に見る過小評価を受けていた選手であると言えるのです。要は後出しじゃんけんの要領なのですが結果から逆算すればドートの活躍は別に不思議がるほどのことでもないよねっていう解剖なのでした。

 

*マーカス・ドート?ルーゲンツ・スマート⁇

さて本題。ドートの比較対象として度々あげられるのがマーカス・スマートその人。先日クラッチでシェイに値千金のスティールをお見舞いし、サンダーを地獄に叩き落とした選手であることは記憶に新しいかと。まぁそんな彼ですがどのくらい似ているのかといった比較をしてみたいと思います。じゃん。

【身体測定】

ドート

190.5cm(194cm)/100.5kg/ws204.5cm

スマート

189cm(191cm)/103kg/ws206cm

【能力測定】

ドート

  • レーンアジリティ 10.79秒
  • シャトルラン 3.13秒
  • 3/4スプリント 3.22秒
  • 直上ジャンプ 82.5cm
  • 助走ジャンプ 96.5cm
  • ベンチプレス 14回

スマート

  • レーンアジリティ 10.82秒
  • シャトルラン 2.96秒
  • 3/4スプリント 3.26秒
  • 直上ジャンプ 84cm
  • 助走ジャンプ 91cm
  • ベンチプレス 測定無

【大学スタッツ】

ドート

  • 31.5min
  • 16.1pts
  • 4.3reb
  • 2.3ast
  • 1.5stl
  • 0.2blk
  • 2.9tov
  • 3.0pf
  • FG40.5%
  • 3P30.7%
  • FT70.0%

スマート※2年時

  • 32.7min
  • 18.0pts
  • 5.9reb
  • 4.8ast
  • 2.9stl
  • 0.6blk
  • 2.6tov
  • 2.9pf
  • FG42.2%
  • 3P29.9%
  • FT72.8%

ドラフトコンバインの数字と大学最終年のスタッツを並べるとこんな感じに。ちなみにスマートは2年間大学に在籍したので2年時のものを。後細かく挙げるなら3Pアテンプトはドートが5.2本、スマートが5.3本でした。

見れば分かると思いますがNBAデビューまでの数字はかなり酷似しています。強いて挙げるならアシストとスティールの能力が秀でているのがスマートといった感じ。カンファレンスは異なるもののこれでドラフト6位と圏外の差かと言われると…?まぁ才能を買う場所ですので才覚の差というものや数字に現れないところも含めてのお話ではあるのでしょうね。

そのドート本人もスマートについて意識しているようで、手本はスマートとドノバン・ミッチェルだとインタビューにて答えていたこともありました。

そんなこんなでNBA入りするまでスマートに肉薄する仕事をしていたドートですが、突然やってきたチャンスを掴むまではGリーグで大半を過ごしました。

時折爆発的な才能を見せつけたりしたものの平均で見ると13試合で19.5pts,4.8reb,2.6ast,FG43.8%,3PT33.3%とG league内でも中の上〜上の下くらいの活躍でした。デビュー戦ではクラッチでボールにダイブしてルーズボールを確保して勝利に貢献したものの7分間の出場で無得点1リバウンド1スティールに終わりましたがこれが高評価だったのが次のPOR戦から20分前後のPTを貰い、デイミアン・リラードやミッチェルの相手エースにマッチアップしそれぞれ8/24、10/25のFGに抑えるなどして活躍しましたが次のSAC戦、DEN戦ではあまり活躍できずに、ディアロ、ファーガソンら復帰やネイダーとの競争もあり安定したPTを得られませんでした。チャンスが再び回ってきたのは年が明けてからの1/18、ファーガソン離脱によるものでしたがドートにとっては大きなチャンスとなり、次戦の1/20、HOU戦以降ではスターターとして定着し、21試合連続先発を果たしました。この間サンダーは16-5の好成績を残し、ドートも平均23.9分のPTで7.1pts,2.1reb,0.8ast,0.9stl,FG43.0%,3P35.7%,FT87.0%の好成績を収めています。最初こそ馴染めずにいた彼ですが、見事にアジャストしていることが見て取れます。

更にスマートのルーキーシーズンと比較してみます。

平均27.0分のPTで、7.8pts,3.3reb,3.1ast,1.5stl,FG36.7%,3P33.5%,FT64.6%

で、アドバンスドスタッツでもそれぞれTS%が54.3%と49.1%、USG%が12.8%と15.1%、DBPMが+0.4と+1.5、オフェンスリバウンドが0.7と0.8である点などが比較として挙げられます。

結論から言うと数字上はかなりスマートに近いと言えます。先程にも挙げましたがアシストとスティール、DBPMが高いのがスマートで、効率化されているのがドートということになります。この効率化の部分について周囲の環境の差や、先達としてスマートがいることなどがドートの成長の一助になっているのではないかと思われます。いずれにせよ、ドートは身体的、スタッツ的にもスマートに非常によく似ており、スマート同様のスキルアセットを身につけていけばNBAのスターダムを登れることになります。もっと言うならばスマートの成長よりも早く3Pを磨けばより早く現在のスマートに到達することができるかもしれないということです。(その分アシスト能力とスティール能力を余分に磨く必要はあるけれどね)

といったところがサンダーの誇るネクスト・スマートことルーゲンツ・ドートなのでした。大先輩スマートの軌跡を辿っていけるのか見守っていきたい所存です。

 

追伸

ここまで推しておいてなんですが、私は実はドートはスターターからベンチに送るべき党の一派です。理由はシェイとの噛み合わせが悪いから。この辺についてはまた別途書くかもしれませんのであまり期待せずに待っていてください。

 

おまけ

ちょうど数日前にアップされたドートについて書かれていた米国版NBA.comの記事を和訳してみました。

「彼が彼であるアイデンティティの一は、彼が見せてきたディフェンス力だと思う。 彼のスキルセットは、彼のサイズの他の選手と同じようにNBAに移行するとは思えません。」

- 彼はマーカス・スマートタイプの型にはまっています。

「マーカス・スマートは、NBAでの道を見つけてきたんだ - 彼のキャリアはディフェンスから始まったが、今は進化している。 "だから、もし(ドートが)2、3シーズンこの役割を持ち続けて、その後何年にもわたって彼のスキルセットを積み上げて、より安定した3ポイントシュートができるようになれば、彼は非常に長い間リーグでの地位を得られると思うよ。」

NBAシーズンの予期せぬ中断は、彼の2-way契約をフルタイムのNBA契約に変換するドートのチャンスに一時停止を入れました。 彼は紛れもなく、サンダーのテーブルに彼がもたらすことができるもののための余地があることを証明しています。 もう一人のカナダ人NBA選手にとって、NBAとのフルタイム契約もそう遠くない将来になるだろう。