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NBAの話題についてオクラホマシティサンダー中心に書いていきます

7/27 サンダーvsシクサーズ スクリメージ第2戦

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バーソンという現人神が降臨なされたようです

本来の12分に戻っての第二戦です。しれっと初戦は10分に調整されてた為短い試合でしたが本来の形に戻ったことで試合勘も戻るかな。あとほとんど感じられませんでしたが一応サンダーホームの試合だったそうで。

ちなみにシクサーズはジョエル・エンビードが休みのスターターでした。

割と真剣な両チームでしたが結局はスクリメージなので控えめな選手もいたり。エンビードに関しては代役でスターターを務めたアル・ホーフォードがめちゃくちゃ頑張っていたのでむしろこれでよかったまでありましたね。

ちなみにロバーソンはクラッチシチュエーションでディフェンスもさることながら逆転弾とゲームウィナーの3Pを立て続けに決めて勝利をもぎ取りました。彼は本当にロバーソンなのか…?

 

*good&bad

勝敗にとやかく言っても仕方ないスクリメージですが、後半に2ndユニットが頑張って逆転したもののフルメンバーでは実質的に普通に敗戦したことを考えるとやはり反省は必要かなと。とは言っても多少タフなシチュエーションでも3Pをしっかり決め続けたシクサーズとワイドオープンの3Pを外し続けたサンダーという構図なのであまり語ることはないのですが。シクサーズの2Pに関しては殆どシャットアウトできていたので良かったのですがいかんせん3Pを決められすぎました。オープンもいくつか作ってしまっていましたがローテーションミスのようで準備不足感は否めません。ドノバンもドノバンで突然ロスターのローテーションを変えたり、ちょいちょいゾーンを入り混ぜてみたりと実験していたので連携を決めるのが難しそうに見受けられましたし多少はしょうがないのかも。3Pが決められないのはデフォルトでもあるし練習不足かもしれないのでなんとも言えませんが唯一のシューターのガロが全然アテンプトしてくれないのとそこそこの精度があるポールとシュルーダーが外しすぎました。今日だけの問題なのかバブル以来の問題なのか不明ですがシュルーダーは2試合見た感じだと継続的な不調な気がします。ミドルもタッチが良くないですし。

あと良かったのはアダムスが今日も軽やかなOFを披露していた事は良かったですね。鉄人のイメージを持たれがちですが意外と疲労が溜まりやすいタイプなので休みが好転したのかなと思います。あとシェイもまた今日もキレキレでした。確実に増量が効果を見せてます。が、3Pは改善の余地ありです。

チーム的には勝ちましたが、内容的に勝ったか負けたかは分からない内容でした。が、必勝ラインナップが問題なく機能していたので収穫はあったスクリメージでした。あと後半のロバーソン入り2ndユニットが良かった。ペイズリーも輝いてたしノエルも戻ってきたしね。ただどのチームにも言える事ですが中断の影響で再調整を余儀なくされているのでプレイオフまでにはしっかり仕上げたいところ。正直に言えばシーディングゲームはシュルーダーも離脱する予定ですし、指名権プロテクトがかかる可能性もあるので敗戦を気にせずに無理はせずしかし手は抜かず怪我もせずにPO1stラウンドに焦点を当てて頑張って欲しいところです。

余談ですがベン・シモンズを封じていたドートには末恐ろしさを感じました。シーディングゲームでシクサーズと当たることはないんですがDFの幅が広いことを証明しました。本当にいい選手を格安で拾ったものです。

いずれにせよ適当に流して同じく適当に流していたセルティックスに勝ってしまったために気が抜けている可能性は高かったのでこの辺で一度集中してゲームに戻っていく必要がありそうですね。次戦はスクリメージ最終戦ブレイザーズと争いますがそろそろシーディングゲーム、POを見据えて欲しいのでいい経験だった&そちらも期待しています。

 

 

おかえりドレ

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お久しぶりですね。いや、ロバーソンどうこうではないです。奇しくもサンダーvsジャズ戦から試合そのものが凍結されて早4ヶ月半となりました。でもこのような形でもNBAが再開できていることは本当に嬉しいですし幸運なことです。

 

*中断期間と書いてoff seasonと読む

さて本題ですが、バブルでのNBAシーズン再開、スクリメージ開催とのことですがまず中断期間が長すぎました。通常プレイオフ1stラウンドが5月に、NBAファイナルが6月半ばに終わり、FAやサマーリーグ、プレシーズンを経てシーズン開始が10月下旬ということを考えると、今回の中断期間はまるっきりNBAファイナリストのオフシーズンと同じ長さに当たります。プレイオフ1stラウンド敗退が常態化していたサンダー的には少しだけ短めですが、毎年オフに各自のトレーニングを積むことによって成長する選手が多くいます。残念ながら世界的にCOVID-19の影響で実戦形式の練習を積んでいた選手は少なくなっていますがその分ウェイトトレーニングに精を出した選手が多かった今オフ(もう擬似オフというよりオフと言い切ります。だって今季ファイナル終了10月半ばで来シーズン開始が12月下旬とか囁かれてますし実質これがオフでいいでしょ)で、やはり例に漏れずサンダーの選手たちも成長が見られたと感じます。若手が多いし伸び代も多いのがサンダーなのでした。

まずビックリしたのは明らかに上半身が分厚くなったシェイとディアロ。ディアロは元々フィジカルは悪くなかったけどさらに分厚くなってジョージみたいな身体に仕上がってましたね。スクリメージ第1戦の内容的には一番期待外れでしたが…そしてシェイも分厚くなってました。正面からや写真だと分かりにくくて適切な参考画像が見当たらなかったため画像を提供できずに申し訳ないのですが、動いてるシェイを横から見ればわかりやすいです。ただ、太くなったという表現よりはやはり分厚くなったといった表現が正しく、元から線が細いタイプではあるのでまだ数年に渡って開発の余地があります。理想はヤニス風の肉体ですかね。ヤニス・アデトクンボもルーキー時代は細長く、現在も細長いですが、ビルドアップによって鋼鉄のボディを手に入れました。何となく身体つきに関しては類似点を感じますし、その才能があれば元が細くてもNBAトップクラスの肉体を手に入れられるといった証明になります。まぁいくらウェイトトレーニングを積んでもビルドアップできない(上限が低い)生まれつきにして細い選手もちらほらいますが…ボル・ボルとかファーガソンとかね。本当に余談ですが2年後くらいに紹介記事を書くことになるかもしれないESPNランキング一位の高校生、チェット・ホルムグレンなんかもその類だと思います。

