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NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

サンダーvsロケッツ 反省会SP

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謎の駆け足コラム

巷ではルカ・ドンチッチのミラクルショットだったり、シクサーズの行く末だったりの話題に沸いているプレイオフですがサンダー的にはやはりドートのDF力が世界に広く認知されたことが話題でしょうか。つい先日までドラフト外ルーキーの2wayプレイヤーであったドートがハーデンとマッチアップし、2試合合計でFG3/21の14.3%、3P2/16の12.5%に抑えたことは世間を驚かせました。確かにドートは凄いですが、チームとしてはどうなの?っていうと実はあまりよろしくなく、その反省を少しつついていこうというのが本日の命題となります。

 

 

*反省会

先程も触れましたが、ドート凄く良いのですが、ハーデンの得点が止まっているわけではなく、それだけドートが頑張ったのにも関わらず第3戦では38得点7アシストを許しました。確かに私が以前申し上げたようにハーデンに30失点〜を許すのはある意味計算済みで、それでも勝てるゲームプランを遂行すべきであるとしましたし、事実それで勝利を挙げたのは事実なのですが、不安要素として、ドート以外がマッチアップした際にハーデンにFG59.1%という恐ろしい数字を許してしまっている点に不安を覚える必要があるでしょう。つまるところ、「ドートのみハーデンを抑えられるが、他のプレイヤーでは全く歯が立たない。」ということになります。つまりドート不在時やスイッチを強いられた際にどうしてもハーデンに自由にされてしまうという欠陥があるということであり、ハーデンがオンコート時にはドートを出していなければならないというラインナップの不自由に加えて、ドートが先にバテてしまったり、ファウルトラブルに陥った際に打つ手がないということになります。これは非常に危険な状態で、ハーデンというドローファウルの達人相手にいつまでファウルを犯さないDFが出来るかも分からない上にスイッチされたらほとんどなすすべてがなかったり、ドノバンお得意の3ガードラインナップを使えなかったりする点で大きな穴となります。但し、注意してほしいのは決してハーデンに意識を向けすぎてはならないという点です。これをしたせいで第1戦大敗したことを思い出せば愚策であることは明々白々です。つまり、ハーデンを1人で守ることは絶対条件になってきます。勿論ヘルプは多くても1人。ということを考えるとやはりハーデンにドートをぶつけて1人に託すことは前提として、スクリーンに対してなるべくスイッチしないことが求められるわけです。

ロケッツのオフェンスの何が怖いかというとハーデンは当然ですが、そこを注視すると簡単にオープン3Pを作られてしまうことにあり、3Pは単純に通常の1.5倍の効率を誇ることから、50%で2Pを沈められるよりも35%で3Pを沈められる方が効率が良いのです。それは子供でも思いつくような単純な論理ですが、単純であるが故に強力で、ここまでロケッツに52.7本の3Pを放たれて18.0本の成功。つまり34.4%の確率を許しており、単純に計算し直すとFG51.6%もの効率での得点を許していることになり、特にFG全体の6割以上を3Pで占めているロケッツということを考えると印象以上の破壊力があることになります。また、ロケッツで最も3Pを放つハーデンをドートが抑えていることを考え、ハーデン以外のメンバーに決められた3Pのデータを見ていくと、43/121の36%で沈められており、3Pに関してはハーデンよりもその他のメンバーに手を焼いていることが分かります。ちなみにコーナー3Pは21/45と47%もの確率で決められてしまっており、元々NBAでコーナー3Pが効率の良いシュートであるという認識を持ってしても高すぎるFG%を与えてしまっているのが現状です。また、反対にトップなどのその他のゾーンからは29.2%と意外と抑えられているという事実は光明かな。要約すると、サボーティングキャストにコーナー3Pを決められすぎ!ということになりそうです。

あとDFで問題視されるのがTOVを与えられていないこと。第3戦ではTOVを16もの数を引き出し、勝利を収めましたが、平均して5〜6つのTOVを犯すハーデンが1つ、また、それ以前の2試合はそれぞれロケッツが7つ、サンダーが12つの初戦とロケッツが7つ、サンダーが13つの第二戦と大きく上回られており、ハーデンから引き出せたのは3つと0つのごく僅かな数にとどまりました。TOVはそれを与えた時点でこちらのポゼッションとなるかなり大きなファクターであり、場合によっては速攻でイージーシュートにも持っていけるものであるため、相手に多く、自軍に少なくの理想を忠実に守ることが求められます。しかも1ポゼッションの重みが増すプレイオフともなれば尚更で、いかにTOVを多く引き出すDFが出来るかが今後一つのキーになってくることは間違い無いでしょう。

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次にオフェンスの話ですがちょっと無策すぎます。第3戦ではたまたま3ガードがそれぞれ調子が良かったから良いものの、抜本的に改善が求められます。が、1戦2戦から3戦のうち変わったところは見当たらず、落胆の色が隠せないのが本音になります。相変わらずのドノバンクオリティです。特に問題となるのがボールを止めすぎていることで、シーズン中平均で286.8回のパスを回していたサンダーはプレイオフでは僅かに276回、更に言えば負けた2試合では実に269.5回まで落ち込んでいることが分かります。パスの回数が減ればそれだけ個人の裁量任せになるのが常であり、オールスイッチDFで対応してくるロケッツの強固なDFをドリブルで突破するのは難しく、またアダムスがストレッチできていない以上、ペイント内でのDFがより強固になっていることも否めません。ということでムスカラ使って緩急をつけようよと割と本気で考えていますがドノバンがどうするのか。

とりあえずアダムスがいる場合には基本的にパスで崩すオフェンスが求められることになりそうです。ピックもオフェンスリバウンドもポストアップも警戒されて止められてしまっていますしロケッツ相手にアダムスを綺麗に使うのは少し荷が重いかもしれませんね。単純にガロがCのスモールラインナップが機能していたこともあり、少しラインナップについては検討の余地があると思います。あまり良い判断ができた試しがないドノバンのラインナップ編成ですが、元来奇策を用いて勝ってきたHCであるだけにどうなるのか…このまま変更なしだったら2連敗してシーズン終了の可能性は非常に高いだけに注目が集まります。

あ、良い判断ができていないと非難しましたが通用しないと見てすぐにディアロを干したことだけは好判断かな。

いかんせんモチベータータイプかつディフェンシブなコーチだけにマイク・ダントーニ氏との差が目立ってしまっているかなといったここまでのHC同士の戦いだったのでした。

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・総評

あとはまぁポストの活用法やFT入らなすぎ問題など色々ありますがどうにかこうにかロケッツに対するアジャストは出来つつあるので上手く隙をついて白星を取りたいところですね。

本当の戦いはウェストブルックが復帰してからという面もあることから、どうにかウェストブルックを引っ張り出すことが当面の目標になりそうです。それにはやはりタイゲームに持ち込むことが求められるでしょうし明日のゲームもマストウィンの状況が続きますね。さて、どのようなGame4が展開されるのでしょうか。ティップオフは明日5:10〜となります!