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NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

ダイノート・サンダー

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NBA is Back

と言うことで今年もこの季節がやってきました。そう、プレシーズン開幕です。実は昨日からちょいちょい気になる選手を眺めていたのですが、やはりオビ・トッピンやラメロ・ボールが目をひきますね。ベテランで言うと移籍組のシュルーダー、イバカ、カーメロなんかも良さげで元OKC組の活躍が見られました。

でもなにより語るべきは今年のサンダー。と言うことで本題です。

 

*ダイノートとポジションレス

あ、先に与太話ですが私の日本語表記は多分ダイノートで固定されます。実況解説のフィッシャーとケイジの発音準拠だとおそらくダイノート。ポクはポクシェフスキー、テオはマレドンと聞こえるので基本的にそちらに合わせます。

………

昨日、サンダー公式から恐ろしい発表がありました。それはサンアントニオに7名の選手が帯同しないという発表。内訳はホーフォード、ドート、ベイズリー、ミラー、ジェロームジャスティン、ホール。そして元より合流予定のないアリーザを加えると計8名が遠征不参加という告知だったのでした。理由は明かされていませんが、先日まで感染して隔離されていた疑いのあったドートは大事をとって、ジャスティンは未だに隔離中、ホーフォードはそもそも未合流ということかなとおおよその目星はつきます。その他はよく分かりませんが。

まぁそんな多くの欠場者を出した中でサンダーは12人で試合に臨むことに。特に中核とみなされるホーフォード、ドート、ベイズリーの欠場は大きく、今季のサンダーをお披露目、とまでは望めない状態であったことは確かです。なのでローテーションも不確かなものになりますが、今日のローテーションはこんな感じに

ヒル/テオ

ディアロ/フランク

シェイ/ポクシェフスキー/スコフィールド

ロビー/ケンリッチ

ムスカラ/リーフ/ブラウン

ただやはり欠場者のせいで寄せ集め感が強く、正常なローテーションではどのようになるのか想像も難しいくらいですね…ただ個人的に気になったのはテオとフランクのラインナップです。フランクをFAで獲得と聞いた時にはPGを集めすぎでは?と思ったのですが今日は2人を並べていたので役割的にフランクはシューティングメインのスコアラーになるのかなというイメージは持てました。なんとなくこの辺からもダイノート節が感じられます。シーズン中もローテーションに組み込まれそうな勢いでしたのでその辺を考えて17日以降のローテーション予想をするとこんな感じに。

ヒル/テオ

ドート/フランク

シェイ/ディアロ

ベイズリー/ポクシェフスキー

ホーフォード/ムスカ

10人ローテの場合はおそらくこんな感じになるんじゃないかなと。いかんせんローテーション確定なのがシェイとホーフォード、ドート、ベイズリー、ヒルしかおらず、残りのメンバーは実力が拮抗してる感じではあるので誰がローテに入り、誰がベンチに入り、誰がカットされるのか予測するのは難しい問題です。ちなみにルールに則って本契約のロスターから3人をクリスマスまでにカットしなければならないので由々しき問題です。危ないのは帯同していないジャスティン、ジェローム、ミラーあたりかなぁ…実はフランクも契約が非保証だったりしますが。

まぁなんでこんなローテーションの話を先にしたのかって言うと私が言いたいのはダイノートの采配が何かおかしいということ。いや別に悪い意味でもないのだけれど。今日のローテーションももちろんですが仮想ローテーションもよく見ると実に面白いです。ちょっと本来のポジションをつけてもう一度見てみましょう。

