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NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

2021年のドラフトを考えよう

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突然ですが今回はNBAドラフトについて考えていこうと思います。というのも今季のサンダーは再建シーズンらしく西14位と下位に甘んじており、ロッタリーピックが手に入るのはほぼ確実な状況であるために去年より真剣にドラフトについて考えていきたいと考えたことに端を発した企画です。

しかも都合の良いことに奇しくもここまで絶不調のヒート、ハーデンを放出し再建に向かうロケッツの指名権ないしスワップ権も併せ持っており、どちらか、もしくは両方がロッタリーピックになる可能性は高そうですのでなにかとロッタリーピックに縁がありそうなシーズンなのでした。

 

*ティア1とロッタリーピック

兼ねてから噂されていた通り、2021年は大豊作の年となりそうです。ケイド・カニングハム、エバン・モーブリー、ジェイレン・グリーン、ジェイレン・サッグス、ジョナサン・クミンガのフレッシュマンTOP5は早くから成功と注目を手にしており、これはおそらくドラフトデイまで動くことのない鉄板のTier1となるでしょう。彼らのうちの1人でもチームに迎え入れることができれば即座にチームの色が変わるレベルの逸材です。でもまぁ今回注目したいのはそこではないんですよね。だってこの5人のスカウティングなんてドラフト好きならば誰でもやっているでしょうし5位までの指名権を手に入れたならば悩む必要は特にないということにもなりますしね。

そこで、ロッタリーピックを2つ入手出来そうなサンダー視点で、6〜14位までが手に入った場合に誰をチームに迎え入れるのが良いのかを考えていきたいと思います。実際サンダーもロケッツもヒートもその辺りの位置にいますしね。あくまでサンダー主観で進めていきますが実質私作成のBig Boardなので他チームファンの方にも参考になれば良いかなぁ。

 

☆6th Pick

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Moses Moody

  • age:19.0
  • school:Arkansas
  • height:6-6,198cm
  • weight:205lbs,93kg
  • posion:SG/SF

アーカンソー大というお世辞にも強豪とは言い難いチームを強豪に仕立て上げた1年生エースです。プレイスタイルとしてはジャンパー主体のシュータータイプとなりますが、3P、ミドル、ショートレンジを全てをこなす3レベルスコアラーとなります。また、球離れもよく、21試合中12試合でFTを5本以上獲得していることから分かる通り、フリースローを引き出すのにも長けた選手でDFも悪くないです。公称198cm/93kgとなっていますが見た目の印象は公称より一回り大きいように見えるのでNBAではSFとして活躍することも見えてきます。現役選手で例えるならばデビン・ブッカーやCJ・マッカラムなんかの系統になるのかな。ちなみに36分平均のスタッツはこんな感じです。

FG45.3%,3P37.8%,FT82.2%,18.2pts,6.3reb,1.7ast,0.6blk,1.2stl,1.8tov

リバウンドが多め、TOVが控えめでシュート効率が良いという特徴は、彼が理想的なウィングに成長する可能性は高いことを示唆しており、またシュートもステップバックやディープスリーを厭わないスキルとクイックなリリースを併せ持っており、抜群にスムース並みのこなしはNBAでの活躍を確信させてくれます。豊作ドラフトのTier2の中でも上位の才能を持つことは疑いの余地がないでしょう。

 

☆7th Pick

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Jalen Johnson

  • age:19.5
  • school:Duke
  • height:6-9,206cm
  • weight:220lbs,100kg
  • posion:PF/SF

3人目のジェイレン

NBA候補生のメッカ、デューク大のフレッシュマンフォワードです。恵まれた体躯と有り余るセンスを武器にリバウンド、アシスト、ブロック、スティールとスーパーオールラウンドに活躍しました。彼の36分平均のスタッツはこんな感じ。

FG52.3%,3P44.4%,FT63.2%,18.9pts,10.2reb,3.8ast,2.1blk,1.9stl,4.3tov

数字を見ただけで驚異的なオールラウンダーであることが窺え、高い運動能力、パワー、センスを持ち合わせる理想的なPFです。現役選手で例えるならジュリアス・ランドルやパスカル・シアカム辺りが少し似ているかもしれません。