まぁそんなこんなで目でわかる肉体改造をしてきた選手もいれば、反対に目に見えない改変をしてきた選手もいるわけで、ベイズリーは本当にスムースな動きで、シュートも基盤ができてましたし、グッとNBAプレイヤーらしさが出てきましたし、ロバーソンはシュートフォームが改変されて若干リリースが早くなりました。ただこの2人は相変わらずワイドオープンの3Pを見逃す傾向にあるのはいただけませんが。また、脳震盪といったトラブルは非常に残念でしたが、ネイダーはフィニッシュ力とハンドリングが向上しており、目を見張る活躍を見せていました。彼に関してはオフ中にバスケットボールをこなしているシーンが多く、ブランクがあまり無いということもありますが、ベンチメンバーの中でも一際輝いていました。

あと大車輪の活躍を見せたアダムスですが、セルティックスの弱点がサイズ不足ということもあり活躍するのは自然なことではあったのですが異常なほど動きが機敏になっており、36分換算で40.8pts,16.8reb,うちオフェンスリバウンド9.6という驚異的な数字を残しました。スクリメージということもあって両チームDFは緩めでしたがそれを考慮しても抜群のプレイを披露しました。あながち牛相手の練習も冗談じゃなかったのかもしれません。しらんけど。

 

・実はシュルーダーも相当鍛え上げていたらしい

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*ディフェンシブアンカーの帰還

Q.サンダーの誇るディフェンシブアンカーは?

A.アンドレ・ロバーソン(即答)

これが常識だった2年前。正確には30ヶ月前、いや909日前の2018年1月28日、ピストンズ戦にてウェストブルックのロブパスをいつも通りにリムへ届けようとしたロバーソンでしたがジャンプした刹那、彼の膝蓋腱が断裂し、OK3とロバーソン、アダムスが完全に噛み合い、全てが上手く回っていたサンダーのシーズンはそこで終了となりました。それ以降、ジョージがディフェンシブアンカーになったり、アダムスだったり、ファーガソンだったり、ドートだったり。屈強なDFを武器にある程度の成功を収めてきたドノバン就任後のサンダーでしたがロバーソンを欠き、ディフェンシブアンカーが定まらずにてんやわんやだったのは事実で、FTは入らない、3PTはエアーポールがデフォルト、それでもスターターとしてNBAに名を馳せて毎年10Mを稼ぎだすプレイヤー"だった"ロバーソンの影響がいかに大きかったかを物語っているようでした。

しかし奇跡のジョージ残留の翌シーズン、ジョージもインタビューにて

「ロバーソンが健在だったらプレイオフの結果は違っていた」

と語り、リーグ屈指のウィングディフェンダーである2人がリーグを席巻することをジョージ、ロバーソンを含めて全員が夢見ていましたが、トレーニングキャンプ期間に膝の剥離骨折を経験し、再びの離脱。その後はリハビリ施設を転々とし、後進のDF育成に関わったものの本人がプレイすることはなくシーズンを終え、ジョージとウェストブルックのデュオは解散し、サンダーの歴史はいったん閉幕することに。

そして来る新時代のサンダーで、開幕当初から復帰は近いとドノバンとロバーソンは度々発言していたものの未だ状態が整わずに今季も厳しいとの見方が強まっていた折、今回の中断期間の助けを借り、ようやっと、本当にようやっとコートに戻ってくることができたロバーソン。しかし皆、

「復帰はいいけどブランクが長すぎて本当に戦力になるのか…?」

という懐疑を持っていたはずです。私も当然のようにこう考えていましたし、やはり今でもわずかに不安はあります。しかしどうでしょう。ロバーソンは久方ぶりの出場で、当初の数分は戸惑いと喜び、羞恥などにより浮き足立ったプレイを見せていたりしましたが、その後はしっかりとゲームに入っていき、スティール、3P、またシュートのリリース(シュート自体が上手くなったかどうかは分かりませんが)の改善まで見せました。なかでもハイライトは十八番のチェイスダウンブロックでした。あのプレイを見れば、ロバーソンが"ロバーソンとして"帰ってきたのだ、と実感せざるにはいられませんでした。今季終了後にFAとなることや、まだまだ不透明な部分が多いことから、期待と不安が渦巻きますが、ロバーソンがサンダーでプレイしている喜びを今は噛み締めていたいと思います。



スマートなドート

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まさかのシーズンサスペンドということで暇を持て余したのでスーパープロスペクトのドートについてひとつ書いてみようと発起しました。多少暇ができるのはいいことなのですが肝心の試合が無いと腑抜けてしまいますよね…

 

*The Underrated

皆さん既にご存知であろうプロスペクトルーキーのドート。前にも紹介しようとしたのですがなんか流れてしまっていたので今更ながら軽くご紹介します。

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Luguentz Dort

  • G,6-4(193cm),220lb(100kg)
  • 34Games
  • 16.1pts,4.3reb,2.3ast,1.5stl,FG40.5%,3P30.7%,FT70.0%

まぁざっくり言うならアスレチック系スコアリングガードですかね。そんなんばっかだなと思いがちですが、フリースローを貰うのとディフェンスが得意な重量級ガードという意外と強烈な個性は持っていますし、フレッシュマンでしたのでまだ20歳とかなり若いです。活力を与えてくれる存在になれればバートンに続いて本契約があるかもしれません。とりあえずサンダーの2way枠の本命はドートなのかなという感じです。もうひと枠はどうなるか分かりませんが、グランサムあたりが貰うのかなぁと思ったり。

というのがサマーリーグの時の没記事からサルベージできたのでここで供養も兼ねて引用させていただきました。サマーリーグの記事を書いていたらジョージがトレードされてトンデモ展開になったので没になったんですよね。少し懐かしいかな。まだグランサムとか言ってますしね。ちなみに数字はArizona Stateの時のものです。NBAでの数字は後から紹介しますが多少スケールダウンしたくらいであんまり変わらないかもしれませんね。

で、本題というかサブタイトルの話ですが、彼は過小評価されてきた選手の典型なんですよね。だってそもそもが大抵のモックドラフトで35〜55位くらいには入っていた選手ですしドラフト外だったのがむしろ謎なくらいです。結果的にドラフト外2way選手としてNBA入りを果たした訳でしたが結果としてはドート的にもサンダー的にも大成功なのでむしろ良かったのかもしれません。まず間違いなくサンダーなどの特殊なニーズのチームでなければこのPTもスターターでの起用もあり得なかったわけですから。

