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NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

サンダーvsロケッツ 反省会SP

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謎の駆け足コラム

巷ではルカ・ドンチッチのミラクルショットだったり、シクサーズの行く末だったりの話題に沸いているプレイオフですがサンダー的にはやはりドートのDF力が世界に広く認知されたことが話題でしょうか。つい先日までドラフト外ルーキーの2wayプレイヤーであったドートがハーデンとマッチアップし、2試合合計でFG3/21の14.3%、3P2/16の12.5%に抑えたことは世間を驚かせました。確かにドートは凄いですが、チームとしてはどうなの?っていうと実はあまりよろしくなく、その反省を少しつついていこうというのが本日の命題となります。

 

 

*反省会

先程も触れましたが、ドート凄く良いのですが、ハーデンの得点が止まっているわけではなく、それだけドートが頑張ったのにも関わらず第3戦では38得点7アシストを許しました。確かに私が以前申し上げたようにハーデンに30失点〜を許すのはある意味計算済みで、それでも勝てるゲームプランを遂行すべきであるとしましたし、事実それで勝利を挙げたのは事実なのですが、不安要素として、ドート以外がマッチアップした際にハーデンにFG59.1%という恐ろしい数字を許してしまっている点に不安を覚える必要があるでしょう。つまるところ、「ドートのみハーデンを抑えられるが、他のプレイヤーでは全く歯が立たない。」ということになります。つまりドート不在時やスイッチを強いられた際にどうしてもハーデンに自由にされてしまうという欠陥があるということであり、ハーデンがオンコート時にはドートを出していなければならないというラインナップの不自由に加えて、ドートが先にバテてしまったり、ファウルトラブルに陥った際に打つ手がないということになります。これは非常に危険な状態で、ハーデンというドローファウルの達人相手にいつまでファウルを犯さないDFが出来るかも分からない上にスイッチされたらほとんどなすすべてがなかったり、ドノバンお得意の3ガードラインナップを使えなかったりする点で大きな穴となります。但し、注意してほしいのは決してハーデンに意識を向けすぎてはならないという点です。これをしたせいで第1戦大敗したことを思い出せば愚策であることは明々白々です。つまり、ハーデンを1人で守ることは絶対条件になってきます。勿論ヘルプは多くても1人。ということを考えるとやはりハーデンにドートをぶつけて1人に託すことは前提として、スクリーンに対してなるべくスイッチしないことが求められるわけです。

ロケッツのオフェンスの何が怖いかというとハーデンは当然ですが、そこを注視すると簡単にオープン3Pを作られてしまうことにあり、3Pは単純に通常の1.5倍の効率を誇ることから、50%で2Pを沈められるよりも35%で3Pを沈められる方が効率が良いのです。それは子供でも思いつくような単純な論理ですが、単純であるが故に強力で、ここまでロケッツに52.7本の3Pを放たれて18.0本の成功。つまり34.4%の確率を許しており、単純に計算し直すとFG51.6%もの効率での得点を許していることになり、特にFG全体の6割以上を3Pで占めているロケッツということを考えると印象以上の破壊力があることになります。また、ロケッツで最も3Pを放つハーデンをドートが抑えていることを考え、ハーデン以外のメンバーに決められた3Pのデータを見ていくと、43/121の36%で沈められており、3Pに関してはハーデンよりもその他のメンバーに手を焼いていることが分かります。ちなみにコーナー3Pは21/45と47%もの確率で決められてしまっており、元々NBAでコーナー3Pが効率の良いシュートであるという認識を持ってしても高すぎるFG%を与えてしまっているのが現状です。また、反対にトップなどのその他のゾーンからは29.2%と意外と抑えられているという事実は光明かな。要約すると、サボーティングキャストにコーナー3Pを決められすぎ!ということになりそうです。

あとDFで問題視されるのがTOVを与えられていないこと。第3戦ではTOVを16もの数を引き出し、勝利を収めましたが、平均して5〜6つのTOVを犯すハーデンが1つ、また、それ以前の2試合はそれぞれロケッツが7つ、サンダーが12つの初戦とロケッツが7つ、サンダーが13つの第二戦と大きく上回られており、ハーデンから引き出せたのは3つと0つのごく僅かな数にとどまりました。TOVはそれを与えた時点でこちらのポゼッションとなるかなり大きなファクターであり、場合によっては速攻でイージーシュートにも持っていけるものであるため、相手に多く、自軍に少なくの理想を忠実に守ることが求められます。しかも1ポゼッションの重みが増すプレイオフともなれば尚更で、いかにTOVを多く引き出すDFが出来るかが今後一つのキーになってくることは間違い無いでしょう。

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次にオフェンスの話ですがちょっと無策すぎます。第3戦ではたまたま3ガードがそれぞれ調子が良かったから良いものの、抜本的に改善が求められます。が、1戦2戦から3戦のうち変わったところは見当たらず、落胆の色が隠せないのが本音になります。相変わらずのドノバンクオリティです。特に問題となるのがボールを止めすぎていることで、シーズン中平均で286.8回のパスを回していたサンダーはプレイオフでは僅かに276回、更に言えば負けた2試合では実に269.5回まで落ち込んでいることが分かります。パスの回数が減ればそれだけ個人の裁量任せになるのが常であり、オールスイッチDFで対応してくるロケッツの強固なDFをドリブルで突破するのは難しく、またアダムスがストレッチできていない以上、ペイント内でのDFがより強固になっていることも否めません。ということでムスカラ使って緩急をつけようよと割と本気で考えていますがドノバンがどうするのか。

とりあえずアダムスがいる場合には基本的にパスで崩すオフェンスが求められることになりそうです。ピックもオフェンスリバウンドもポストアップも警戒されて止められてしまっていますしロケッツ相手にアダムスを綺麗に使うのは少し荷が重いかもしれませんね。単純にガロがCのスモールラインナップが機能していたこともあり、少しラインナップについては検討の余地があると思います。あまり良い判断ができた試しがないドノバンのラインナップ編成ですが、元来奇策を用いて勝ってきたHCであるだけにどうなるのか…このまま変更なしだったら2連敗してシーズン終了の可能性は非常に高いだけに注目が集まります。

あ、良い判断ができていないと非難しましたが通用しないと見てすぐにディアロを干したことだけは好判断かな。

いかんせんモチベータータイプかつディフェンシブなコーチだけにマイク・ダントーニ氏との差が目立ってしまっているかなといったここまでのHC同士の戦いだったのでした。

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・総評

あとはまぁポストの活用法やFT入らなすぎ問題など色々ありますがどうにかこうにかロケッツに対するアジャストは出来つつあるので上手く隙をついて白星を取りたいところですね。

本当の戦いはウェストブルックが復帰してからという面もあることから、どうにかウェストブルックを引っ張り出すことが当面の目標になりそうです。それにはやはりタイゲームに持ち込むことが求められるでしょうし明日のゲームもマストウィンの状況が続きますね。さて、どのようなGame4が展開されるのでしょうか。ティップオフは明日5:10〜となります!