ただ明確な弱点もあり、見ての通りTOVが非常に多く、TOVにならない細かいミスも結構観られる選手であり、スキルと判断力のブラッシュアップが強く求められます。また、44%と3Pも得意そうに見えますが、8/18と総数が少なく、FTもそこまでであるためどの程度シュート力があるのかは不透明です。更にはつい最近にマーチマッドネスを目前にしたカレッジの試合には戻らずにNBAドラフトに専念するという謎に満ち満ちた声明を公にしており、これがどの程度彼の評価に影響するかということを考えると少し難しいドラフト候補生かもしれません。

 

☆8th Pick

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Scottie Barnes

  • age:19.9
  • school:Florida State
  • height:6-9,206cm
  • weight:227lbs,103kg
  • posion:PG/PF

申し訳ないけど正直ルックスは好みじゃない…

ベン・シモンズの出身校、モントバーデ・アカデミーでオールラウンドぷりに磨きをかけ、フロリダステイト大ではPGにコンバートされたバーンズ。PGとしては異例のサイズを誇り、先輩のシモンズを彷彿とさせるプレイを見せます。FTを含むジャンパーが苦手なところもいっしょ。ただし先輩のような圧倒的なDF力があるわけではないですし、そもそもNBAチームが彼をPGとして見てくれるのかPFにリコンバートされるのかは不明。ユニークな素材ではありますが、先輩がオールスターながら結構な苦労をしているのでどう差別化のアプローチをかけていくのかは難しいところ。3Pが伸びれば使い勝手が良い大型PGとして名を馳せることになりそうです。36分平均のスタッツは以下の通り。

FG47.0%,3P26.7%,FT52.1%,15.0pts,5.5reb,6.3ast,0.4blk,2.1stl,2.5tov

 

☆9th Pick

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Corey Kispart

  • age:22.3
  • school:Gonzaga
  • height:6-7,201cm
  • weight:220lbs,100kg
  • posion:SF/SG

八村塁のチームメイトでしたのでご存知の方も多いかもしれませんね。彼は今APランキング全米トップをひた走るゴンザガ大のリーディングスコアラーであり、大学No.1シューターとして名声を恣にしています。シニア、つまり4年生のためポテンシャル重視のドラフトとは相性は良くないのですがそれを補って余りある圧倒的なシュート力は3P偏重のきらいがある現代NBAにおいて殊更に重宝される能力であり、彼は最も堅実なドラフト候補生と言えるでしょう。NBAをしばらく見ている方は50-40-90という数字をたまに目にすると思いますが(※野球のトリプルスリーみたいなものです)、彼はそれを凌ぐ55.8%-47.9%-89.1%という化け物じみたスタッツを残しており、しかもおあつらえ向きにローエゴときたもので、プレーオフチームの即戦力としても申し分ない選手でしょう。現時点でもジョー・ハリスに引けをとらない選手と私は見ています。シニアにロッタリーピックというのも難しい判断ですがハズレとなる確率がかなり低い彼を指名するのは妥当なのではないでしょうか。以下、36分平均のスタッツです。

FG55.8%,3P47.9%,FT89.1%,22.6pts,5.5reb,2.2ast,0.4blk,0.9stl,1.5tov

 

☆10th Pick

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James Bouknight

  • age:20.7
  • school:Connecticut
  • height:6-5,196cm
  • weight:190lbs,86kg
  • posion:SG

NCAAのMIPとの呼び声高いブークナイトですが、年明けに肘の故障を負っておりつい最近カムバックしたところとなります。しかし復帰戦で25分のプレイで7/13の18得点、4リバウンド、2アシスト、2スティールにモンスターダンクと大暴れし、怪我の影響を感じさせないプレイをしており、指名順への影響はないだろうと思わせる盤石なプレイを見せてくれました。

プレイは洗練されたスコアラーといった感じで、ジャンパーもレイアップも多少のコンタクトにも怯まず決めていく姿にはザック・ラヴィーンや、ジャマール・マレーのようなものを感じます。一方で、ハンドラーとして周りを活かせているかというとそうでもなく、パスIQは若干の懸念となっています。とはいえアシストに繋げずとも自分で得点できてしまう彼のスキルは20歳そこそこの年代では頭ひとつ抜けており、また、スイッチが入ると止まらない爆発力も魅力の選手で、昨年末には40得点という恐ろしい記録も残しています(NCAAはルール的に40点取るのは相当難しいのです)。彼の圧倒的なスコアリングスキルとスター性がNBAでどう花開くのかは見ものです。

以下36分平均スタッツ。

FG45.1%,3P32.4%,FT80.6%,22.2pts,5.8reb,1.8ast,0.4blk,1.6stl,3.1tov

 