それはさておき、ドートの過小評価について、数々のアウォードをさらっていったにも関わらずドラフト漏れということも挙げられます。

  • Second-team All-Pac-12 (2019)
  • Pac-12 Freshman of the Year (2019)
  • Pac-12 All-Freshman Team (2019)
  • Pac-12 All-Defensive Team (2019)
  • Nike Hoop Summit (2017)
  • 2× BioSteel All-Canadian Game MVP (2017, 2018)

大学カンファレンスの賞と高校時代の受賞を合わせこれだけの経歴を持ち、高校時にはESPNリクルートで5つ星の評価を受けたこともある選手であり、なおかつまだ弱冠20歳ということから考えれば2巡目指名を受けてようやく妥当なくらいであると言えますね。

もちろんそのレベルにも関わらず指名漏れに至ったのもまた事実であり、コンバインの結果や、サイズ不足、シュート力の不足が懸念されたという推測も立ちます。

と以上のことから結果を出した今だから言える近年稀に見る過小評価を受けていた選手であると言えるのです。要は後出しじゃんけんの要領なのですが結果から逆算すればドートの活躍は別に不思議がるほどのことでもないよねっていう解剖なのでした。

 

*マーカス・ドート?ルーゲンツ・スマート⁇

さて本題。ドートの比較対象として度々あげられるのがマーカス・スマートその人。先日クラッチでシェイに値千金のスティールをお見舞いし、サンダーを地獄に叩き落とした選手であることは記憶に新しいかと。まぁそんな彼ですがどのくらい似ているのかといった比較をしてみたいと思います。じゃん。

【身体測定】

ドート

190.5cm(194cm)/100.5kg/ws204.5cm

スマート

189cm(191cm)/103kg/ws206cm

【能力測定】

ドート

  • レーンアジリティ 10.79秒
  • シャトルラン 3.13秒
  • 3/4スプリント 3.22秒
  • 直上ジャンプ 82.5cm
  • 助走ジャンプ 96.5cm
  • ベンチプレス 14回

スマート

  • レーンアジリティ 10.82秒
  • シャトルラン 2.96秒
  • 3/4スプリント 3.26秒
  • 直上ジャンプ 84cm
  • 助走ジャンプ 91cm
  • ベンチプレス 測定無

【大学スタッツ】

ドート

  • 31.5min
  • 16.1pts
  • 4.3reb
  • 2.3ast
  • 1.5stl
  • 0.2blk
  • 2.9tov
  • 3.0pf
  • FG40.5%
  • 3P30.7%
  • FT70.0%

スマート※2年時

  • 32.7min
  • 18.0pts
  • 5.9reb
  • 4.8ast
  • 2.9stl
  • 0.6blk
  • 2.6tov
  • 2.9pf
  • FG42.2%
  • 3P29.9%
  • FT72.8%

ドラフトコンバインの数字と大学最終年のスタッツを並べるとこんな感じに。ちなみにスマートは2年間大学に在籍したので2年時のものを。後細かく挙げるなら3Pアテンプトはドートが5.2本、スマートが5.3本でした。

見れば分かると思いますがNBAデビューまでの数字はかなり酷似しています。強いて挙げるならアシストとスティールの能力が秀でているのがスマートといった感じ。カンファレンスは異なるもののこれでドラフト6位と圏外の差かと言われると…?まぁ才能を買う場所ですので才覚の差というものや数字に現れないところも含めてのお話ではあるのでしょうね。

そのドート本人もスマートについて意識しているようで、手本はスマートとドノバン・ミッチェルだとインタビューにて答えていたこともありました。

そんなこんなでNBA入りするまでスマートに肉薄する仕事をしていたドートですが、突然やってきたチャンスを掴むまではGリーグで大半を過ごしました。

時折爆発的な才能を見せつけたりしたものの平均で見ると13試合で19.5pts,4.8reb,2.6ast,FG43.8%,3PT33.3%とG league内でも中の上〜上の下くらいの活躍でした。デビュー戦ではクラッチでボールにダイブしてルーズボールを確保して勝利に貢献したものの7分間の出場で無得点1リバウンド1スティールに終わりましたがこれが高評価だったのが次のPOR戦から20分前後のPTを貰い、デイミアン・リラードやミッチェルの相手エースにマッチアップしそれぞれ8/24、10/25のFGに抑えるなどして活躍しましたが次のSAC戦、DEN戦ではあまり活躍できずに、ディアロ、ファーガソンら復帰やネイダーとの競争もあり安定したPTを得られませんでした。チャンスが再び回ってきたのは年が明けてからの1/18、ファーガソン離脱によるものでしたがドートにとっては大きなチャンスとなり、次戦の1/20、HOU戦以降ではスターターとして定着し、21試合連続先発を果たしました。この間サンダーは16-5の好成績を残し、ドートも平均23.9分のPTで7.1pts,2.1reb,0.8ast,0.9stl,FG43.0%,3P35.7%,FT87.0%の好成績を収めています。最初こそ馴染めずにいた彼ですが、見事にアジャストしていることが見て取れます。

更にスマートのルーキーシーズンと比較してみます。

平均27.0分のPTで、7.8pts,3.3reb,3.1ast,1.5stl,FG36.7%,3P33.5%,FT64.6%

で、アドバンスドスタッツでもそれぞれTS%が54.3%と49.1%、USG%が12.8%と15.1%、DBPMが+0.4と+1.5、オフェンスリバウンドが0.7と0.8である点などが比較として挙げられます。

結論から言うと数字上はかなりスマートに近いと言えます。先程にも挙げましたがアシストとスティール、DBPMが高いのがスマートで、効率化されているのがドートということになります。この効率化の部分について周囲の環境の差や、先達としてスマートがいることなどがドートの成長の一助になっているのではないかと思われます。いずれにせよ、ドートは身体的、スタッツ的にもスマートに非常によく似ており、スマート同様のスキルアセットを身につけていけばNBAのスターダムを登れることになります。もっと言うならばスマートの成長よりも早く3Pを磨けばより早く現在のスマートに到達することができるかもしれないということです。(その分アシスト能力とスティール能力を余分に磨く必要はあるけれどね)

といったところがサンダーの誇るネクスト・スマートことルーゲンツ・ドートなのでした。大先輩スマートの軌跡を辿っていけるのか見守っていきたい所存です。

 

追伸

ここまで推しておいてなんですが、私は実はドートはスターターからベンチに送るべき党の一派です。理由はシェイとの噛み合わせが悪いから。この辺についてはまた別途書くかもしれませんのであまり期待せずに待っていてください。

 

おまけ

ちょうど数日前にアップされたドートについて書かれていた米国版NBA.comの記事を和訳してみました。

「彼が彼であるアイデンティティの一は、彼が見せてきたディフェンス力だと思う。 彼のスキルセットは、彼のサイズの他の選手と同じようにNBAに移行するとは思えません。」