 

8/19 サンダー@ロケッツ Playoffs 1st Round Game1

 

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大敗のショックから普段以上にお見苦しい文になっております。ご容赦ください。

さて、昨日色々プレビューしたわけですが結果から言いますとあまり当たっていなかったかなという印象。いやむしろ当たっててダメだったのかもしれません。とかくサンダーは試合を通してインサイドを使うこととハーデンを止めることを狙いに行っていることは分かりましたがなんともフワフワしており、この日欠場のドートに代わりスターターを務めたファーガソン、シュルーダー、ロバーソンを当てていきますが基本的にハーデンがボールをキープしている間にボールサイドに寄りすぎる形になるのですが、また寄る割にヘルプに行かなかったり3人寄ってしまったりと少し混乱していたようで、ワンパスでキックアウトでコーナーに捌かれて、ワイドオープンで撃たれまくるという事態を引き起こしていました。また、ヘルプポジションにつくのが鈍足のガリナリだったりアダムスだったりそもそもカバーする気があまりないポールだったりしたので相当ロケッツは楽に3Pを撃てた形になりました。結果20/52で3Pを許す形になりました(ワイドオープンも調べようと思ったのですがまだスタッツが載っていなかったので保留)。

これは昨日のクリッパーズマーベリックス戦においてクリッパーズがルカ・ドンチッチに対して行っていた対ドンチッチシフトに似ており、外に捌かれて3Pを決められすぎてしまったことも類似します。ただサンダーはハーデンからTOVを引き出せていないのでそういった意味では完全に作戦失敗ですが。

対ハーデン意識過剰状態に陥っていたサンダー。タスクフォーカスをしすぎでむしろタスクフォーカスができてないという本末転倒の形は試合を通して続きました。だったらシュルーダーやファーガソンとかにフェイスガードさせて4人それぞれスイッチマンツーマンさせたり、なんだったらWチームに行った方が余程潔かったかと思いました。ボックスワンに近い形でハーデンと周囲を止めに行った結果、どっちつかずで二兎追うものは一兎も得ずを地で行っていたサンダー。結果的にチームで50-40-90に近い形に持っていかれて勝負アリとDFが振るわなかった試合となりました。とにかくワイドオープンで撃たせすぎ、これに尽きるGame1でしたね。

 

 

・策士策に溺れ、船頭多くして船山に登る

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まぁ先に書いたことも実際は策士策に溺れたお話なのですが、やはりドノバンの采配も含め、彼だけでなくポールもシュルーダーもシェイもガロもアダムスも策に溺れていた印象を受けましたし、さらに船頭多くして船山に登っていたように見えました。特にシュルーダーの空回りは酷いもので、ボールホグが多い割に攻めきれないのでオフェンスのリズムがどん詰まりに。ただ彼はハーデンとのマッチアップをそつなくこなしていたので総合的に見ると責められないかな。ただチーム最低の-19を記録していることから分かる通り、彼が今日の試合を崩してしまったことに疑いの余地がなく、再起してくれないことにはシリーズが早々に終わってしまうことも考えられます。バブル入り後に早々に離脱していたことや、再開後の乱調は確かに不安要素でしたがそれにしても浮きすぎで、彼が持ちすぎるために影の薄くなっていたシェイを含めてベンチに座らせておいても良かったくらいの出来なのが本当につらい。

また、チームの方針だとは思いますがガロとアダムスのインサイド陣が高さで積極的に仕掛けて得点を量産していたのは数少ない良い点で、2人で46得点を稼ぎ出し、またファウルも多く稼ぎだしてオフェンスを牽引しました。が、なまじロケッツのラインナップが小さく、ここで勝負したくなってしまうのが人の性なのですが、流石にそれは簡単に読まれてしまうので、ポストアップの回数を考えればめちゃくちゃ有効だったとも言えず、むしろガロの好調に助けられた形。またポストアップでペースを落とす作戦をドノバンが実行していましたが結果的に24秒ギリギリに自分のリズムではないタイミングのシュートを撃たざるを得なくなっており、自滅といった形でロケッツにペースを握られてしまったことから、やはりこれも策に溺れたと言えるでしょう。それ以降は少しだけですがテンポを上げ、オフェンスが機能するようになったことを見れば尚更です。

 

 

・守れるロケッツ、守れないサンダー

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序文に書いたことの繰り返しになってしまいますが、これに尽きる試合でした。前半なんかはOFのリズムが掴めずにFGのミスからロケッツの良い形のOFが始まり、悪循環になっていたということもありますが、後半などにOFのリズムが生まれ、ロケッツを射程圏内に捉えた時にも、トランジションの虚を突かれ、タッチダウンパスでダニエル・ハウスにオープンでダンクを献上するなど集中を欠いたDFをしていたサンダー。その裏には対ハーデン意識過剰DFもありますがシェイとポール師弟がまるで走れていないことも大きく、トランジションで全く止められなかったことや、単純にシェイのDFが、フィジカルにリムを攻めてくるエリック・ゴードンのドライブに無力だったり、元から狙われがちのガリナリがグリーンを全く止められなかったこともサンダーに大きく影を落としました。こういう時に使いたいのがドートやロバーソンなのですがドートは不在、ロバーソンは前戦で28分も起用しながら今日は僅か3分程度の起用と一貫性がなく、リズムを取り戻せといってもこの起用では難しい状態にありました。あ、当然ながらディアロは全く守れませんよ。というかディアロに関してはプレイオフ、特にハッスルプレイを武器とするロケッツ戦でも起用しているのがかなり謎で、彼の良さであるSLと跳躍力を武器にしたPFじみたプレイは全て掻き消されており、通用する武器が誇張なしで0という状態。余程ネイダーやロバーソンの方が通用するでしょう。育成目当てにしてもちょっとよくわからない起用で、RSのローテをそのまま惰性で続けているとしか思えないのでした。