今日のラインナップ

PG/PG

SG/PG

PG/PF

PF/PF

PF/PF

仮想ラインナップ

PG/PG

SG/PG

PG/SG

PF/PF

PF/PF

うーん奇妙。まずぱっと見でわかるのが本職Cがいません。センターレスバスケットだ。あとSFがいません。なんだこれは。ということで、実はめちゃくちゃなポジションレス化が進んでいることが分かります。ずっとポイントガードとセンターを中心にオールドスクールバスケットを展開していたドノバンの方針とは真逆をいく編成。明らかなニュースクールです。しかしドノバンが昨季築いた流れも汲んでいる部分がありますね。それはシェイのSF起用です。これは元来ポール、シュルーダーとのスリーガードラインナップのためにシェイがSFポジションに置かれるというものでしたが、ドートが頭角を表すにつれて、ドートをスターターとして使うためにシェイをSFにシフトしていった背景があります。とは言っても実際にシェイがSFとしてSFらしいプレイすることはありませんが(そもそもSFってなんなのかという話は難しすぎるので置いておきます)。これも一応ポジションを無視しているのでポジションレスと言えるでしょう。つまるところダイノートが目指すのはポジションレス・バスケットです。「今更?」と感じる方もいるかもしれませんが、確かにポジションレスバスケットは暫く前から存在しており、その代表的なのがブラッド・スティーブンスHCのバスケットです。彼は従来のPG、SG、SF、PF、Cという5区分の考えを撤廃し、ハンドラー、ウィング、ビッグという3区分でバスケットを展開していると語っており、それは今のNBAでも1つのトレンドになっています。言ってみればスモールボールを少し進めたものであり、昨季ロケッツのマイクロボールまではいかないちょうど中間地点のようなバスケットでした。ただ、ダイノートの考えは少し異なるようです。ここ止まりだとただのポジションレスバスケットなのですが、ラインナップの方に今一度立ち返ると、Cが不在かつSF不在といった点でその考えとも異なっていることが分かります。つまるところ今年のサンダーはGとFといった二極化、もしくはオールハンドラーの一極化バスケットとなっていることが分かります。これはDALやHOU、MILなどがやっているエースハンドラーを中心にサポートメンバーを揃えるバスケットボールと構成としては似ていますが大きく異なるのが、誰もがハンドラーということ。ぶっちゃけムスカラはハンドラーではなくシューターなので少しずれるのかもしれませんが、誰しもがボールを持った時にどの位置からでもドリブル、パス、シュートの選択があり、ある程度個人での打開が期待できます。これはオールドスクールのようなシューターやフィニッシャーのビッグマンは使われる側であり、ハンドラーの裁量によってチームの出来や方向性が左右されるといった考えや特色を完全に打ち払ったものとなります。ある種の最先端なのかもしれない。ローテーションプレイヤーが誰しもがどこからでもなんでもできるという夢のようなバスケットを目指しているように見えるサンダー。ただ落とし穴として、扇動多くして船山に登るといったことや、新しいことを作り上げるのは生半可なチャレンジではないこと、オールラウンドな選手は総じて年俸が高騰してしまい、維持が難しいことなど様々な障壁があります。が、ダイノートとプレスティの新タッグによる生まれ変わったサンダー、その方向性としてはとても面白くやりがいのあるチャレンジとなるのではないでしょうか。

 

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*試合所感

試合内容についてざっくりと触れていきます。個人的にテオを激推ししていたこともあって今日の試合での活躍はそこまで触れて回るほどのことでもないかなと思っていたりします。ダイノートも「たかがプレシーズンの1試合」と言っていますしね。ただ安定感はLAC時代、つまりルーキーシーズンのシェイを彷彿とさせ、丁寧かつ優秀なプレイメイカーであると感じさせるのに十分なデビュー戦でした。IQも高いですし何よりパススピードが早く、テクニカルなユーロ式な感じも好印象か。あとチーム合流がトレードルールの影響で僅かに3日前だったことを考えると連携次第でさらに伸びるかもしれません。課題はDFかな。

あと目を見張る活躍だったのが意外も意外、ディアロとムスカラでした。ディアロは年々良くなってる部分と何も変わってないじゃん!って部分があってなんだかスッキリしない成長だったのですがここに来て全てのスキルが大きく向上しました。特にハンドリングは良くなってました。オールハンドラー編成の煽りかな。元々ムラっけの強いもののDFとリバウンド、速攻は良かったのでそこにハンドリングとシュートが加わればより選択肢が広がります。以前から言っているのですがインサイドプレイヤーに転向してドレイモンド・グリーンやジャスティス・ウィンズローじみたことをやってくれれば化けそうな気がしています。本当にリバウンド強いですし。あとそういえば割とケンリッチをブルーワーカーとして押す声も聞きましたがうーん、今のところディアロが上位互換に感じます。PTはディアロに食われそうですね。

ムスカラはムスカラでシュートは当たりすぎなのであまり気にしませんが、ポストDFがやたらと良くてアダムスより上手くラマーカス・オルドリッチを守っていました。リバウンドは相変わらずですが。鈍足系のビッグマンと対峙するときは積極的にムスカラを起用してもいいかもしれません。しっかりOFでも仕事してくれますし。あとはやたらと気が利くなという印象。スイッチの指摘や再スイッチ、マークマン以外へのボックスアウト、スクリーンフェイクなどちょっとした行為が光っていました。やっぱり好きだムスカラ。