- 彼はマーカス・スマートタイプの型にはまっています。

「マーカス・スマートは、NBAでの道を見つけてきたんだ - 彼のキャリアはディフェンスから始まったが、今は進化している。 "だから、もし(ドートが)2、3シーズンこの役割を持ち続けて、その後何年にもわたって彼のスキルセットを積み上げて、より安定した3ポイントシュートができるようになれば、彼は非常に長い間リーグでの地位を得られると思うよ。」

NBAシーズンの予期せぬ中断は、彼の2-way契約をフルタイムのNBA契約に変換するドートのチャンスに一時停止を入れました。 彼は紛れもなく、サンダーのテーブルに彼がもたらすことができるもののための余地があることを証明しています。 もう一人のカナダ人NBA選手にとって、NBAとのフルタイム契約もそう遠くない将来になるだろう。

デニス・シュルーダー解剖論

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ディフェンスはハートだ

ポール効果が叫ばれる今季のサンダー。確かに影響はそれなりにあるけれど全てポールのおかげかというとそうではないというのが55試合観てきた私の持論。サンダーを変えたのは間違いなくウェストブルックとジョージの放出の方でルールとか全てを無視して昨季のチームにポールを加えてもこういう方向には進まなかったと思います。しかし全くもって貶めたいわけではないのでこの辺にしておきますが。

なぜシュルーダーの記事なのにポールの話から入ったかというとポールの指導によって変化したという論調を目にするからです。確かに影響を感じさせてくれる部分もあるけれど(CP Swingやビハインドレッグスルークロスオーバーなど)シュルーダーの今季の躍進の根底にあるのはシュート率の改善とDFなんです。

とりあえず昨季と今季のスタッツを

昨季

15.5pts,3.6reb,4.1ast,0.8stl,0.2blk,2.2tov,FG41.4%,3P34.1%,FT81.9%

今季

19.3pts,3.8reb,4.0ast,0.6stl,0.2blk,2.6tov,FG47.2%,3P38.7%,FT84.4%

こうして見るとトラディショナルスタッツだけでも一目瞭然ですが得点効率がジャンプアップしており、それに伴って得点が伸びているというのが分かります。

また、開幕から12月までの19試合の序盤戦のスタッツを参考資料として追加すると

15.5pts,3.9reb,3.9ast,0.8stl,0.2blk,2.9tov,FG44.2%,3P29.7%,FT76.5%

2P%こそ悪くないものの昨季とほぼ代わり映え無し、3P%はかなり低いところに留まっており、序盤戦は苦労していたという印象をスタッツからも見受けられます。ケミストリー構築などの問題もあったのでしょうがシーズン途中までこの程度に収まり、成長が停滞していた彼が12月に入ってからの35試合でこうなりました。

21.4pts,3.8reb,4.1ast,0.6stl,0.2blk,FG48.6%,3P42.9%,FT87.4%

うーんオールスター

シーズン途中からの大幅なシューティング改善により6MOTYを叫ばれるようなスタッツに急上昇。まだ26歳と若いとはいえキャリア7年目のベテランがシーズン途中からの急成長というのはあまり記録にない珍事ではありますが何はともあれ彼の成長と共にサンダーはプレイオフチームへと返り咲くことに。ちなみに12/1以後のチーム戦績は25-11。日程に恵まれたこともありますがサンダーをこの位置に持ってきている立役者の一人であることは明白で、よもすると彼が最も重要な要因かもしれません。

彼のこの好調の要因は様々なことの組み合わせで起きたことだと思いますがいくつか考えていきます。まず昨季との比較をしたときに一番違うのはどこかというとウェストブルックのバックアップからポールのバックアップになったこととスリーガードシステムの導入です。というのもシュルーダーはホークスでの5シーズンでペースが99を上回ったことがなく、比較的スローなテンポが展開されると言われていたイースタンカンファレンスからクイックなウェスタンカンファレンスへの順応に苦労していたのではないかとの推測が立ちます。これはジョージがペイサーズからサンダーに来た初年度に度々口にしていたことでもありました。昨季のシュルーダーのペースは104.30と急にかなり早いペースでの試合に放り込まれたような状況であったのが、今季にポールがウェストブルックに代わって加入したことによりペースが激減し、今季のサンダーのペースは99.15まで低下しました。これによってシュルーダーの慣れ親しんだペースに変わり、彼本来の力が発揮しやすくなったということもあると言えるでしょう。また、シュルーダーの得点は伸びたものの、ファストブレイクポイントが2.5→1.8と減少、ペイント内得点が5.9→6.8への増加ということからハーフコートオフェンスの効率化がなされていることが分かります。更にアドバンススタッツを見ていくと被アシスト率が上がっている事にも注目が必要です。昨季比で2Pでは16.5%→35.1%、3Pで79.8%→85.3%と大きく増加しており、オフボールムーブがかなり上達していることも証明しています。実際に2ドリブル以下でのフィニッシュ率を40.0%→54.1%と無駄なドリブルの削減にも成功しており、これによってドライブからのFG%を45.6%から49.7%へと伸ばしています。つまり今季のシュルーダーは昨季に比べて無駄が少ない効率の良い選手へと変貌したことになります。役割の変化に追随してボールを持つ時間も増えたということもお知らせしておきます。ポゼッション毎のボールタッチ時間が4.4秒から5.0秒へ伸びていますが、ボールホグの傾向になっているというわけではなく、実際のタッチ時間/ボールタッチ回数では4.81秒から4.13秒に減らしており、球離れ自体は良くなったとも言えます。役割が増えてボールがシュルーダーに帰ってくることが多くなった結果ということですね。また、先に述べたようにペースが激減しているため、100ポゼッション毎をベースに考えると相当シュルーダーにボールが入る割合は増加しています。ペースの変化によってサンダーの持つポゼッションが減ったことを考えるのは今季のサンダーを考える上でとても大事です。

 

ここまで長々とオフェンスについて語ってきましたのでディフェンスは手短に紹介いたします。

シュルーダーのオフコートDFレーティング114.4

シュルーダーのオンコートDFレーティング102.4

このオンコートDFレーティングは30試合以上出場かつ25分以上のプレイをした主力選手の中ではリーグ8番目に位置します。

更にDFウィンシェアで見ても同条件でリーグ7番目の0.152とサンダーのDFの中核であることも伺えます。

また、昨季のこれらのスタッツはDFレーティングが105.5、DFウィンシェアが0.114とチーム内でも中位であったことを考えると圧倒的な成長です。

更に言えばホークス時代の2年前はレーティング111.8、ウィンシェア0.043でリーグワーストクラスであったことを考えると想像もつかないレベルでの成長であることが分かるでしょう。