 

 

・総評

不満は尽きない内容でしたが、それを愚痴っていても仕方がないので悪いところをどう改善してシリーズの勝利につなげるか、次戦の巻き返しに期待したいところです。ディアロ、ロバーソンの起用法、DF意識の低さ、ハーデンを完璧に抑えつつ周りも抑えようと欲張らないこと、シュルーダーが持ちすぎないこと、矢継ぎ早にボールを動かすことと適当にざっと挙げただけでこれほど課題がありますが、今季のサンダーは修正と粘りで成功を収めてきたのでしっかりと自分たちのストロングスタイルを貫いてくれると信じています。

P.S

ハーデンの得点に関しては35失点くらいは覚悟の上であまり気にしない方がいいと思います。ステップバック3Pは止める方法がないので…2ndオプションのウェストブルックも不在ですし(次戦どうなるかは分かりませんが)、50失点とかさえしなければ十分に勝てる数字ですしね。

あとベイズリーの3Pはただのマグレではないことが証明されつつあり、シリーズの行方を左右するXファクターになってくるかもしれませんね。あとはドートの早期復帰を祈るのみです。

 

サンダーvsロケッツ シリーズプレビュー

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さて、サンダーのレギュラーシーズン日程が全て終了ということでついにやってきました。そう、ポストシーズンです。ポールが最近口すっぱく話しているようにサンダーのプレシーズンでのPO進出確率は僅か0.2%とされており、過小評価されていたサンダーでしたが見事にそれを跳ね除けて激戦のウェスタンカンファレンスで5位をマーク。勝率も61%と50勝相当とむしろ昨年より実績を伸ばしています。そんなサンダーのシーズンだったのですがそもそもは昨年のオフにジョージとウェストブルックを放出したことから始まっておりその片方であるウェストブルックのトレード先、ロケッツとのプレイオフシリーズを争うことになったことは運命的と言えるでしょう。また、ポールもロケッツに親しい友人がいたり、ハーデンとの不和などの遺恨もあったりとストーリー性が色濃く、プレイオフ1stラウンドにおいて最も注目を集めるカードの一つであることは周知のこと。

そんなサンダーとロケッツのシリーズですが、世間でも評価が割れており、一進一退であるとの意見が強いため、やはりサンダーにも勝機があるシリーズと思われます。実際にシーズン成績は2-1とリードしておりますがいずれもトレード前とロケッツのスーパースモールボールと相見えたことはなく、不安要素が多いのもまた事実。そんなロケッツ戦をデータと睨めっこしながら軽くプレビューしていこうと思い、記事にした次第です。それでは本題へ。

あ、ちなみにウェストブルックの欠場やドートの欠場に関してはあまり考えずにいきます。どちらも1試合程度らしいので。

 

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イノベーションvsオールドスクール

このシリーズを分けるのはやはり両チームのスタイルの差だと考えます。センターレスという革新的な戦術を擁するロケッツとオーソドックスバスケットを展開するサンダー。1番の違いはやはりセンターの差で、ロケッツのセンターは6-7のロバート・コビントン。実質コンボフォワードの彼とかなりのアンダーサイズでありながらハッスルプレイと正確なコーナースリーでリーグ屈指のストレッチ4となったPJ・タッカーが互いにカバーしながらインサイドを守ります。ベンチから出てくるのは元OKCのグリーン。それぞれがインサイドで体を張っていますが最高がグリーンの6-8、スターターならコビントンの6-7とやはりアダムスに対抗できるのかといった部分が大きなファクターとなります。逆もまた然りで、コンボフォワードとのマッチアップになるアダムスはどうディフェンスすれば良いのかといった部分も命題で、5outの布陣に対して2-1-2ゾーン的に守るのが予想されますがオープン3Pが防ぎにくいという欠点もあり逆にアダムスが足を引っ張る形にもなりかねなく難しい判断が強いられることになるでしょう。ここでデータを見ていきますと、トレード後にロケッツと対戦した各チームのスターティングセンター全19人のうち16人が二桁得点、またそのうち11人が50%以上のFG%を記録しているなど、インサイドを守るのはやはり厳しい印象を受けます。また、トレード後のチームリバウンドは100ポゼッションあたり僅か37.8と30チーム中最下位となっており、やはりインサイドはロケッツにとって不安要素と言えるでしょう。あとはサンダーというかアダムスとノエルがどうロケッツにアジャストしていくかが問題となります。アダムスはポストアップのPPP(ポゼッション当たりのポストアップ効率)が今季0.89と微妙な数字で、ノエルはそもそも記録なしとセンター陣のポストアップは相当怪しく、上述したロケッツが止められなかったセンターたち(ジョエル・エンビードやアンソニーデイビス、モントレズ・ハレルなど)と比較するとポストアップポゼッションも効率も少々物足りなく感じます。まぁクリスタプス・ポルジンギスやディアンドレ・エイトンなんかはアダムスと比較しても一層低いPPPなのでロケッツ相手ならばかなり効率的に仕事ができる可能性はありますが。

また、PPPの話をする上で避けて通れないのがガリナリの存在で、ガリナリはリーグトップクラスのPPP1.04を記録しており、ポストアップ毎に1得点を期待できるという超効率ポストプレイヤーといった特性上、マッチアップ相手次第ではかなり有効なオプションになる可能性があります。どうにしろサンダーとロケッツのシステムの差異を考えるとペースを落とさなければならないのでポストゲームが有効に働くかが大きな鍵を握ると考えて良いでしょう。インサイド陣には一層働いてもらう必要がありそうです。

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借り物の画像ではありますが、上述したペースを落とす必要という根拠はこれです。サンダーとロケッツではペースがおよそ4.5も異なり、サンダー優位の展開にするには24秒じっくり使うハーフコートバスケットが有効となると言えます。DFではファストブレイクを出されないようにすることと、ハーデンに時間を使わせることでペースを落とし、サンダー寄りにしていくことが求められます。

また、トレード後、12-10を記録しているロケッツですが、それまでと比較して5本多くの3Pアテンプトをしており、勝利時には37.6%、敗北時には29.3%とより一層3Pの調子に左右されるチームになっていると考えられます。