☆11th Pick

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Ziaire Williams

  • age:19.7
  • school:Stanford
  • height:6-8,203cm
  • weight:185lbs,83kg
  • posion:SF

センスはあるけど…なタイプ。サンダーが好きそうな長身軽量ひょろ長タイプでもあります。うーむ。

シュートフォームなどの所作がとても綺麗でDFも数字以上のものを感じる選手ではあるのですがいかんせん残しているスタッツが酷いので扱いが難しい選手と言えます。ってなわけでここで例によって36分平均のスタッツを。

FG37.7%,3P31.1%,FT83.7%,14.4pts,6.7reb,3.1ast,0.7blk,1.2stl,4.1tov

FT%は高く、本来のシュート力が優れていることは見て取れますがシュートセレクションが悪かったりパスの判断が悪かったりとシュートミスとTOVが非常に多く、また華奢な体型であることからフィジカルに攻められない、守れないという二重苦で扱いは難しいのでした。ただその絹のようにスムースなスキルとセンスは高校時代からポール・ジョージに例えられており、何となく大成すればジョージかなぁとも思えるプレイヤーなのでした(失敗したらケビン・ノックス辺りかなぁ…)。ただかなりの時間がかかりそうですし、大成しない、所謂バストの可能性も非常に高く、ハイリスクハイリターンな物件が彼なのかなといった印象。ポクシェフスキーの育成にあたふたしているサンダーにはキツい物件かもしれません。いやもういっそ同時に育てたらいいのか…?

 

☆12th Pick

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Jared Butler

  • age:21.7
  • school:Baylor
  • height:6-3,191cm
  • weight:190lbs,86kg
  • posion:PG

カレッジNo.1PG争いが激しい今シーズンのNCAAですがそのうちの一角にして唯一のシニア、つまり3年生がこのバトラーです。年齢がフレッシュマンに比べると少し高いもののキスパート同様にその不利を感じさせないプレイの質で評価を上げているプレイヤーです。ちなみにバトラーの在籍するベイラー大はゴンザガ大に次ぐ全米2位につけており、彼が勝利に導くポイントガードであることを示しています。PGに求められるスキルを凡そ兼ね備えているバトラーはスティール、アシスト、シュートにおいて非凡な才能を遺憾無く発揮しており、3Pは脅威の44.6%を誇り、アシスト、スティールは36分平均でそれぞれ6.5アシスト、3.0スティールを残しています。アドバンスドスタッツと言われるスタッツ(あのDrtgだのBPMだのPERだのWin Shareだののやつです)も軒並みカレッジ最高峰の数字を残しており、懸念材料らしい懸念材料は強いて言うならクイックネスがそこまででもなく、アウトサイドシュートに頼りがちといった部分くらいという熟練のPGと評されます。個人的には2021ドラフトのタイリース・ハリバートン枠と考えており、バトラーも外れることのない安定の即戦力ピックでしょう。

以下36分平均スタッツ。

FG49.3%,3P44.6%,FT75.6%,21.0pts,4.1reb,6.5ast,0.6blk,3.0stl,3.4tov

 

☆13th Pick

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Filip Petrusev

  • age:21.2
  • school:Gonzaga→Mega Bemax(Serbia)
  • height:6-11,211cm
  • weight:235lbs,107kg
  • posion:C/PF

八村塁のチームメイトその2。ゴンザガ大でプレイしていたペトルセフは新型コロナの影響を危惧して故郷、セルビアに帰国してプロとしてプレイすることを選択しました。ちなみにポクシェフスキーと同郷。現段階のモックドラフトやビッグボードでは彼の名前をあまり見かけませんが恐らくドラフト当日には1巡目指名を受けるでしょう。私はかなり高くペトルセフを評価しています。そもそもがカレッジでの優秀さは昨年のゴンザガ大でのプレイで証明済であり、ユーロのプロの中で揉まれつつ月間MVPを受賞していたり、素晴らしいスタッツを残していることは評価されて然るべきと思います。以下36分平均のスタッツ。