 

攻守にわたってひと回りもふた回りも大きく成長したシュルーダー。数年前にはディフェンスレスの非効率ガードであるとの批判も少なくなかったなか、現在ではベンチスタートで得点をリードしており、高いTS%を誇ります。同様にDFでも貢献するエリート6thプレイヤーになったシュルーダー。今後どうなるかは全く分かりませんがまだ26歳と若く、全盛期に差し掛かっているシュルーダーから目が離せません。

 

DFの参考に。本当は1人だけオールコートで当たったくれるシュルーダーが好きなのでその動画を載せたかったのですが見つからなかったので。

https://youtu.be/VlyF1fPjMTw

 

トレード、解体、補強論 for NBA

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読みにくさが尋常じゃないのですがご愛嬌ということでひとつ。

前置きもなくいきなり本題になりますが最近のトレード報道を見ると8位ラインが歴史的混戦を極めていることもあって市場が買い手傾向にあるとの報道は多いんですよね。TORやNOPが買い手に回ることが報道されたりNYKは短期的な選手の獲得も望んでいるとの報道から現状ではFAの失敗を繰り返すだけと態度を改めたとも取れますし積極的な売り手はCLE、DETくらいしか挙げられていません。OKCはトレードにオープンとの話がつい最近出ましたしそれが本当ならば最大手の売り手になる可能性はあります。選手の価値が上がっている現状ならば売りやすいでしょうし。逆に選手の価値がどうこうという意味ではCLE、DETの低調を見ると結構厳しいかと。特にラブやドラモンドの評価は難しくなってきています。ラブは態度もちょっと問題視されてますしね。ドラモンドはドラモンドで来季POなので例えばATLなどが獲得したところで数ヶ月のレンタルになる可能性は否めないというのがネックすぎる。両方とも多くは望めないトレードになるでしょう。特にドラモンドに関してはフランチャイズプレイヤーですし残留希望とのことなので放出の必要あるのかなぁと私は思いますが。でもDETがドラモンドに大金を積みたくないならば仕方ないのかなとも。でもその場合でもオフにサイン&トレードだとか契約を更新してからトレード先を探した方がDETに取っては旨味があると思いますし2月までに動くかと言ったら可能性はあまり高くないと見ます。でもローズは動かすと思います。球団最高額の柱であるグリフィンが全休、PO争いをしないとなれば売った方がチームにプラスでしょうし。噂のクズマのトレード先はローズということになるんじゃないかと見ていますが昔CLEでレブロンとローズで失敗した経歴があるのでLAL側が嫌うかもしれません。あとローズは未だに優秀ではありますがちょっと歳と膝の問題がありますし1巡目とかドゥンブヤをふっかけて破談になる可能性とかもそこそこありそう。

売り手の1つであるGSWもディアンジェロのトレードを夏まで待つ見込みでメインはバークスとロビンソンがメインだとかで余り影響力は高くないですしMEMもイグダラ以外を売る気は無さそうです。MIN、SAC、CHA、WAS、CHIは売り手に回る可能性もかなりの確率で考えられます。プレイオフを諦めていわゆるタンクといった形になるのかな。

MINはKAT次第ではありますがコビントンは人気の銘柄ですしメスが入るならここでしょうかね。幸いにもKATの契約は5年契約の1年目なのでまだ問題を先送りにできるのは救いがあります。

SACは読めません。昨季躍進したのは良いんですが何故かイェーガーHCを切って今の位置。フロントの凡ミスとしか言えない状態ではありますよね。ディバッツGMと折り合いが悪かったのかな?ボグダノビッチはキープしたい考えらしいのですがクズマは欲しいようで若い戦力を求めてるのかなという印象。損切りと言ったら申し訳ないですけど今季グダグタなバグリーを出せば即座に成立しそうなものですがドラフト2位2年目ということを考えると難しい決断だよね。バグリーはLALに行ったらめちゃくちゃ伸びそう。トランジション型ですしインテリジェンスが無くてもゴリ押しが効くLALにはフィットすると思います。まぁ九割九分九厘成立しないでしょうが。SACが売り手に回った場合に売りたいのはアリーザとデッドモンとジャイルズでしょうがデッドモンはまず売れませんよね。13Mのサラリーは来季ものしかかります。再来年の分は1Mの部分保証なので来季に契約切れのサラリーダンプ要員としては機能しますしチームとしてもトレード要求は無視するのが得策ではあるでしょう。トレードするならCHAのMKGとかゼラーとかその辺に2巡目かジャイルズをつけてグレードアップというのが現実的かなぁ。今年の2巡目を4つも持っているのでやっぱり買い手となってPO目指す方が選びやすい選択肢とは思います。仮にOKCが解体したら結構チャンスありますしね。

CHAは売り手ですが人気の銘柄が皆無です。前述のゼラー、MKGに加えてマービン・ウィリアムスだとかビヨンボだとか契約最終年のダンプ要員だったりやたらとサラリーの高い中堅どころだったりは揃ってますので動きやすいと言えば動きやすいですね。15Mクラスのロールを買いたがるチームが現れるかは不明ですが。

WASはひとえにベルターンスの去就。相思相愛らしいですしウォール、ビールとの相性も良さげなので相当なオファーを出さないと獲得できないんじゃないかなと私は思っていますがどうなるか。ちなみにサラリーの問題ですが来季はマヒンミとCJマイルズの契約が満了するのでかなり軽くはなりますし再契約に問題はなさそうです。でもロスターバランス的にDFはキツくなるよねって感じではあります。ウォールはDF出来るので万全で戻ってこれたらITのところがウォールになって多少良くはなりそうですが最近のウィザーズを見ているとやっぱりほぼ無名なペイトンⅡとかマクレーとかのがしっかりDF出来ているので色々と怪しい部分はありますよね。

CHIは謎のチームです。ここのところドアマットに甘んじていますけど毎年のように補強とかの意思は見せています。遥か昔に感じられる3αとかもそれですよね。ガーパクフロントは勝ちたいんでしょうが空回りがすごいです。13-26で12位、POまで5ゲーム差となかなか難しい位置にいます。勝ちに行くのもありえますが今年も諦める方が賢明ではあるかなぁ。借金13は少し重すぎると私は思います。ダン、バレンタインが最終年なので売れるなら売りたいでしょう。あとなにかと話題なのがADのシカゴ帰還説です。シカゴ出身でたびたび地元への愛を口にしているADは今年もなにやらリップサービスをしていましたがフロントが間に受けてオットー・ポーターJr、サデアス・ヤング、フェリシオなどのサラリーダンプを図ってもおかしくはありませんのでその辺が欲しいチームは最終年の選手を差し出せば獲得が望めそうです。LACがハークレスでヤングを望んでいるのもその辺が絡んでると思います。あとモリスやイグダラよりは堅実なプランですしね。