次いでサンダーの3Pに対するDFを見ていくと、被3P%は34.0%とリーグ2位タイ、vsロケッツのシーズン中の3試合平均ではなんと23.3%とリーグで最もロケッツの3Pを抑えていたチームとなりました。重ね重ねになりますがあくまでトレード前となりますが。

また、これらのことは最大の争点となるであろうvsハーデンについて深く関わってくることになりそうです。というのもハーデンは今季平均12.4本もの3Pアテンプトがあり、彼の調子次第で上で示した被3P%がひっくり返ってしまう可能性を孕んでいるからです。

・ハーデンvsサンダー

  • 3試合
  • 平均34.1分出場
  • 28.7得点
  • FG32.8%  (7.3/22.3)
  • 3P15.0%  (2.0/13.3)
  • FT90.0%  (12.0/13.3)
  • 5.0リバウンド
  • 5.3アシスト
  • 3.0TOV

今季のvsハーデンの記録です。FG、3P共に散々ですがFTはやはりと言うべきかかなり稼がれており、TOVも意外と誘発できていないことが分かります。しかし今季平均34.3得点を挙げているハーデンを28.7得点に抑えているのは立派でしょう。シュートに関してはサンプルが3試合しかないため不調なだけである可能性もありますが、優秀なペリメーターディフェンダーがいるとも考えられるのでそこは後々証明されることでしょう。ちなみにウェストブルックは3Pこそ入らないものの29.0得点、FG59.1%と驚異的な効率で得点を挙げており、止められるかどうかはわりと時の運です。シェイはウェストブルックのフィジカルなアタックが苦手なようで15/27で55.6%でウェストブルックとのマッチアップで失点しており、ウェストブルックの対処も一応考えなければならないでしょう。とはいえリムアタックしか選択肢がないため優先して考えるべきはやはりハーデンかと。

そんなこんなで次にハーデンのマッチアップの結果を見ていきます。

・ハーデンvsドート

  • 1試合
  • 平均7分55秒マッチアップ
  • 平均32.6ポゼッション
  • 8失点
  • 2与TOV
  • FG15.4%  (2/13)
  • 3P9.1%  (1/11)
  • 与FT4

・ハーデンvsファーガソン

  • 2試合
  • 平均4分マッチアップ
  • 平均16.4ポゼッション
  • 8失点
  • 1与TOV
  • FG38.5%  (2.5/6.5)
  • 3P42.9%  (1.5/3.5)
  • 与FT2

・ハーデンvsシュルーダー

  • 3試合
  • 平均1.7分マッチアップ
  • 平均7ポゼッション
  • 3失点
  • 0.3与TOV
  • FG14.3%  (0.3/2.3)
  • 3P20.0%  (0.3/1.7)
  • 与FT2

・ハーデンvsロバーソン(17-18)

  • 1試合
  • 平均6.4分マッチアップ
  • 平均23.2ポゼッション
  • 5失点
  • 1与TOV
  • FG20.0%  (1.0/5.0)
  • 3P0.0%  (0.0/3.0)
  • 与FT3

先程も申し上げたようにサンプルが少ないのですがざっと並べても対ハーデンに強いガードが多いことが分かります。期待値的に言うとドート、(ロバーソン)、シュルーダー、ファーガソンの順かな。ドートが出場出来なさそうな明日の試合はファーガソンがマッチアップしそうな気がしますがロバーソンの方がいいような気もします。とりあえずめちゃくちゃなことをして貪欲に得点を狙ってくるハーデンは止めようがないときには本当に止めようがないのでそうなってしまったらお手上げですけど基本的にハーデンとマッチアップして止められる選手が4人もいるということで、彼らが入れ替わり立ち替わり40分くらいマッチアップしてくれればある程度の対策にはなりそうかなといったお話なのでした。

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・総評

長くなってしまったのでこの辺にしますが、スモール対スモールになった場合にセンターは誰がやるのか(ベイズリーをここ最近5番で起用してスモールを試していたのは布石だったのかな)とか、結論ウェストブルックはどう止めたら良いのかとか元HOUで戦略を知り尽くしているポールのアドバンテージはどのくらいあるのか、またプレイオフで自ら撃つシュートを増やして毎年PPGを上げているポールについてやベテランながらプレイオフ経験に乏しいガロの不安について、ネイダーとムスカラ使われるのかな問題など語りたいことは山ほどありますがそれはまたお預けということで。

ポールとガロを除けば殆どがU26、NBA経験3年以下が過半数というかなり若いロスターで不安も期待も大きく、また相手がロケッツということで色々な意味で楽しめそうなプレイオフですがそろそろ1stラウンドを超えるところも見たいなぁというか少しでも長くサンダーの試合を楽しみたいなという感じで若手の成長やポールとガロ等のベテランの燻銀の働きに期待しつつ、気楽に応援していきたいと思います。どんな結果になっても満足ですがやはりやるからには勝って欲しいということで申し訳ないですけどウェストブルックには涙を呑んでもらいたいところ。初戦は明日となっております。またウェストブルックとドートが欠場となっており、その埋め合わせを両チームがどうするのかも注目の一戦となりそうです。

8/13 サンダーvsヒート シーディングゲーム第7戦

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いやぁ今日の試合ではやってしまいましたね、いろんな意味で。

というのも今日の試合というかムスカラのクラッチ3Pによって今日の試合の勝敗だけでなくプレイオフの対戦カードやドラフト指名権の喪失まで決まるという壮絶なワンショットでした。しかも第4クォーター残り10:21の場面では22点差の大差をつけられている状態からの奇跡のカムバックでの勝利というこれまたドラマチックな展開に。

更には連日活躍を見せオクラホマ界隈を騒がせている時の人、ベイズリーがまさかまさかの3試合連続20得点達成となんだか濃い試合だったのでした。ロードマネジメントで休んでいたアダムスたちは全員帰ってきましたが、逆にドートはジェイ・クラウダーと激突して膝を負傷と少し心配ではあります。不幸中の幸いといいますか歩いて会場を去って行った際には足を引きずる動作もなかったのでそこまで大きな怪我ではないかなと思われます。また、プレイオフ開始が現地17日で、4.5位のサンダーはおそらく2日目以降に回されると考えられるので1週間弱の療養が可能です。ドート無しでプレイオフを戦うのは厳しいものがあるので無事に帰ってきてくれることを祈ります。

 

 