FG58.4%,3P44.9%,FT78.4%,26.1pts,8.8reb,1.6ast,1.4blk,0.5stl,2.3tov

Cとしてリバウンドとブロックはもう少し欲しいところではありますがPFとしては立派な数字。得点関係は言うに及ばず、弱冠21歳でプロを相手に圧倒しています。特にゴンザガ時代には武器になっていなかったシュートを大幅に伸ばしてきており、ストレッチビッグとして開花したと見ていいでしょう。また、数字には表れませんが、イビツァ・ズバッツのような優れたポジション取りのセンスと高い運動能力も備えており、かなり隙のないビッグマンに仕上がっています。仮にゴンザガに彼が残留していたら無敗でNCAAを制していたかもしれません。まぁその場合にはシュートが伸びたかはわかりませんが。現役選手との比較は難しいのですがより軽く、より早くなったヨナス・バランチュナスだとかジョン・コリンズだとかが系類かなぁとは思います。とにかくモーブリー以外でビッグマンが欲しいとなったらペトルセフを獲得すべしと思いますね。

 

☆14th Pick

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BJ Boston

  • age:19.5
  • school:Kentucky
  • height:6-7,201cm
  • weight:185lbs,83kg
  • posion:SF/SG

正直14位はめちゃくちゃ悩みました

ロッタリーピック最後の選手はブランドン・ボストンjr。名前がブランドンであり、軽量ひょろ長な体躯とそれを活かした独特なリズムを持つプレイスタイルから昨季MIPのブランドン・イングラムとことあるごとに比較されるボストン。なんとなく顔もイングラムを少し爽やかにした感じにも見える。ちなみに高校時代は先ほど紹介したザイアー・ウィリアムスとシエラ・キャニオン高校にてチームメイトでした。もっと言うと例の2世選手のブロニー・ジェームズとザイール・ウェイドもか。

今年のドラフト上位と見込まれていた彼はNBA選手養成所ことケンタッキー大にてカレッジのレベルに順応できずに大苦戦。今年のエースの一角とみなされ、5位〜8位の高い評価を受けていた彼は一気に20位以下へと評価を落としました。ここでとりあえず36分平均スタッツをどうぞ。

FG37.1%,3P29.4%,FT79.2%,14.5pts,6.0reb,1.7ast,0.2blk,1.6stl,1.7tov

散々な数字ですがこれでも上がってきた方だと言うのだから序盤戦がいかに酷かったかが分かります。この手のタイプの選手にしてはTOVが少なく、ミスがシュートミスに集約されていることが救いかな。ただし先にも少し触れたようにここにきてようやっと順応を見せているボストン。1/20からの7試合では、

FG51.4%,3P46.4%,FT84.6%,15.6pts,5.5reb,2.0ast,1.2stl,0.3blk,0.8tov

(※36分換算)このように驚くようにスタッツを伸ばしてきており、当初期待されていたもの、本来のボストンの頭角が顕になってきているといった理由でボストンを最後のロッタリーピック選手に選びました。このままボストンが好調を維持できれば評価は本来の2021年トップクラスに舞い戻ることでしょう。でも前半戦が酷すぎたのでスタッツの見栄え自体ははあまり改善はしないのでしょうね。現役選手との比較としては一回り小さいイングラム若しくは軽いカリス・レバートとかになるんでしょうかね。

 

♦︎おわりに

長々と8000字近く綴ってきましたがそれでも6-14位までしか紹介できず、しかも軽い紹介しかできずと言うことを考えると慄きますね…本当は事細かに1-60位までやりたいところなのですが死んでしまうので勘弁願いたいところです。

あと例によってトレードアップのことはあんまり考えてません。まぁTier2の選手2人獲得するかTier1の選手を1人獲得するかは好みになりますしね。サンダー的にはカニングハムやモーブリーなどをどうしても獲得したいのかもしれませんけどそれだったら今日紹介した中から2人選んだ方がロスターに厚みが出て強くなったりとかもあり得ますしシェイにロスターを合わせることを考える必要もあり、それについて融通が効きやすいとも思いますが最終的にプレスティ次第か。

いずれにせよ今年のドラフトは色々な意味で荒れそうですし、サンダーは自前指名権とヒート指名権とロケッツの5-30位指名権のうち上位2つを獲得し、おまけに30位台の指名権が2つ手に入りそうということで相当ドラフトに注力できそうです。ヒルとかホーフォードとかムスカラとかアリーザとかを指名権に換えようとしているなどの噂もありますしね。

この企画はまたマーチマッドネスが終わったのち、ドラフトの前にもう一回色々考えて記事にしたいと思っています。順位が確定すれば想像もしやすいしね。それではまた次回はスタッツ分析の記事でお会いしましょう。