我らがOKCの話をすると、プレスティは依然トレードにオープンと報じられましたがその辺が本気なのかブラフなのか全く読めません。彼は強烈な緘口令によって勝ちトレードを積み重ねてきたのでOKCに関して出ている情報は本来の情報の20%くらいに考えておいた方がいいと思います。てな訳で売り手と報じられていたのが一転して買い手になる可能性もそこそこあるわけです。現状で言えば強豪と遜色ないですし。でもバランスの良さで成功している現状では出せる選手はいませんし契約最終年のサラリーダンプ要員かサラリー合わせとしてロバーソンが候補になります。そもそも復帰の目処はないですし正直2年のブランクがあっては今更戦力にはカウントできないでしょうしね。ロバーソン、ムスカラ、パットン、ネイダー、バートンの余剰資産を使って補強するとなるとまぁ指名権も必要になるわけで、1巡目を豊富に持っているので足元を見られるでしょうが狙うならばNYKからの購入ですかね。ギブソンの復帰とかエリントン、ブロック辺りは魅力的です。でもそこで出血するくらいならFAでバームーテだったりニック・ヤングだったりを取った方が効率が良く、能動的になる必要もないのかなとも思います。

あと売り手に転じた時の話ですがガロ、シュルーダーは今既に沢山のオファーを受けていると思いますしプレスティの鶴の一声でトレードが決まってしまうでしょう。プレスティ的にはデッドラインまでにもっと好条件吐き出させるよう働いているでしょうが納得できない内容なら受ける必要もありませんしシーズン開幕前、開幕直後よりは余裕があります。個人的には2年以上の契約を残すルーキースケールの若手か指名権を狙って欲しいですが。そういう視点で言うとクズマとかマルカネンとかは狙ってみたら面白いかもしれません。なんでその条件かと言うとやっぱりドラフトでPGの補強をしたいから。これに尽きます。今年はことPGが豊富ですし何よりOKC再建に必要なのはポールの後釜です。すごく雑に言うと20〜26くらいで34歳の今のポールと同じ実力を持った選手を突っ込めば再建はほぼ完了するわけです。雑にだけどね。丁寧に話すとやっぱりリーダーシップだとか経験だとかケミストリーだとか色々あるのでそううまく行くものでもないんですがポールの後釜を見つけるのが先決なのはもう動かないと思います。先に報じられたブルーにリアンジェロを招待というのはやっぱりラメロに対するアピールにしか見えないですし私的にもどうにかトレードアップでラメロを獲得してポールの後任にするのが一番丸く収まるかなとも思います。ラメロは悪評が付き纏っていますが勘違いを受けているところが非常に多いので別に事故物件ってわけでもありませんしね。まぁラバー自体が動く事故みたいなものなのでその言い訳は通じないかもしれませんが本人は少しチャラいくらいで至って真面目な良い子です。そんなラメロを獲得するには3〜5位のピックが必要になるわけで25位前後に落ち着きそうなDEN指名権、17位前後になりそうな自前指名権にもう一つ何か魅力的なアセットを加えなければトレードアップは難しそうです。まぁ大量に指名権はあるのでそれを差し出せば早いんですが、やっぱりそこにマルカネンだとかクズマだとかの方が単に指名権を追加するよりは魅力的なパッケージにはなりますよね。あとルーキースケールだとサラリーが軒並み安いので追加のアセットとして利用しやすい面もあります。シュルーダーとかでも動かせるならば良いんですが15Mですら纏めるのは結構難しい条件がつきまとうのでそういうアセットになりかねない選手はとって損はないのかなとも思ったり。あと別にラメロ以外にもコール・アンソニーとかニコ・マニオンとかタイリース・ハリバートンだとかタイリース・マキシーだとか優秀なPGはゴロゴロしてるのでその辺でも良いんですけどね。今のところ来季以降は有望なPGがガクッとその数を減らす予定になっているので今年にかける価値はあるかなと。まぁそれこそモラントみたいに成長して他をゴボウ抜きしてトッププロスペクトまで上り詰めるということもあるので一口には言えませんが。

最後に何かと話題のLALの話をしましょう。個人的にはトレードは起こらないと思います。だってサラリー合わせが至難の技ですし。ADとレブロンは当然アンタッチャブルですので他の魅力的かつLALにあまり必要でない資産といえばやはりクズマしかありません。グリーンとかKCPがトレードできるなら話は別ですがそれもないでしょう。あとKCPはトレード拒否権なのかトレードキッカーなのか保持しているオプションが分かりませんのであまり触れられません。多分キッカーの方だと思うのですがどこのソースもまちまちで曖昧でして…そうなるとやっぱりクズマとローズとかその辺しか現実的な落とし所がなく、FAで前述のヤングとかバームーテ、ジャマール・クロフォード、ファリードなどを獲得するか一瞬噂になったダレン・コリソンに電撃復帰してもらうか他のチームが動き終わってからバイアウト市場で補強するのがベターですよね。FAなら10日間契約で試すのもアリですし。そもそも何もしなくともリーグ2位なんですからどっしり構えてるくらいの方がスタンス的にも健全です。ADの再契約は9割くらい固まっているとは思いますが確かに若干の心配はあります。しかしこのまま戦ってもCFやファイナルを望めるチームではありますし、トレード補強なんかは失敗した場合にオフに考えれば良いと思います。ADに逃げられなければ向こう数年くらいはどうとでもなると思います。レブロンも衰えが見えているとは言え37.8くらいまでは一線で働けると思いますし。

おかえりラス

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喧騒に塗れながら時代は幕を閉じた。そんな試合。

全てのサンダーファンが待ちわびたその日がやってきました。そう、ウェストブルックの凱旋試合です。結果としては最大30点のリードをつけたブローアウトという形になりました。が、ウェストブルックも黙っていたわけではなくゲームハイの34ptsをFG53.8%で記録しており、慣れ親しんだチェサピーク・エナジー・アリーナでの試合という事で満員のファンの前で圧巻のパフォーマンスを見せてくれました。サンダーファン全員が望んでいた形に着地したゲームになったのではないかなと思います。