*揃い踏みサンダー

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久々に(シュルーダー以外)全員がロスターに名を連ねたサンダー。相手はハードワークとバランスアタックでイースタン上位にのし上がってきた難敵ヒート。軽く触れただけの紹介ですがサンダーと丸かぶりのスタイルなので予想違わぬ総力戦になりました。1Qはボールムーブが阻害されて思うように攻められずにアシストが0にとどまり、それでも個人技やFTでちまちまと繋ぎ29得点。ただしヒートはこの日好調だったリーグ屈指のシューター、ダンカン・ロビンソンにボールを集め、先述の事故によりドートが不在になりマッチアップがディアロやネイダーになった途端に外から好き放題にプレイして42得点を叩き出しました。当たり日のシューターって怖いぜ。ガロもそうだけどさ。

そんなこんなで2Qでしたが今度はこちらのボールが回りだし、プレイオフ前にどこか抑え気味のガロよりもハードワークするベイズリーがリバウンドからボールをプッシュして良いリズムをつくります。あとシェイが久しぶりの好調で相手がアンドレ・イグダラだろうと個人で突破していくのでヒートのディフェンスが収縮して、ネイダーやロバーソンが3Pを沈めて猛追します。1Qでは0だったアシストも7つ記録し、オフェンスが良い形で終えられるので必然的にハーフコートディフェンスで迎え撃てるようになりヒートもジリ貧に陥りました。ちなみに今度またデータを引っ張り出してこようとは思っていますがノエルやポールはハーフコートDFに強いのでそういったところでもストロングポイントを押せたかなといった印象。しかしそれでも1Qの大差をひっくり返すには及ばず62-66のビハインドで折り返しました。

後半に入ると明らかに両チームは調整の雰囲気で、ダラダラやっていたシェイがケンタッキー大の後輩、タイラー・ヒーローに刺されて失点を積み上げ、またロビーの代替でチャンスを手にしたホールがアピールをしますがすべて空回りといった悲惨な状態でリズムを崩します。多分ドノバンやフロントの期待はPGとしてのゲームメイクだったと思うのですが一時期のダニエル・ハミルトン(覚えてなかったら済みません)のようなプレイぶりでしたね。あ、バートンって言ったほうがよかったかな。ついでに言うとディアロも気づいたら11得点をあげて勝利に貢献していたのですが3Q〜4Q序盤は明らかに判断ミスが多く、集中を欠いていました。結果的に試合を通して16、うち後半10ものTOVを積み上げて22点ビハインド。今日もこんな感じで終わりかなと誰もが思ったその時、ヤツが覚醒します。そう、バブルでブレイク中のヤツがね。

ベイズリーは前半5得点、FG、3Pともに33%とお世辞にも好調とは言えないスタッツだったものの±はチームトップの+7を記録しており、やはり何かを持っていたベイズリー。ちなみに唯一の3Pは最近板についてきている例のステップバック3Pだったよ。

後半は例によってガロがお休みするので重用されるので何かしてくれるかなぁとは思っていましたが残り6分から出場して全てのシュートをミスし、第3Qを終えます。第4Qに入るとファーガソンが良くボールを回してくれるので積極的にアタックしたベイズリー。3P4本を含むFG6/6のパーフェクトでこのQだけで16得点を叩き出して勝利を手繰り寄せる獅子奮迅の活躍。ちなみにヒートはヒートでヒーローがキャリアハイ30得点とルーキー同士の熱い戦いとなりました。あ、ちなみに4本の3Pのうち1本はステップバックでした。来季あたりシグネチャームーブになってるんじゃなかろうか。

ヒートアップするルーキーたちを傍目に自分の仕事をしっかりこなしていたロバーソンとムスカラが3Pで追随して1ポゼッションゲームに持ち込み最後にとどめを刺したムスカラの3Pで勝負アリ。というかもうなんの違和感もなく3Pを決めているロバーソンが怖いよ…ちなみにバブルでは37.5%で3Pを沈めているロバーソン。一端の3&D並みに良い仕事をしています。シュートフォームも大きく改善し、まさかのセットシュートなのにクイックリリースというロンゾ・ボールめいたことをしていました。FTはアテンプトがないのでどうなっているのかは分からないけどDFが衰えた分をOFで埋めてくれています。怪我明けなのでそこまでしっかりDFをしていないこともありますが。ただDFで生きている選手ですのでもう少し取り戻してくれないと困るというのが本音ではあります。

 

 

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・総評

とにかくベイズリーのブレイクを見守る試合でした。ここのところずっとそうですけど。

ルーキーの3試合連続での20得点記録はサンダーだと2008年のウェストブルックまで遡ります。意外とハーデンもやってなかったんですね。そんな記録を残してしまったベイズリーでした。ちなみに今シーズンのルーキーですとザイオン・ウィリアムソン、ジャ・モラント、ケンドリック・ナン、コビー・ホワイト、マイケル・ポーターJrしか達成していない記録となります。錚々たる面々に名前を連ねたベイズリー。まだまだ荒い部分は沢山ありますが、彼らと同じだけのポテンシャルを持っていたことを証明し、23位という順位が誤りであったと知らしめて欲しいところです。あと彼が活躍すれば有望な高校生のNBA入りの選択の幅が大きく広がりますしね。

次戦、クリッパーズ戦のレポートも書くとは思いますが、遂に決まったプレイオフ対戦カードであるロケッツとの対戦について色々書いていますのでそちらの都合がつけば…ではまた次の記事でお会いしましょう!

ダリアス・ベイズリー in Bubble

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初手から謝罪です。一応リアルタイムでしっかり応援していましたが両方とも余りにも語ることのないゲームだったため割愛いたしました。申し訳ございません。代わりと言ってはなんですが、バブルにてブレイクを見せているベイズリーについての特集をば。

 