あとやっとロビーがまともに試合に出ました。ブルーの試合でいくつか活躍した試合もありましたが基本的にパッとしない感じでパットンの方が良かったんじゃないかとずっと思っていましたが今日の試合を見た感じやることはやってくれるといった渋いプレイをしていましたね。トラベリングだけは難点でしたが、まぁ可もなく不可もなくといった感じ。

あとフランクの方のジャクソンですがドリブルが好きそうなのは気になりましたがスポットアップしてテオのキックアウトに合わせてくれたりとシューターに近いこともやってくれたりと思ったよりは好印象。でも髪型は前の昔のギタリストみたいな方が好きだったよ。

あとはまぁ巨人すぎるけどまだまだ下手なブラウンやらヒルはやっぱりジョージ・ヒルだなあとかありましたがやっぱり語りたいのはポクシェフスキー。ユーロでの3PARが50.5%もあり、アテンプトの半分が3Pというポクですが、やっぱりシューターなのかなといったデビュー戦の印象です。打点は低めですが、リリースはひたすらクイックで多少ディープだったりプルアップだったりしても決めてくるのでシューティングは初年度から通用しそう。あと意外とドリブルつきながらのスピードが速かったりしましたが、どうも「18歳の子供です」感が強かったなとも。あと前評判通りのDFが見られなかったのでその辺は今後に期待かな?結局今は素材でしかないので、とりあえずNBAに慣れてもらうこと、チームメイトと慣れてもらうことから始めて1.2年後にはスターターを奪うくらいの立ち位置が適正かなとも思いました。どことなく昨年初期のベイズリーみたいな感じ。まぁ彼も1年でこれだけ成長してくれましたし、体格の方も多くの選手をビルドアップさせてきたサンダートレーナーならとは思います。結局のところ、やっぱりユニコーンはロマンだねってこと。

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最後になりますがシェイの話を少し。

まず私が思ったのは身長伸びてない?ってこと。登録上は6-5とテオやディアロ、スコフィールドらと同じ…はずなのですが完全にシェイの方がでっかいんですよ。勿論ウェイトトレーニングによってガタイが良くなっていますのでそのせいかもしれませんが。

実は私はシェイにそこまで期待していませんでした。やれ次のスター候補だオールスターだ25PPGだと飽きるほど目にしたオフでしたがこれからそこまで伸びるかは疑問でした。既に昨季の時点でめちゃくちゃに成長しましたし、今年もヒルやホーフォードから学びつつタンキングの年になればいいかなとそんな考えでした。が、今日のシェイを見て思いました。既に別のステージに到達していると。スタッツ自体は平凡ですし、やっていたことも昨年までとあまり変わりません。ステップバックが上手くなったくらい。しかし増量によって一つ一つのプレイに力強さが生まれており、かつチームメイトの信頼を1番に得ていることも見てすぐにわかる程度には頼られる存在になっていました。また物静かだったシェイが積極的に声を上げてプレイの指示を行なっていたりと、昨季の経験は全く無駄ではなかったと感じさせてくれました。で、考えを改めました。白状するとこれからのサンダーを牽引するのはシェイではなくこれからドラフトにかかる誰かであると思っていました。例えばケイド・カニンガムだとかそういう人です。でもシェイの仕草やプレイを見て、シェイが牽引してくれるのならば別に高順位指名権なんて必要ないと思ったんです。現実は厳しくないのでウェストを現状のロスターで戦い抜くのはほぼ不可能であるとも思います。ただそれでも戦って、ダメだった場合の結果としてのドアマット、高順位指名権獲得なら受容しますが戦わずしてタンクして、その結果として1位指名権を得てカニンガムやジェイレン・グリーン、ジェイレン・サッグスなどを獲得したとしてもそれはシェイに対して無礼であり、やるべきではないことだと感じました。まぁ気持ち的にそれでもカニンガムが欲しいって気持ちもありますが別にウェスタン9位でも1位指名権獲得のチャンスはあるのだからいいじゃないかとも思います。タンクしたところで1や2位の指名権取れる保証なんで何もありませんしね。

つまり纏めると、今年もサンダーを本気で応援するぞってことです。今シーズンもサンダーファンの皆皆様、どうぞよろしくお願いします。