またウェストブルックの凱旋ということでその他も色々と特別なところがあった試合でもありました。まず違うのはジャージでしたよね。19-20シーズンverのシティエディションのジャージに身を包んで現れたサンダー。今季のシティエディションは人気のあった昨季のシティエディションのジャージよりさらに人気が高く、高級感溢れる洗練されたデザインがカッコいいなと私も感じます。あと未練がましいですけどウェストブルックとジョージもめちゃくちゃ似合うんだろうなぁとしみじみ。あとは24秒計がフロアに投射されるアレがサンダーの試合で初めて使われたり、ウェストブルックのシューズがOKC仕様だったりと特別感は満載。

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ウェストブルック帰還に合わせてシティエディションを着用したりなどこういう小粋なことをするあたりがサンダーがどれほど彼に感謝しているのかがわかります。また、ウェストブルックもシューズの着用や、わざわざ昨日の試合の方を休み、今日のサンダー戦に出場を合わせたり、試合後にロッカールームを訪れたりと彼もその愛を惜しげなく見せて応えてくれました。

 

 

 

*エモーショナル・ゲーム

足の怪我により試合の数時間前出場が危ぶまれていたガロが試合前になって突然の出場表明と無理していないか若干心配になるブレイキングニュースから入った試合ですがそんな心配もどこ吹く風で試合開始直後から圧倒的なオフェンスを見せ、万全であると証明してくれました。流石にガロがいるといないではOF力の差は歴然だなぁと思わせてくれます。ネッツ戦とか年末の4試合とかは完全にDFだとかその他の要因で勝ってきましたしね。あとノエルは依然お休みですが今日はムスカラがかなり頑張ってくれたので穴は目立ちませんでしたね。でもディフェンシブアンカーであるノエル不在というのはサンダー的にはめちゃくちゃ痛手の筈ですし早く元気にプレイしている姿を見たいところではあります。

そんなこんなでガロもムスカラも気合を入れてプレイしてくれた訳ですが、気合が入ってるのは2人(とウェストブルック)だけではなく、遺恨を残した古巣との対戦となるポール、シュルーダー、アダムス、ファーガソンあたりもプレイオフさながらの200%のプレイを見せてくれました。結果、シュートが決まる決まる。面白いように得点が決まっていき、1Q37得点はシーズンハイを記録しました。また、前半は自分達のバスケットを強制していき、シーズン平均99.24のペースを記録しているサンダーですが、前半92.00と極端にスローペースで試合を運んでいったのが分かります。ちなみにロケッツは平均103.93リーグ2番目とトップクラスのハイペースなチームであることから、会場のボルテージとは裏腹にかなり落ち着いたプレイを貫いて前半を支配したと言えるでしょう。後半に入るとどうにか打開しようとしてきたロケッツに3Qが112.00とペースを上げられてしまいますが、それでも譲らず、Qを勝ち越せたのは平均得点1位を記録するロケッツを僅か19得点に抑えたDFでした。

ちなみにサンダーの3QのDRTGはなんと驚異の67.9を記録。これだけペースを上げられたにも関わらず速攻からの失点を2.0に抑えたトランジションDFが光りました。ここで勝負アリ。まさに全員のDFの貢献、スローペースで丁寧なボールムーブメントで得点を狙うOFの賜物と言えるでしょう。現サンダーのバスケットボールの究極が今日の試合にはありました。なんだかラプターズとかセルティックスとかペイサーズらの東の強豪みたいな形に仕上がってきましたね。西では珍しい全員バスケができるチームです。サンダーを取り巻く色々な噂や怪我に関するマイナスな出来事を除けばリーグでも上の方に位置するチームにまとまってきているのを感じます。だからといって優勝に手が届くチームではないけれどね。何が起こるのかは分かりませんが今はこの雰囲気のよさと強さを兼ね備えたサンダーを解体の時まで愛したいと思わせてくれる一試合であり、また、ウェストブルック、デュラント、ジョージ、イバカ…etcが築き上げてくれたサンダーが完全に一新されたことを告げる試合でもありました。

(ま、案外トレードも起こらずガロが再契約して来季もこのチーム、なんてオチもなくは無いですが。)

 

 

*T-Fergという男

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いや、ファーガソンがDFできるのはみんな知ってる。でもこれだけは言わせてくれ、今日のMVPは間違いなくファーガソンだ。

元々DFができる選手ではなかったファーガソン。というかむしろルーキーシーズンはリーグでもかなり下位のDFスタッツを記録していました。「2K」ファーガソンの異名をとったり3Pとダンクの3&Dなんかと揶揄されたりとダンクばっかりの印象が強かった彼は2年前にロバーソンが離脱後、スターターの穴を埋められなかったことを酷く自責し、ロバーソンに師事してひたすらにワークアウトを重ねてDFをモノにしました。ロバーソンの談ではポジショニングや手の位置、ステップの運びなどの技術を指導したとの話でその他に関してはコーチと自身で取り組んだワークアウトの賜物だそう。昨年からサンダーのスターターに抜擢され、そのDFが少しは取り沙汰されるようになりましたが今年に入ってからの1on1のDFはリーグでもトップクラスだと評判です。数字で見てもジョージ、レブロン、そしてハーデンを最も苦しめたマッチアッププレイヤーと言っても差し支えないくらいの結果も残しており、レブロンの例を出すと44.8回のマッチアップで3失点、4TOVと今のところ得点に関してはほぼ完封と言っていい内容を残していたり、今日のハーデンに関しても17失点に抑えており、これはハーデンにとってシーズン最低の記録となりました。ついでに言うとハーデンが10点台に抑えられたのはシーズンで僅かに2度目、実に34試合ぶりとのことです。また、平均12.4本ものFTAを奪っている彼に対して僅かに5本のFTAしか許しておらず、いかにハーデンを抑えられていたのかが分かります。ハーデンの完封に伴い、ロケッツ自体もシーズン最低の92得点に留まり、DFにおいて全てを支配したゲームだったことが数字からもよく分かりますね。もちろん1人のDFで全てを止められる訳ではありませんし、DFはチームで行うものなので全てが彼の功績、全てが彼の責任となるわけではありませんが、それでもファーガソンの1on1で相手のエースを止める能力はリーグでもトップクラスと照明でした試合になったことでしょう。もちろん至らないところはまだまだ沢山あります。3Pが安定しなかったりだとかヘルプが実はあまり上手くないだとかシューターに付くのが苦手だったりとか、ハッスルがいまいちうまく決まらなかったりだとかロバーソンやスマートなんかのDF&ハッスルの最上位クラスにはまだ届きませんが、ファーガソンのDFに関する成長曲線を見ているといつの日か総合的にロバーソンを超えるロックダウンプレイヤーになってくれるのではと期待せずにはいられない、そんな日でした。あとディアロとドートも楽しみですよね。他のチームだとタイブルやアイザックなんかも楽しみです。