*23rd Prospect⁇

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以前にも何度かお話ししましたがベイズリーは特殊な境遇から成り上がった選手なのです。高校時に現在キングスに在籍していますマービン・バグリーⅢ(当時ブッチギリの高校No.1選手でした)を圧倒して評価を大きく上げ、最終的に5つ星の評価を受けていましたが、突如としてコミットしていたシラキュース大の推薦を蹴ってGリーグ入りを表明、そしてそれも取り消して最終的にはNew Balanceインターンを受け入れ、社員としての給料を貰いながらドラフトに備えるという特殊なルートを通りました。そのため、彼は1年間バスケットボールの試合から離れており、それが響いたこともあってドラフト前の評価は決して高いものではなく、23位にて指名を受けたときには世界中のサンダーファンから「Who??」との声が上がったことは鮮明に覚えています。一応ある程度はドラフト候補のチェックをしている私もほぼ情報がなく、何故?と思ってしまったのも覚えています。だって推しのケビン・ポーターJrとボル・ボルが残っていたのでね…でも流石は辣腕プレスティの慧眼と思い知らされました。確かにClass of 2018のうち、ESPNにて最終的に13番目にランクインしていた彼のポテンシャルは高いのではないかとの考えは各チームにもある程度あったとは思いますが実際に手を出す根拠としては薄弱で、しかもコンバインで圧倒的な数字を叩き出したブランドン・クラークをトレードダウンしての獲得だったことも考えると負けドラフトだったのではという考えがあってもおかしくはないものだったのでした。そう、バブルが開催される前までは。

それでは彼のバブルでのスタッツを見ていきましょう。

・スクリメージ

  • 平均24.5分出場
  • 14.0得点
  • 5.3リバウンド
  • 1.0アシスト
  • 1.0スティー
  • 1.0ブロック
  • FG48.3%-3PT42.9%-FT57.1%

・シーディングゲーム

  • 平均27.1分出場
  • 12.3得点
  • 5.5リバウンド
  • 1.2アシスト
  • 0.3スティー
  • 0.5ブロック
  • FG42.6%-3PT42.9%-FT90.9%

ついでに昨年、大車輪の活躍をしてくれたジェラミのスタッツとベイズリーのバブル前までのスタッツも見ていきます。

・18-19ジェラミ

  • 平均32.7分出場
  • 13.6得点
  • 5.2リバウンド
  • 1.0アシスト
  • 0.8スティー
  • 1.3ブロック
  • FG49.7%-3PT39.2%-FT71.0%

・バブル前ベイズリー

  • 平均17.2分出場
  • 4.5得点
  • 3.7リバウンド
  • 0.5アシスト
  • 0.4スティー
  • 0.7ブロック
  • FG38.3%-3PT30.0%-FT68.1%

どうでしょうか?ベイズリーのスタッツが伸びているのは明らかですが、元々リバウンドは取れており、スティールやブロックが伸びているわけでもなく、得点面、特にシュート精度の進捗が著しいことがわかります。というか3P43%はエリートクラスです。しかも数試合の好調による確率変動とは考えにくい。というのもどの位置にいてもキャッチアンドシュートを徹底してこれまで放ってきたベイズリーですが、最近はステップバックやプルアップでのシュートを多投しており、シュートの能力そのものが伸びていることを示しています。これはかなり信用度が高く、またこれまでにコーナー3Pも多く試投していたしていたベイズリーですが、ここ最近では4/28の試投に留まっており、またトップオブザキー〜ウィングエリアでの3Pは12/24で50%と明らかにホットゾーンを構築しているのが分かります。以下サンズ戦とウィザーズ戦のショットチャートです。

・ウィザーズ戦

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・サンズ戦

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これらのことから導き出せる推論としては、ベイズリーは自分の得意なプレイに徹した結果、3Pを含むFG%を大きく上げて得点力を上げたという点、また単純にシュート力が上がっているという点が挙げられます。FT%ですがスクリメージで57.1%だったことを考えると90.9%というのは出来過ぎもいいところだと思いますが実際にかなりの精度で決めてくれているので75%くらいは期待できるのかなといった状態。しかし基本的なシュート力が伸びていることに疑いの余地はなく、それが彼自身にもスコアリングの自信をもたらし、アテンプトが増えて得点を積み上げているという非常にいい状態にあると言えるでしょう。

 

半醒半睡、才気嘱望

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ここに来て才能を開花させつつあるベイズリー。2試合連続でルーキーが20得点以上を挙げたのは2009年のハーデンまで遡ります。ただ色々な思惑や時の運に恵まれたのも確かで、ウィザーズ戦は本来の力を発揮できるメンバーとは程遠く、サンズ戦ではガリナリが欠場し、スターターとしてチーム最長の出場時間を得たことも関係しています。まぁそれに関わらず再開後は元々プレイタイムが長めなんですが。

プレイタイムが長めなのはガリナリがイマイチ怪我の耐性について信用度が低いこと、指名権やホームコートアドバンテージがほとんどない環境であることからサンダーは負けても構わず、育成や調整重視の起用を行なっていることが挙げられますが、もっと言うならばガリナリがFAとなり退団を選択する可能性は高く、それに備えてということなのではないでしょうか。

話は変わりますが先ほどベイズリーとジェラミを比較しましたが、スタッツがとてもよく似ており、彼は2年かけてハンドリング技術とシューティングを磨いて今の評価を築いたことを考えるとセンスというものは恐ろしいもので、元々サイズの割にハンドリングが優秀だった彼は(突き出しはいまだに怪しいですが...)、シュートを磨いただけで弱冠20歳にして今の領域に到達しており、今後本当にジェラミの立ち位置や、ともすればその先のパスカル・シアカムの立ち位置まで伸びるポテンシャルは十分にあります。若さは武器であり正義なのです!

まぁジェラミと比較すると最高到達点の差やディフェンスの差はまだまだ顕著ですが、サンダーは名ディフェンスコーチのロバーソンがいるので(もうすぐFAですが再契約してくれるでしょう)、ディフェンスの伸びは期待したいですね。

ただ逃した大魚と言われがちのクラークはもうすぐ24歳、ジェラミは26歳半ばということを考えると、彼がその歳になった時にどんな評価を受けているのかということにかかっており、現時点で比較するのはナンセンス。またサンダーは再建に舵を切っているということもあり、チームの指針にもベイズリーの方がマッチしています。この未完の大器が今後数年かけてどう成長していくのか必見です。

 

p.s

余談ですが彼は23位指名なんですよね。サブタイトルでも示しましたが。

サンダーが残りのヒート戦、クリッパーズ戦を落とし、ペイサーズ、ジャズ、シクサーズマーベリックスのうち2チームに抜かれればプロテクトがかかり、20位以上の指名権が戻ってきます。どうでしょう、夢がありませんか?少なくとも私は夢があると思いますし、クリッパーズナゲッツ、ロケッツの上位陣のどこと当たっても変わらず苦しい戦いを強いられるだろうと予想しているので残りわずか2試合全力を尽くすよりも調整に当てた方が経営戦略として賢いのではないかと今でも考えております。くどい上に歪んだ考え方で申し訳ありません。でも本当に今年は1巡目下位に良いロールプレイヤーが揃ってるんですよね…余裕があればまたサンダーが取りそうなドラフト候補生を記事にまとめたいと思います。タイラー・ベイとかジェイレン・スミスとかプレスティは好きそうですし選びそうなんですよね。

ま、それはまた機会があればということでそれでは次戦のヒート戦後にまたお会いしましょう!