 

 

・総評

いきなりトリビュートビデオが流されて会場は大いに沸き、選手紹介はサンダーの面々を差し置いて大盛り上がり。なんなんだこれは状態から始まった試合ですが私の感想は「うるせぇ…!」でした。プレイオフかよってくらい盛り上がってましたよね。なんと試合のチケットは過去5番目に高い平均$133だったとか。ひとえにウェストブルックの人望ですよね。デュラントも適切な退団ができていたらこうなっていただろうに。そんなデュラントはTwitterでパーキンスらとまた一悶着あったとかなんとか。

あと思ったのは今日のシティエディションのジャージの色が黒(?)と金だったのでシュルーダーの髪のゴールドパッチを含むトータルコーディネートとしてめちゃくちゃ綺麗に纏まっていて綺麗すぎて笑ってしまったのを覚えています。色味が本当に綺麗すぎてずるい。

あと客観的に観察しているとウェストブルックはパスが上手いということがよく分かりました。スペーシングに気を使ってもらってるのもあるけどそれにしたってよくワイドオープン作るなぁと。まぁマクレモアとかカペラとかが今日はあまり決めてくれなかったのでアシストにはなりませんでしたが。あとシェイがポストで良くやられていたのは印象が強いです。シェイは線が細いだけにパワー系のガードにマッチアップするのはまだ厳しいのがよく分かります。スリーガードの時にSFやらされてますがSFの選手につくのはポールだったりすることも多いのでドノバンもその辺は気を使ってそうですが。

あとすごく好印象だったのがベンチの雰囲気ですね。ドノバンとポールがいちゃついていたりアダムスとシュルーダーはそもそも元OKCメンバーですしよく盛り上げてくれています。これだけ団結しているとやっぱり見ていて気持ちもいいですし崩すのがもったいないという気持ちにもなりますよね。何回も言ってきていますが念押しで私自身にも読者の方々にもくれぐれもトレードなどでショックを受けることのないように覚悟は常に持っておくことを強く推します。

長くなってしまって申し訳ありません。なにぶん特別な試合だったものですのでご容赦を。それではまた次の記事で。

 

・例のシュルーダーのやつ

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(via Instagram)

 

サンダーはなぜ強い…? 【Why is OKC strong…?】

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via OKC 

ドノバン式スリーガードシステムの真髄

直近10試合で9-1でリーグトップタイ、12月の成績は11-4でウェスタンカンファレンストップと絶好調のサンダー。絶対的エース2人を放出し、再建へと舵を切ったことは明白だったのにも関わらず、リーグトップクラスの成績を収めている要因は何なのか、というのを私の主観と絶対的なスタッツの両面から解剖していきます。とっ散らかりそうなので何回かに分けようと思いますが。今回はクラッチとスリーガードシステムについて考えていきます。あと遅ればせながらあけましておめでとうございます。本年も当ブログ、サンダー共々どうぞよしなにお願いいたします。

 

*スリーガードとクラッチシチュエーション

現在のサンダーの根幹はまず間違いなく3ガードシステムにあります。個人的にはサンズが失敗していたイメージが強いのであまり良い印象を持てなかったシステムなのですがドノバンが正答といえるシステムとして構築してくれました。

シェイ、ポール、シュルーダー3人がオンコート時のオフェンシブレーティング(以下ORTG)は126.6で200分以上オンコートのラインナップに限定するとロケッツのハーデン、リバース、マクレモアのラインナップに次いでリーグ2位。ディフェンシブレーティングも97.2と優秀で結果としてNETレーティングが29.3と同条件でダントツのリーグトップとなっています。これはサンダーの12月以降のORTG111.4、DRTG107.3、NRTG4.1と比較しても際立っている数字と言えます。つまりはこの3ガードこそサンダー成功の大きな要因だと言えるということになります。またサンダーの試合をよく観ている方はお分かりと思いますがこのラインナップは終盤の起用が実に多く、121/209分が4Q、OTでの起用となっていました。要はサンダーのクラッチの強さがこのラインナップに起因するものであると考えるのに充分な理由であると取れるわけです。

ちなみに今もちだしたクラッチの話ですが、今季のサンダーはリーグトップの107分もの時間をクラッチで過ごし、ORTG125.4もリーグトップ、DRTG100.5、NRTG25.0はそれぞれリーグ11位と3位です。更にTS%(3PとFTをFG%に還元した補正シュート率)は65.6%とこの部門でもリーグトップを記録しています。つまりサンダーはリーグで最もクラッチに強いチームと言えます。

次にこの3人を個人で見ていくとクラッチにおいてのDRTGがシュルーダー92.5、シェイ100.0、ポール101.9とシュルーダーが抜けていることが分かりました。逆にORTGではシェイ127.5、ポール125.7、シュルーダー124.7という結果に。いずれも優秀な数字ではありますが3人それぞれに特徴が出るといった結果に。

詳細に見ていくとポールが平均3.6pts、シェイが2.3pts、シュルーダーが1.5ptsでTS%はそれぞれ66.3%、77.5%、63.9%でUSG%は30.5%、18.8%、20.3%(※順同上)となりました。これを整理すると

オフェンスはポールがコントロールし、シュルーダーがこれをカバーする。シェイは確実性の高い選択をし、無理をしない高効率なプレイを徹底。そんなオフェンスということが見えてきます。

更に意外にもシュルーダーはポールのカバーとDFに注力し、ポールとシェイの穴埋めをしているという面も見られ、役割を大きく変えていることが分かります。大人になったな…

シェイはシェイでクレバー。若干21歳とは思えない冷静なプレイ選択が出来ていることが高いTS%と低いUSG%から察せます。主観ですがクラッチFTはやや苦手な印象ですがね。

ポールに関しては本当に言うことがありません。シェイとシュルーダー、その他のメンバーのおかげでクラッチシチュエーションまで体力を温存できるというのも功を奏しているのでしょうがTS%、USG%共に最高水準をクラッチに持ってきているのは火を見るより明らかで、クラッチの総得点93ptsはリーグトップ。ちなみにTOVは僅かに4つ。それをこの高効率でやってしまうのは流石はPoint Godなのでしょう。34歳となった今、やれることは限られてきたのでしょうがまだまだ超一流である確固たる証拠がそこにありました。

 

今回は簡潔にクラッチのこととスリーガードシステムについてだけにしておきます。まだまだ色々面白い数字の変化もありますのでそのうちそれらについても触れられたらなぁという感じではあります。こんがらがりそうですし。私が。

あと最後に一つ。スラッシュブラザーズって呼称流行れ…