 

8/8 サンダー@グリズリーズ シーディングゲーム第4戦

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覇気がない‼︎

ブレイザーズにゲーム差0.5まで詰め寄られ、後がないグリズリーズとの対戦は29点差で大敗を喫する結果に終わりました。もう気迫が違ったよね。Win or Go homeのグリズリーズと普通にレギュラーシーズンをこなしているサンダーでは気迫が違うのは当然といえば当然なのですが、再来週にはプレイオフが開幕することを考えるとこんな情けない試合をしている場合ではないと思います。以前より申し上げている通り私は負けてくれて構わない派なので勝敗にはとやかく言うつもりはなかったのですがあまりにも内容がお粗末すぎて。

あ、唐突ですが一つ良いニュースがありました。シュルーダーの第二子が無事に産まれたみたいです。そして娘さんでした。

2児のパパになったシュルーダーですが髪型で遊ぶヤンチャっぷりは健在で、最近バズカットが板についてきたかなぁと思っていたらなんとサンダー仕様の髪型に⚡️。なんとなくサンダー移籍当初の髪型を思い出しますね。

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髪型といえばシェイもコーンロウを解いて長めのテーパーフェードに戻っていました。コーンロウかっこよくて気に入っていたんですがね…バブル内であのようなコーンロウを再度組めるか分からないのでこのままあの髪の毛でやる可能性もあります。でも戻した途端に絶不調なのでジンクス的な意味でやめてほしいとも思います。カッコよければなんでも良いんですけどね。

 

 

*シーズン最低のサンダー

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まぁびっくりするくらいシュートも入らないしDFもできないサンダー。1Qは37得点もあげてリードしていたけれど9割ドートのおかげなのでなんとも言えず。2Q以降は全てのクォーターでリードを奪われました。また2Q以降の総得点は55得点で、後半に限れば僅か32得点です。酷いね。ちなみに2Qも23点を挙げて繋いだものの実際はラスト10秒くらいまでは17得点に留まっていたのでオフェンス不振が目立ちました。

さぁじゃあワルモノは誰かとなった時に真っ先に挙げられるのはシェイでした。シーズンで2番目に悪い10得点と23.1%のFGにシーズン最低の1/8の3Pを記録。ついでに3TOVも献上し酷い有様でした。しかも何が酷いってDFも酷い。シェイのローテーションミスのところから失点を重ね、折角優秀なストッパーたちがジャ・モラントを守ってくれてもワンパスで捌かれて終わりだったりそもそもディロン・ブルックスを全く止められてなかったりとDFも散々でした。一昨日の試合も不調だったので少し気にかけてはいましたがどうもここのところシェイが錆びついている気がします。シュルーダー不在でゲームメイクをやらされているのは無関係ではないと思いますがあくまでスコアラーの役割をこなした上での+αで求められている部分だと思いますのでまず自身のスコアリングから始めてほしいですね。ドライブも減りすぎですし今日に至っては流れながらの3Pを連発して外しまくるという若干目的が見えないプレイを連続していたので…

あと色々謎があった今日の試合ですが1番の謎はヨナス・バランチュナスに無策だったことです。現代バスケットのセオリーでは今日のように機動力のないビッグマンにポストで散々やられた場合には相手に付き合わず、スモールでランゲームを仕掛けるのが通常です。ですが一貫してフィジカルで劣るノエルをぶつけ続ける謎采配。本当にドノバンがCOYで良いのかNBCAよ…

アダムスとムスカラが欠場していたのでノエルが唯一のセンターということもあってスモールをやる理由は十分だったはずなのですが行わず。ほんの3分程度はベイズリーがセンターを務めるスモールが見られましたが…うーん。

とにかくバランチュナスに答えを見出せない形で最後まで叩かれたサンダー。ノエルも頑張っていたけどあまりに意識するのでDFが中に収縮して3Pのケアが甘くなり、外を警戒すれば中でやられるという全てが後手後手の状態でした。ポールもガロもリズムを作れませんでしたし、OFとDFで連動して負のスパイラルに陥っていたというのは一目瞭然の話。ただこれを切り替えてくれるのがシュルーダーとノエルのベンチデュオだったのですが双方ともにベンチにおらずと手詰まりで、その役割をネイダーとディアロに託したかったけど2人揃って通用せず。

本当にひたすらなす術なくやられる様を指を加えて見ている状況だったサンダー。責任は多分ドノバンにあるけど今日の展開でアジャストしろって言っても難しく、かと言ってドノバンが勝つ方法を模索したかといえばそうでもないという形でした。ストロングスタイルを貫くのは良いことですけど欠場者がいる時くらい柔軟に動こうよというのが個人的な見解です。ま、プレイオフ前に変にいじくって狂わせたくないというのも分かるんですけどね。あとガロは今日も安定の19分出場でした。ここまで過保護だとプレイオフでいきなり35分出られるかかえって心配になりますね…

 

・総評

自滅しすぎの試合内容で、かといってそれを取り戻そうという気概があったかといえばそれもないエナジー不足の試合でした。正直今シーズン指折りにつまらなかった試合でした。だって今シーズンのサンダーはグリット&グラインドで強固なDFを敷いて、OFも古風なOFを粘り強く行って勝ってきたチームであるのにグリズリーズの方が圧倒的に気概、エナジーに満ちていたのだから負けるのは本当に当たり前なんです。まずはそこ。それでいて欠場者の穴を埋める戦術もないのですから勝機は0でした。本当にドートくらいしか褒めるところがなく、スタッツ上では一見良さげに見えるポールやガロも実際はまるでやりたいことが見えていない状態で浮いているようなテキトーなプレイを繰り返していました。これじゃダメだよ。こんな状態でも流石にウィザーズには負けないと思いますがその後のサンズにはブローアウトされてしまうこと必至で、さらにその後のヒートやクリッパーズとは戦うまでもない状態ですのでここらで一発、プレイオフに向けて喝を入れて欲しいところです。

自分たちのプレイをした上で負けるのは全然許容できるのですが内容が悪すぎるのはちょっと受け入れ難い、そんな心情の筆者なのでした。負けるにしてもナゲッツ戦みたいに頑張った上で負けて欲しいのです…

 

8/6サンダー@レイカーズ シーディングゲーム第3戦

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リーグ首位を確定させたレイカーズにシュルーダー抜きで戦うことを強いられ、苦しい戦いになることを想定していましたがまさかまさかのワンサイドゲームとなりました。リーグ首位を確定させたためレイカーズが手を抜いているとの声も聞こえてきますしそれはまぁあり得る話ではありますが、レブロン・ジェームズとアンソニーデイビスをしっかり起用してきていたので単に不調だったのではないかと思います。そもそもがバブル入り後のレイカーズの最強デュオはADがFG40%、レブロンがFG42%と明らかに精度を落としており、コンディションの悪さが伺えます。チームとしてもエイブリー・ブラッドリーの不参加やラジョン・ロンドの怪我などでパフォーマンスを落としており、中断前の圧倒的な強さに陰りが見えています。唯一良いと言えるのはカイル・クズマの好調くらいかな。まぁそれでもなんだかんだでプレイオフではレブロンがなんとかしてしまうのでしょうね。余談ですがグリズリーズが痛恨の4連敗、主力のジャレン・ジャクソンJrも離脱と苦境に立たされており、ブレイザーズが猛追していることから恐らくレイカーズの初戦の相手はブレイザーズとなりそうで、不調のレイカーズと好調のブレイザーズというこれまた面白くなりそうなカードですね。レイカーズファンにとってはたまったものでは無いのでしょうが…

 

*ディフェンシブ・サンダー

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まぁそもそもがそういうコンセプトのチームなのですが、今日の試合では特にそれを感じました。特にディフレクションが多く、簡単にパスを通させないディフェンスでレイカーズのボールムーブを阻害してシーズン平均25.5アシストを記録しているレイカーズのアシストを僅か17に押さえ込みました。平均7.6のスティールも今日は9と好調。

目立った活躍をしたのはドート、ロバーソン、ディアロでそれぞれペリメーターで動き回り、ルーズボールに飛び込み、ハッスルプレイで流れを呼び寄せていました。というかドートはリバウンドからルーズボールカバーまで突っ込み、自身はあまりFTを与えないコンタクトのディフェンスを敷いており、その辺りからもマーカス・スマートみを感じます。欲を言えばシュートもスマート並みにと言ったところですがまだまだ先があるので改善に期待ですね。FTはキッチリ決めてくれているのでシュートセンスが無いわけではないと思いますし。あと最近リバースレイアップだけはやたらと上手く、And1を取ってきてくれるのは嬉しい誤算。そういえばネイダーもユーロレイアップだけはやたら上手かったな…

 

鬼のCP3

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毎年プレイオフモードを搭載しているポール。でもギアを上げるとハムストリングが悲鳴を上げるようで毎年のように故障してそれが要因となってプレイオフシリーズを勝ち上がれなかったキャリアを送ってきました。でも今年は一味違うぞってのは割と認知されている話で、動物性タンパク質と油分を避ける食生活への移行で身体の基礎回復力を高めているらしいポール。効果は顕著で、シーズン中断前はコービー逝去の関係で欠場した僅か1試合を除いて全てのゲームに出場し、サンダーをここまで牽引してくれました。勿論シェイとシュルーダーとで負担を分担していた甲斐もありますが。

そんなポールは先日のナゲッツ戦での痛恨のミスがよほど悔しかったのか、今日は一足早くプレイオフモードの試運転を行ったようで、自らが危険なスコアラーとなりつつもアシストは供給していくというレブロンスタイルでレイカーズのディフェンスを蹂躙しました。というか今年のポールはプルアップミドル決まりすぎです。最早いつ落ちるのか。

また、攻守にわたって常に大声で指示を出しており、ポールの出場していた時間はずっとポールの声が聞こえていました。よく通る声はキャプテンの素質と言われますが正にそれを体現したポールのキャプテンシーでした。

 

・総評

とにかくレブロンとマッチアップし、それなりに単体で仕事をこなしてしまっていたドートとロバーソンの仕事が光りました。というかロバーソンはシーズンハイの11分の出場とまだまだワンポイント起用ではありますが少しずつプレイタイムを増やしており、頼れるストッパーとしてのロバーソンを見られることが増えそうです。

また、ドノバンの信頼を掴んだディアロとネイダーの活躍も嬉しい限り。ネイダーは今シーズンずっとそこそこのインスタントスコアラーとして活躍してきてくれましたが、バブル入り後はシュートのリリース速度に磨きをかけ、圧倒的なクイックリリースで外角のシュートを放ってチームのスペーシングを助けています。ディアロはディアロで完全にSF/PFのコンボフォワードのプレイですけどハッスルプレイで魅せてくれるのがそそります。

反対に悪いところはTOVの多さ、特にポールのパスミスやシェイのベイルアウトパスの精度の低さが目立ち、またシェイに関してはスコアリングが不振でもう少し攻め気が欲しいところ。これまでもこれからもサンダーのエースは彼ですし、フランチャイズを背負って立つにはどこかの誰かみたいにシュートが入らないならドローファウルしてやるぞくらいの気概は必要だと思います。

あとは単純にアダムスが心配。一応コートに戻って来ていましたが怪我を押してプレイして調子を落とすタイプのプレイヤーでもあるので…

次戦は渦中のグリズリーズ戦。そしてB2Bのウィザーズ戦とサンズ戦が待ち受けていますが、ここで2敗以上負けるのはむしろ至難の業で(各チームのファンの方申し訳ありません)、指名権のプロテクトの関係から言えば正直もっと負けなければならないことを考えると少し胸中複雑ではあったりします。まぁでもペイサーズシクサーズ、ジャズ、ロケッツがそれぞれここから勝ち星を積み上げてくれれば1.2回負けるだけで指名権が戻ってきますのでこれらのチームは私欲のために全力で応援しております。最悪無くてもいい指名権とは言え目下再建中のチームにとっては大切な1巡目指名権ですのでポールには悪いですけど少し調整が欲しいところですね。何故私が20位程度の1巡目指名権にこだわるのかは23位のベイズリーのことを考えていただければ。

ではまた次戦でお会いしましょう!